魚たちは夏をむかえて元気いっぱいです。ただ、群れものがちょっと少ないので広角で見ると物足りないものがありますが、そこは小物でカバーします。
岩の間でなにやらくねくねしているのを見ると、一見したところゴンズイの子供、でも1匹だけでいるのも変なのでよく見るとコロダイの子供でした。いままで見た中で一番小さくて、模様もたてに一直線の模様でなくてちょっとまだらになっています。小さいからだでくねくねしている様子はいじらしいくらいです。そうとうくたびれそうな動きですが、いったい何を食べたらあんなに元気が出てくるんだろう。
今年は早々と、カミソリウオが出ました。それもかなり大きいのがペアです。海藻の切れ端みたいで見つけにくいのが常ですが、これはかなりの大きさなので海藻に完全に擬態しきれずに、海草のそばに隠れるように漂っています。今いる場所から動きそうにないので、しばらくこれで楽しめそうです。
ハタタテダイは2匹のものと4匹のものが少し離れたアオリイカの産卵床の残骸(台風でかなりさびしくなりました)にいます。前回から1匹増えて、木の枝の周りを少し離れて泳ぐようになりました。これはムレハタタテダイの行動パターンなので、やっぱりムレハタタテダイだったかと納得。
だんだん数が増えてくると思うので、毎回数えるのが楽しみです。
先週見つけたハナツノハギ(珍)は、他につるむ仲間がいないので、ハタタテダイと一緒に泳いでいます。でもハタタテダイにしたらちょっと迷惑そう。
ネンブツダイとクロホシイシモチはペアが固定して、すでに産卵を済ませたものもいます。今年は両方がはっきり分かれていなくてクロホシイシモチからだんだんネンブツダイへと徐々に割合が増えてきていつの間にかネンブツダイのまっただ中にいるという風に分布しています。大型の個体は岩の間にもぐって卵を口にくわえているので、写真に撮るならこういった個体がねらい目です。
岩の間をたんねんに見ていくと、宝石のような発見があります。今回はミナミハコフグの幼魚でした。岩の間に隠れているのですが、うまいぐあいにそれ以上奥まで行かず、同じ場所でくるくるまわっています。それでもちょこまか動くので、オートフォーカスでピントを合わせるのはかなり難しいです。見ているだけならおもしろい動きですむのですが、写真に撮るとなるとそれが障害になってしまいます。
先週岩にびっしりとついていたイボニシの卵が、きれいさっぱりなくなっていました。他の場所のものはまだあるので、どうしたのかと思っているとキタマクラがさかんにつっついていました。どうやらそっくり食べてしまったようです。貝って身もおいしいけど卵もおいしいんでしょうか。でもここまでそっくりやられてしまっていてはイボニシの立つ瀬がありません。食べるとまずくするとかなんか防御法を発達させなかったんでしょうか。
砂地にコチが3匹、頭を並べていました。近づくとさっと別々の方向に逃げていきます。何か良からぬことを相談していて、人が来たからあわてて散って行ったように見えました。もちろんそんなはずがないのですが。
根の周りにまだ小さいのですがスカシテンジクダイが群れていました。小さいので海の色にとけ込んでいて何かの雲が流れているようにも見えます。これも他の魚に見つかるのは時間の問題、でもこれをねらってカンパチなんかがくるといいなとちょっと矛盾する期待をもってしまいます。