ムレハタタテダイとダイバー。よくある構図	群れがかたまるとこんなにまとまります
砂地の岩に寄り添っていたイザリウオ	ホウセキキントキの群れ
トラギスを正面からアップ	１匹だけのカミソリウオ
コロダイの成魚。幼魚とは似ても似つかない

ムレハタタテダイは、数も増えて本来の生態を取り戻したようで、今までは岩にくっつくようにして泳いでいたのが、岩の上でゆるい群れを作るようになりました。それでも近づいていくと警戒するのか、下に降りてきて緊密なむれになります。そんなときはだいたい向きがそろうので、良いシャッターチャンスです。あいかわらず、他の魚がが混ざっていて、今回はカワハギを取り囲むようにして群れができていました。これといった敵がいないようなムレハタタテダイですが、油断は禁物、底のほうに近づきすぎてしまった１匹が、あわれヒラメの餌食になってしまいました。ヒラメはまず口にくわえて、何回か飲み込む動作をして、そして長居は無用といってしまいました。それでも新しく合流する個体が多いようで、その数は着実に増えています。

早起きしてしまったので、みんなが寝ている間に１本行って来ることにしました。お目当てはハナハゼ、２３ｍくらいのちょっと遠いところにいるので、準備万端整えて出発です。最初は浅いほうを泳いでいって、目当ての水深のあたりで降りていくと、いましたいました。まだ逃げ込む穴が見つかっていないようで、すぐ目の前１ｍくらいのところまでよれます。ふつうならそのあたりまでくるとダテハゼの穴に隠れてしまうのですが、それがないので目の前で長い尾びれをゆりうごかしてダンスを見せてくれます。
近くの砂地にはトラギスがいて、こっちに顔を向けてくれるので、いい被写体になってくれます。

防波堤の反対側にある大きな岩では、岩の穴の中から小さなイセエビが触角を出してまわりをうかがっています。引っ込んでしまうのも多いのですが、度胸のあるやつは目玉をぎょろりと出しています。小さいので迫力はないのですが、デジカメのアップで撮って後から見てみると、拡大されるので迫力がまします。

沖の魚礁にいる小さな魚たちは、ほとんどいなくなってしまいました。先週までいたスカシテンジクダイやイサキの子供たちは影も形もみえません。どうやらカンパチにみんな食べられてしまったようです。そうこうしているうちにもカンパチが２匹やってきて、なんどかぐるぐる回りますが、餌の小魚がいないとなるとさっさと去っていきます。でもハタタテダイとネンブツダイは無事でいるところを見ると、カンパチにも好き嫌いがあるようです。そういえば先週は、ムレハタタテダイにカンパチが囲まれて、まんざらでもないような様子だったし。
魚礁の中は、先週以来ゴンズイの群れに占領されたままです。中で動き回るので、砂が舞ってしまってなかなか決定版という写真はとれません。よっぽど気に入っているのか、しばらくここから動く様子はなさそうです。
魚礁の上には、ネンブツダイと混ざってヨスジフエダイが１０匹ほど群れています。でも頭がそろった静かな群れでなくあちこち動き回るので、ヨスジフエダイだけの写真は難しいです。

コロダイの幼魚があちこちで見られます。だいぶ大きくなってきて、背びれが突き出してきています。色は相変わらずの黒と黄色で、まだくねくねしていますが、だいぶ落ち着いた動きになってきています。岩のすき間に１匹、岩の陰に１匹、砂地からちょっとだけ出た岩の上に１匹と、いる場所もバラエティに富んでいます。

マハタの幼魚（黒地に白の横すじ）は、２カ所くらいのところに落ち着いています。と思ったら、成魚も出ました。子供より薄くはなっていますが、やっぱり縦じま入りです。中層をゆっくり泳いでいて、ときどき向きを変えますが、あまり激しい動きはしないようです。

防波堤の奥に、大きく突き出た岩があって、その下のすき間が魚たちの憩いの場となっています。のぞき込んでみると、奥の方にノコギリヨウジがふわふわと泳いでいます。時々尾びれを丸く開いてオレンジ色の模様を見せるのですが、そうでもしなければ背景にまぎれこんでいてなかなか見えません。水中ライトは必携品です。

９月１日の午後、今まで静かだった海に突然うねりが押し寄せてきました。砂地はもう巻き上がってしまって透明度がぐっと落ちました。こりゃどうしようもないわと早めに戻ってきて、押し寄せる波の中をエキジットしました。南方海上の台風の影響のようです。これでまた来週は海が変わってしまうかと思うと・・・ちょっと楽しみです。