8月の赤沢

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8月13日(金)

ウェットスーツが西表で破れてしまったので、レンタルのスーツで潜ることになりました。しかしこれがどうもゆるいぞ。着るのは楽でいいのですが、首のあたりはすかすかです。あとは水温が高いのを祈るのみ、って半袖で潜っている人もいるのですが。エントリーは、楽して砂浜から入ります。で、水面移動もはしょって、足の立つところからさっさと潜降します。でもこれは潜降というよりも、 ただ前に倒れてるだけのような気がするなあ。
潜ってみると、透明度がほとんどゼロでもあわててはいけません。そりゃあ今まで足ついていたとこですから、砂が巻きあがっているだけです。少し移動してみると、まあ夏の伊豆だからこんなものかな、という程度の透明度です。砂の上には、メゴチの仲間(トビヌメリとかコブヌメリなどの仲間、区別のしかたがよくわからない)がやたらと(30cm間隔くらい)います。砂とゴロタの境目あたりには ソラスズメダイが婚姻色になって、巣作りをしています。
防波堤の先のあたりには、波消しブロックがぼこぼこしているのですが、このあたりにネンブツダイが群れています。よく見ると、2匹づついっしょにいて、それが集まって群れになっています。この2匹は、もちろんオスとメスで、いまは繁殖期です。中には、卵でお腹が真っ白になっているメスもいます。また、口をいっぱいに膨らませたオス(卵を口の中で保護している)もいます。ネンブツダイのマウスブリーディングは夏の海の景色です。
防波堤を回り込んでいくと、小さくて丸くて薄い青の魚が何匹か見つかります。これは、テングハギ(かヒメテングハギか、あるいはそのあたりのハギの仲間)の幼魚です。小さい体に、目が大きくて(しかも黒目がち)なかなかかわいいです。
砂地に長さが5mくらいの岩がどさっとあります。ここはいつも何かしらいるので、探してみます。岩のすきまを見ると、ひげが2本・・・小さいイセエビでした。目をだしてまわりをうかがっていますが、近づくと引っ込みます。いちおうみんなに教えてあげましたがわかったかなあ。

撮影:瀬古大輔

岩の窪みで、何かが動いています。近づいてみると白黒の細いものがくねくねくねくね・・・これはコロダイの幼魚ですね。少しも休まずくねくねしていますが、こんな小さい体で動きつづけて、エネルギーの補給は大丈夫なのでしょうか。
防波堤沿いに、もう少し進むと、岩がいくつか重なって穴ができています。覗いてみると、マツカサウオがいました。あらら、そんなにカメラつっこんじゃ逃げちゃいますよ、しかも砂巻きあげてるし。あ、ボウズコウイカもいた。
このあたりで水深9m。そろそろ戻ります。帰りは、もと来た道をそのまま戻ります。ボラが大きくなって、時々近くを通ります。よく見ると、泳ぎながら下あごで砂をすくっています。こうやってエサをとるんですね。

午後は、砂地に出ます。砂地の中に、四角い岩(ほんとは係留用の重しみたい)が2つあり、そこが魚のたまり場になっています。今日のお客さんは・・・。まず、クロイシモチがペアでいます。オスが口の中に卵を入れていて、顔が下ぶくれになっています。お、ムレハタタテダイが1匹(なんか矛盾)います。カワハギにくっついて泳いでいるのは、どうやらクリーナーをやっているようです。目を上げると、少し小さめですが、スカシテンジクダイが群れています。
少し離れたところに常設のたこつぼがあり、タコが入っています。目だけ外に出していますが、近づくと中に引っ込みます。覗いてみると、片目で見返しています。タコの目って、黒目の形がおもしろいですね。
帰り道の砂地で、2つ組になった丸いものが砂の表面にいっぱいあるので、手ですくってみると出るわ出るわ、二枚貝がたくさんわいてきました。ちょっと、ぞぞっとします。


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