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| サツマカサゴにアップで迫ってみました | 地味のように見えてひれは少し派手なホシノハゼ |
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| メバルの正面顔。目がでかいです | ヒメギンポのメス。まだ婚姻色になっていません |
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| 名前がわからない魚。図鑑にも似たようなのは載っていません | ご存知の方はご一報ください |
そして翌日(29日)の赤沢です。朝からいい天気、気温も10度まで上がってまずまずのところです。海も静かで潜るのには絶好の日和なのですが、他にダイバーはだれもいません。貸切状態です。
今日はオープンウォーターの限定水域からですが、一人が潜った瞬間に激痛が口に走ってしまいました。どうやら歯のスクイズのようで、いったん上がって再度挑戦するも、わずか1mでガキンと痛みが走り、残念ながら取りやめとしました。
そんなこんなで日程はどんどん遅れていき、結局この日は限定水域の練習だけで終わってしまいました。
気を取り直して翌日、残りのひとりとマンツーマンの海洋実習です。天気は晴れ、海は昨日以上に静かでした。さっそくエントリーして、沖まで泳いで潜降します。透明度も良くて、ずっと遠くまで見えます。
早速見つかったのは、ナンヨウツバメウオの幼魚でした。幼魚といってももう15cmくらいあるので若魚かもしれないけれど、とにかく枯れ葉かなにかのふりをして漂っていました。それを見た後でちょっとスキルをやり、防波堤のほうに移動します。と、ブロックの角になにやら怪しい動きを発見、近づいてみるとそれはひらひらと漂うカミソリウオでした。例によってちぎれ藻のような振りをしていますが、見つかるとわかるとひれを大きく広げるので魚の姿になります。ふつうはだいたい同じ場所にいるのですが、これはあちこち移動しているらしく、帰りに同じ場所を見たときはいませんでした。
見上げると、少し大きめのアオリイカがいました。普段はささっと逃げてしまうのに逃げ足が遅いと思ったら、魚を足で抱えていました。どうやらメバルが捕まってしまっていたようです。じゃまになる魚を抱えたままで、よたよたと逃げていきました。
ムロアジの群れもまだいますが、だいぶ数が減っています。
砂地を行くとテンスの幼魚がひらひらしています。追いかけると先へ先へと逃げていくので、まるで先導してくれているようにも思えます。なかなか砂に潜らないので、10mくらいおつきあいをしました。
石がごろごろしているところに行くと、白いサツマカサゴがうずくまっていました。少し追い立てるとちょっとだけ位置を変えて、胸びれの裏のオレンジ色の模様を見せてくれます。相手が他の魚ならまだしも、人間が相手では面白がってしまうので威嚇の効果はありません。
今年の台風で落ちてきた(転がってきた?)大きな岩の裏に、ヒメギンポが住み着いていました。オスとメスの一匹ずつで、オスは完全に婚姻色のオレンジと黒になっています。メスのまわりを回ってしきりにアプローチを繰り返しますが、メスはまだ婚姻色になっていないので反応はありません。それでもあきらめずにオスはぐるぐるとメスのまわりを回り続けていました。
午後はスキルを済ますと、ちょっと遠出してクマノミを見に行きました。相変わらずイソギンチャクの奥の方に隠れているので、全身を見ることはできたかな?それでも隠れがくれには見えたようで、あとで図鑑を見せて納得してもらいました。
まだエアに余裕があるので、もうちょっと先へ行きます。砂地から岩場にかけて、メジナの大きいのがうようよしていました。砂地の上にいるときは白っぽいのですが、岩場にいくといつもの黒っぽい色のなります。進んでいくと一定の間隔で離れていくので、ついつい追いかけて深追いしそうになります。そこを抑えて、残圧とはかりにかけながら折り返します。
戻ってくると砂地にタイワンイカナゴの群れがいました。もう少し近くで見ようと近づいていくと、突然大きなものが水底から飛び出しました。びっくりして見ていると、そのものは水底に戻って平べったくなりました。ああ驚いた、ヒラメです。イカナゴの群れをねらって襲いかかったのでした。不意打ちだったので(イカナゴにとってもだろうけど)心臓がドキドキしました。
エキジット寸前の浅場に、小さな魚が大群を作っています。どうやらボラの稚魚だと思われますが、厚くなったり薄くなったり、刻々と姿を変えて楽しませてくれます。エントリー直後のお楽しみができて良いのですが、ここにそれを食べに大型の魚が入ってきたりするともっと面白いのに、とボラにとってはかわいそうな感想をついつい抱いてしまうのでした。
明けて31日、いよいよ大晦日です。今日から年末年始ツアーのお客さんがどっと入ったのですが、しばらく潜っていない人がいたのでやっぱりマンツーマンのガイド君となりました。
海の中は、だいたい昨日と同じでした(一日でそう変わるわけもないか)。それぞれの場所にそれぞれの魚がいて、人間界のことは知るはずもなく、それぞれの営みをいたしておりました。海の中には年末年始はないようです。
今日はおまけがあります。毎年大晦日の夜にだけできる年一回の海洋公園ナイトダイビングです。早めの夕食にして、水中ライトを用意して、器材の忘れ物は大丈夫・・・と、さあ出発です。
海洋公園に着いてみると、エントリーポイントは煌々と照らされ、たくさんのダイバーがひしめいていました。でも少し遅めに着いたので、ほとんどがエキジットするころで、支度をして海に入るときには順番待ちはありませんでした。ちょっと波が立っていて、じゃばじゃば水をかぶりながら水面移動を少しして、潜降します。海の中にはケミカルライトで道が作ってあり、それに沿ってまずは砂地をめざします。
砂地に着いたところで一息入れて、右へ進んで一の根にとりつきます。岩の表面やすき間を照らしながら進んでいくと、白いひげが岩の間から出ていて、オトヒメエビの居場所を教えてくれます。ライトにびっくりして後ろに進んでいくのはヒメセミエビです。イタチウオがひげだらけの頭を出していたり、しっぽがひらひらしているだけのところに出くわしたり(後でウナギかと思った、と言われました)、半分寝ているアカハタ(かなりでかい)の寝床に失礼したりしながら浅いほうへと進んでいきます。水面を見上げると、陸からの光が水面に映っていました。
再び波にたたかれながら、ずるずるとエキジットしました。さーて早くかえって年越しそばをつくらなくっちゃ。