5月5日(日)


今日は5月5日の子供の日、ダイビングは最終日です。夜の間に雨が降ったようで、朝起きると空は曇りで地面はぬれていましたが、出かけるころには日が差してきました。天気予報も晴れになっていて、今日も暑くなりそうです。

港へ行って船に乗ります。言い忘れていたけど船の名前は「ミス・プテロイス」といい、ミノカサゴの学名からとったそうです。そのミノカサゴ、英名が「ライオンフィッシュ」で、これがショップの名前になっています。

今日はアドバンスのディープダイビングをやる人がいたので、深いところへ行きます。ポイントは「大崎ライオンフィッシュの根」で、水深30mところにメインの根があります。
ボートからエントリーして、10mくらいのところで集合して、そこから深いほうへ移動するという段取りだったのですが、たまたまそこにいたカクレクマノミにみんな夢中になってしまい、ガイドの立子さんが「いきますよー」の合図を出しても写真を撮り続けていました。しょうがないのでひとりひとりひっぱたいて、深場に向かいます。

途中は砂地で、斜面がなだらかになってくると根が現れます。その手前でストップのサインが出ました。砂地にガーデンイールがいたのです。よく見ると前だけでなく、右にも左にも顔を出しています。これが浅場なら時間をかけてできるだけ近づいてというところですが、なにぶん30mなので時間がありません。遠くから見ただけで、その上を通って根に向かいます。
スカシテンジクダイがいると聞いていたので、根の回りに群がっているのかなーと思っていたのですが、さにあらず。根の割れ目というかくぼみという所に集まっていて、入りきらない連中は岩に張りつくように密集していました。どっちかというとキンメモドキに似た集まりかたです。一匹一匹がまだ小さいので、大人とは違う行動パターンなんでしょうか。

根の下の方では、クレナイニセスズメが何匹か陰になるところにいます。本来は紫色なのですが、深いところにいるため黒っぽく見えます。そこですかさずライトの光を当てると、あざやかな紫色が浮かび上がります。なんてことはないテクニックですが、それを知らない人の前でこれをやると効果絶大です。

小さな魚が何匹か混じっているところを見ると、ウメイロモドキの幼魚がいました。まだ体は半透明で、色もほとんどついていないのですが、それでも背中の黄色と腹側の青い色がうっすらと見えて、その色合いに独特の魅力があります。ライトをあてるとどう見えるかというと、見とれていてライトがあるのを忘れていました。

やたらと白っぽい魚が何匹もうろうろしていたけど、名前がわからなかったので、スレートに簡単に図を書いておいて、後で調べるとハクセンタマガシラでした。背びれの下に体の他の部分よりももっと白い線が入っていて、側線のまわりも白い模様が入っています。一口に白といっても、いろいろな白があるんだな、と思わせる魚でした。

他に、セジロノドグロベラが他のところよりも多かったです。いつもは1匹見つけて「あ、いるな」という感じですが、3匹つながって泳いでいたのには「あれあれっ」でした。

いいかげん時間もなくなっているので、浅いほうへと移動します。途中でヨスジフエダイの群れと出会ったり(ヨスジフエダイは岩場で見るより白い砂地で見るほうがきれいに見えると思うんですが、どうでしょう)しながら上昇していき、ボートのそばにある、ちょうど水深5mくらいの棚の上で安全停止をします。ロープにつかまってやる安全停止はつまんないけど、こういうふうに浅場で安全停止を兼ねて遊ぶのはおもしろいので、いつまでも安全停止しててもいい、と思うのですが、まあ空気がなくなる人もいるので一人減り、二人減りしていきます。

いきなり立子さんに腕をつかまれたので、何事かと思って振り返るとスレートの「黒いビキニパンツ」の文字。なんなんだろかーと思って指さすほうを見るのですが、魚なのかなんなのかわからないので焦点が定まらず、何だかわからないままに指さされるほうを見ていくと、やっと見つかりました。何かの幼魚で、頭が黄色、胴の前半が白、後半が真っ黒というやつでした。なるほど、だからビキニパンツなわけですね。
図鑑で見るとキツネベラの幼魚のようですが、ヒレグロベラの幼魚も似た色をしているので、そっちかもしれません。

安全停止というには長い時間を過ごして、船に戻る途中、ヤッコエイが水底を滑るように進んでいくのが見えました。最後まで気を抜けません。

ちょっと風波があり、船が細かく揺れるので、昼食は底地に移動してということになりました。船の上で休む人(ディープの後だからね)、早速3点セットをつけて泳いでいく人と、思い思いに過ごします。でも日差しには要注意、特に水面にいると水のせいで熱さを感じないので、あとで真っ赤になったりします。

さて昼休みも終わり、いよいよ最後のダイビングです。ポイントは「石崎マンタスクランブル」、おとといは1匹だったから今度は2,3匹見たいねーなどと都合のいいおしゃべりをしながらポイントにつくと、すでに船がたくさん来ていました。数えてみると12隻います。1隻に平均10人くらいとして、合計100人以上がマンタを見に来ている計算になります。
そういっているうちにも船が次々と到着し、ますます増えていきます。

おとといと同じところに船を着けて、マンタの来る根まで少し泳いでいきます。流れがないので前回よりは楽にポイントに着き、腰を据えてマンタを待ちます。といってもマンタが出るまであまりにもひまなので、フィッシュウォッチングをついでにしてしまいます。

ユメウメイロは相変わらず中層でぼーっとしていて、シロオビブダイはせっせとサンゴをかじり、フィリピンスズメダイやアマミスズメダイはその辺を泳ぎ回り、サザナミハギはサンゴをついばみ、アカククリは逃げまわり、ツバメタナバタウオは逆さになっていて、メガネゴンベはサンゴの上ですまし顔して、ヒレグロコショウダイは割れ目の水路にたたずみ、ヤシャベラは出っ歯むきだし、インドカエルウオは穴から穴へと動き回り、ミゾレチョウチョウウオはただ泳いでいて、レモンスズメダイはちょっとした砂地にじっとホバリング、という具合に、落ち着いてフィッシュウォッチングを楽しむことができました。

え、マンタはって?マンタが出たらこんな細かい魚の観察はしませんよ。

ということで、マンタねらいは1勝1敗、確率50%でした。すごすご。

まずは、いい天気のうちに今回のツアーは終わりました。ホテル(日航八重山)に戻って器材を洗い(洗い場はあるのに干し場がないのが欠点)、ちょっと公設市場に行って来ました。1階が肉や魚の店、2階は特産品センターになっています。野菜はというと、市場の前の路上におばあが店を広げています。肉や魚は買っても持って帰るのは難しいですが、野菜ならなんとかなる、というわけでさっそく島らっきょうをキロ単位で買っちゃう人がいたり、塩をかかえこんだりと、ワイルドな買い物でした。

夜は宴会で(毎晩だけど)今日は最終日なので、2次会はホテルのてっぺんのカクテルラウンジ(それまでは部屋でやってた)へ行ってみよう、ということになりました。ホテルは市街地の高台のほうにあったので、石垣市街が一望で、最高の景色でした。お値段のほうも・・・まあそれなりでした(なお、今まで泡盛だったのに急にカクテルなんぞを飲んだので、二日酔いになった人がいたようです)。


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