海中林の中のクロホシイシモチ	名前不詳の赤いハゼ
口をあけて威嚇するトウシマコケギンポ	うじゃうじゃいるサラサエビ
まだこれくらいの大きさならかわいいゴンズイ	もう一息で越冬できるかも、のクマノミ
紫でコーディネートしたバフンウニ	メスをつかんで運ぶケアシホンヤドカリ
隠れているアナハゼの子供	岩をおおうアヤニシキ
今日は独身？のヒメギンポのメス	岩にはりついて冬ごもり中のキタマクラ

そんな寒い中でも一生懸命に生きている生き物たちには、ある種のいとおしさを感じてしまう、というとちょっと大げさかもしれませんが、普通にいる魚でも、魚の種類が少なくなるこの時期には、いつもより貴重なものになります。

夏の間には見向きもされないキタマクラでも、岩のちょっとしたくぼみにじっとしているのを思わずじーっと見つめてしまったり、キタマクラのほうでも見られて落ち着かないのか、体を少しずらしてみりはしますが、お気に入りの場所から逃げることはありません。少し浮き上がって、逃げそうで逃げないこの時期のキタマクラです。

クマノミファンの皆様（いるのか？）、お喜びください。ちびのクマノミは、まだまだ元気です。イソギンチャクにくるまるようにして顔だけ出していることがほとんどですが、弱っているようには見えません。

ヒメギンポは、今日はメスが１匹だけでした。最初に見たときはいなかったのですが、横からつつつつーと砂地をすべるように戻ってきて、定位置の天井に張りつきました。婚姻色は前より濃くなったようで、とても派手な顔つきです。

ところで、この寒い中で繁殖期をむかえているのはヒメギンポだけではないようで、メスをがっちりとつかんでいるケアシホンヤドカリを見つけました。いつもなら見つかったとたんに貝殻の中に隠れてしまうところが、メスをはさみで捕まえていては引っ込むわけにもいかず、にらみ合いになりました。そばにあるロープに身を寄せてはいますが、ストロボ光らして写真を撮られても、そのままの体制でじっとしています。メスのほうは、それでも半分くらいは隠れましたが、足は外に出たままです。

生き物が少ないといってもそれは種類にもよります。バフンウニ（この名前はどーにかならんのか）なんかはツクダニにするほどたくさんいます。海藻の葉なんかを頭（？）にくっつけていますが、あんまりカモフラージュになってるとは思えません。でも中にはちょっときれいな色合いのものもいたりするので写真に撮ってしまいました。紫色をしていて、乗せている海藻も紫色でコーディネートしているちょっとおしゃれなバフンウニです。

サラサエビもいつもは雑魚ならぬ雑エビですが、あまり逃げないのでこれも写してみました。あらためて見るときれいな色をしているのですが、数が多くていつでもいるってのは、損な役回りです。

浅場で群れになっている小さなベラ、よく見るといつも見かけるカミナリベラと違います。写真に撮って後で見てみると（これだからデジカメは便利）イトベラのようです。少し深いところに単体でいるのは見かけますが小さい頃は群れになることもあるんですね。

水温はまだ１２度と、変わりません。でも少し濁りが出てきたのは、春が近いせいでしょうか。といっても、１０ｍくらいは見通せるので、本格的な濁りというわけでもないようです。フードをかぶらないで潜ると頭にキンキンきますが、そんな中で体一つで平気なんだから、生き物ってのは強いものです。