2月の赤沢

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またもや赤沢です。でも今回はいつもとちょっと違う赤沢でした。

今回は、PADIの新スペシャルティ、「サポートダイバー」のコースが初めて赤沢で開催されました。これは、障害のあるダイバーと一緒に潜るための、特別な手順や方法を学ぶコースです。具体的には脊髄損傷などで車いすを使っている人のバディとして潜るための、テクニックの紹介やシミュレーションを行います。

まずは学科。障害のある人に対する心構え、バリアフリーの考え方などについて、約1時間。そして実際に車いすを使い、いろいろな部分の名前や取り扱い方を体験します。
そしていよいよ海洋実習。交代で障害のあるダイバーとそのバディの両方を体験します。最初はエントリーからです。足の立つあたりに浮かべたフロートに器材をつないで、障害のある人役には車いすに乗ってもらい、そのままエントリーします。座っている人の胸ぐらいの深さに来たところで車いすを離れ、浮いている自分の器材をフロートから外して装着します。
水面装着なんて講習以来という人もいてなかなか大変ですが、そこは障害者の役なので、バディの手助けをもらって完了。そしてプレダイブチェックは水中でやることになります。

潜降は水中にのびている鎖にそって、深い方へと進みます。そして講習に適したあたりまではバディごとに横並びで進み、いよいよ練習開始です。
まずは両手を使って進んでみます。水中なのでクロールというわけには行かず、平泳ぎに近い腕の動きです。まっすぐだけでなく、最初の場所までぐるっと回ってこなければなりません。次は、片手だけを使って進んでみます。単純に腕を回すだけでなく、スカーリングのテクニックなども使わないとまっすぐには進みません。腕のかき方も外にかいたり内側にかいたりと、工夫が必要です。

次はムーンウォーク。フィンを外して水底を歩きます。水中を歩くことで無重力感を改めて実感できます。ただ、歩き方にはコツが必要で、あわててしまうとどんどん浮き上がってしまい、中層でじたばたすることになってしまいます。

水中実技はここまでで、後は水中ツアーになります。といっても障害のある人役は手で進まなければならないので、あまり広い範囲は動き回れません。腕で進むゆっくりとしたペースに合わせるのはバディの大切な役割です。また、行動範囲が限られてしまうことを実感できます。

魚は・・・少なくなっています。キタマクラが岩に張りついてじっとしていたり、ソラスズメダイが岩の間にひっこんで冬ごもりをしていたり、ホンベラの小さいのが岩の間を泳ぎ回っているくらいです。クロホシイシモチもだいぶ少なくなったようです(たぶん深場に移ったと思う)。そんな中で小イワシの群れが形を変えて、目を楽しませてくれます。

一回りしてエキジットポイントへ戻ります。エキジットはエントリーと逆で、水面でウェイトと器材を外し、バディが持ってきてくれた車いすに乗り移ります。そしてスロープを引っ張り上げるのですが、最後に砂地の関門が待っています。止まっていると車輪がどんどん砂の中にもぐってしまうので、砂のあるところをいかに早く通り過ぎるかが勝負の分かれ目になります。

2本目は役割を交代して、同じことを繰り返します。障害者役の人は日頃使わない筋肉を使うのでかなり疲れます。翌日筋肉痛になる人もいました。

水温はまだ13度あり、土曜日(2日)は晴れだったのでまだしも、翌日曜は朝から冷たい雨が降り、かなり冷えました。透明度は変わらず、砂を巻き上げたりしなければ15m先でも見えるくらいでした。


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