6月の赤沢

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アオリイカの卵。産みたてはぷりぷりしてます少し離れるとこんな感じ。白いバナナのようです
産卵床は他の魚のすみかにもなっていますまだあまりその気になっていないアオリイカ
カサゴの子供。澄みきった目をしていますたまには赤い色も欲しくなる、というわけでウミトサカのアップ
マトウダイ。黒斑がはっきりとしていますだいたいこのくらいの大きさです

梅雨の中ですがなんとか曇り空の赤沢からのお届けです。たまーに日が差すこともありますが、すぐにかげってしまいます。でも雨が降らないのはありがたいことです。

今回はなぜか透明度が上がりました。水温も20度近くまで上がって、ウェットスーツで1時間以上潜っていても死なないくらいにはなっています。

さて、沖に沈められたアオリイカ用の産卵床はどうなっているでしょうか。
まずは行ってみると、すでに卵が産みつけられていました。でも本体のアオリイカは影も形もなし。いったいいつ産みに来たんだろうと考えながらその場を去ろうとすると、ガイド嬢から「あっちあっち」のサインが。行ってみると、もう一つ産卵床があり、アオリイカはそっちにいたのでした。産卵床に 近いところにいたのは5、6匹で、あとは産卵床に向けて列を作っています。
まだあまりその気になっていないようで、あまり産卵床の近くには寄ってきません。こういう時は近づくと逃げてしまうので、ちょっと遠くから見ていました。でもいくつか卵が産みつけられていたので、産卵が始まっているのは確かです。

そこへ行く途中、ガイドロープを伝って進んでいくと、いきなりマトウダイが見つかりました。ガイドロープのほとんど真上で、これは誰でも見逃しようがないってやつ。15cmくらいでほとんど成魚でした。ひれをいっぱいに広げると、背びれのとげが長いので、高さは20cmくらいになります。だから横位置で写真に撮ろうとすると、全体がうまく入らなくて迫力のない絵になってしまいます。ここはひとつ、ぐぐっと寄って体の模様を切り取るのが正解かも。

防波堤の内側では、うれしいことにソラスズメダイが戻ってきていました。先週はほんの3〜4匹が一カ所にいただけなのですが、今回はそこ以外の場所にもちらほらと見かけます。やはりあの青い姿が見えないと、海の中に色気が出ないので大助かり。初心者の講習でも「あの青い魚がきれいだった」 と感動できます。

クロホシイシモチの群れの中では、そろそろ2匹づつのペアができはじめています。おなかが白くなっているメスもいて、産卵が間近であることを感じさせます。ところで、今年はクロホシイシモチの中に、結構多くのネンブツダイが混ざっています。数にすると1割くらい。いままでネンブツダイはネ ンブツダイでちゃんと別れて群れを作っていたのですが、今年は例外になってしまいました。でも一緒にいて間違えたりしないのだろうかと他人事(他魚事?)ながら気になります。でも本当に間違えて、ネンブツダイとクロホシイシモチのペアができちゃったりすると、それはそれで面白いのですが。
ところで、クロホシイシモチとネンブツダイ、よく似ているけど、どうやって見分けるのかとよく聞かれていました。今までは「目の上の模様で区別できます」と答えていましたが、今日はもう一つ、区別のポイントが見つかりました。それは体の透明度。ネンブツダイのほうが透明感があり、背骨まで見えます。クロホシイシモチはそうでもなく、体の中までは見えません。それぞれ単独の群れの時にはあまり役に立たないけど、混ざっているときには比較できるのではっきりとわかります。

砂地にマアジの小さいのが群れています。行っちゃうかなーと思うと戻ってきて、目を楽しませてくれます。そのまま唐揚げにしたら骨まんま食べられるかなーというくらいの大きさですが、やはり群れになるとちょっとは迫力が出てきます。その近くにはマダイの子供が群れを作っていて、近づかせて はくれないのですが、遠目にピンク色の魚が集まっているのがわかるくらいには寄れます。

今年はなぜかヨソギが増えました。今までは15mくらいまで行かないといなかったのですが、今年は浅場でばんばん見られます。でも目立たない魚なので、知らない人は「ああカワハギか」で終わっちゃうことになりそうなので、スレートでしっかり教えてあげます。

浅場では、イシダタミヤドカリが貝殻の争奪戦の真っ最中でした。ぼろい貝殻のほうが新しいホラガイの殻をぶんどろうとちょっかいをかけていますが、敵は貝殻に引っ込んで出てこない作戦をとっています。どうも時間がかかりそうなので、最後まで見届けずにその場から移動してしまったのですが、勝 負の行方はワールドカップに途中で中継を切られてしまった巨人・阪神戦よりも気になります。

さて先週たくさんいたアカエソですが、やっぱりいなくなっていました。まるっきりいないというわけではないのですが、先週のようにどこに行ってもそこにいるということにはなりません。やっぱり赤沢名物の一瞬の大発生だったようです。

翌日曜日(16日)は、アオリイカとマトウダイねらいで2本同じところへ行きました。マトウダイは期待通り現れましたが、アオリイカはやっぱりまだその気がないようで、産卵シーンはなしで終わりました。次に来るのは7月になってしまうので、その時に期待することにしましょう。


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