4月の赤沢

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ウツボは近づくと口をあけて威嚇します中層に上を向いて漂うメバル
オニカサゴのいかつい顔ミガキボラの産卵風景
スナダコは砂地に穴を掘って隠れていますネンブツダイの群れ
ダテハゼが見られる季節になりました今年はウミスズメが多いようです
こちらはクロホシイシモチの群れアメフラシの卵。食べるとおなかをこわすらしい・・・

いよいよ大型連休、だけどやっぱり赤沢です。

28日の早朝に家を出て、赤沢へと走ります。さすがに朝早いと車も少なく、予定通りに赤沢に到着。とりあえずは朝ご飯のパンをかじります。

今日は、新しくできたスペシャルティコース、サポートダイバー片麻痺編を受けることになっています。この前(2月だったかな)にやったのは車いすの人のサポートでしたが、今度は脳卒中や脳梗塞などの後遺症で、体の片側だけが麻痺してしまった人のサポートを学びます。
最初に1時間ほどの学科をやって、海洋実習に移ります。

まずは片手だけを使っての器材のセッティングです。タンクにBCDをつけるところでいきなり問題発生、タンクのベルトを締め付けようとするとタンクが回ってしまい、うまくいきません。タンクをバディに押さえてもらって締め付けて、まずはOK。逆にいうと、サポートダイバーはタンクを支える役割をすればいいということがわかります。
レギュレーターは片手でなんとかなりますが、バルブにあてがいながらヨークスクリューを回すのが少し難しいです。

セットした器材は、本来ならサポートダイバーがやることですが、ここはシミュレーションなので自分で海に置きに行きます。腰くらいの深さのところにフロートがあり、そこにつないでおいて本人は空身でそこまで行って装着するという段取りです。

エントリーは杖をついて、片足と杖を頼りに砂浜を歩いていきます。片足なので歩幅が小さくなるので、ゆっくりとしか進めません。杖の先は砂にもぐるし、足は波に巻かれるしで、両足を使うときの倍以上時間がかかりました。
フロートについて器材を背負うのも片手です。麻痺している側から肩を通して、もう一方の肩も通したところで、またもや問題発生。片手でバックルを止めるのがこれまた難しいし、肩ストラップを引っ張るのも、反対の手ではうまくいかないのでした。

その場から潜降して、片手片足で水中を進んでいきます。バランスをとるために手も動かさなければならないのですが、両足を使うより忙しく動かさないと進んでいかないので、呼吸が速くなってしまいます。

砂地について、いくつか課題をやります。まずは右手で左側にあるインフレーターを持って、空気が抜けるかどうかをやってみます。姿勢が決まっていれば、それほど難しいことではありませんでした。次はインフレーターを使って、中性浮力をとるためのフィンピボット、講習の時にやった、フィンの先をついて、浮いたり沈んだりするあれです。その次は片手でのマスククリア、これは割とすんなり行きました。最後は残圧計を右手で探すという難度の高い技です。体を回して残圧計が下に来たところを素早くキャッチしようとするのですが、ひっかかってくるのはオクトパスばかり。結局、体を前に倒して半分逆立ちしたような状態になると、うまく探せることがわかりました。でもマイナス浮力でこれをやると水底に頭をぶつける危険があることもわかりました。

最後に、これはサポートする側のダイバーの役割ですが、麻痺した側(患側という)について、水中を引っ張るというのをやりました。横について泳ぐので、フィンがぶつかりあいます。あおり足を使ったほうがいいようです。

午後のダイビングは役割を入れ替えてやる、はずだったのですが、実は午前の実習であらかたみんなやってしまったので、復習のようなことになりました。実習はこの2ダイブでおわりで、認定されます。

29日はうって変わってファンダイブです。
防波堤の先の消波ブロックに行くと、海藻の間になにやら白いものが見えたので近づいていくと、白いトウモロコシのつぶつぶみたいなものが岩についていて、そばに巻き貝がいました。これはひょっとして産卵か、とデジカメで撮って図鑑を見ると、貝はミガキボラで、やはり産卵でした。

なぜかウミスズメをあちこちで見かけます。泳ぎ回っていることはあまりなく、岩のそばなどでホバリングしています。見つかったとわかると、最初は後ろ向きにじりじりとさがって、本格的に逃げるとなるとくるっと回ってひれを必死に動かして逃げていきます。魚の性格もろばれで、見ているとおかしくなります。

水深10mくらいのところまで行くと、ネンブツダイの群れがいました。去年はもっと深いところにいたのですが、浅いほうへ移ってきたようです。
でも相変わらずクロホシイシモチと混ざることはなく、適当な距離をおいています。
一方、クロホシイシモチの群れをよく見ると、キンメモドキが混ざっていました。

メバルが例によって上を向いて漂っていました。上昇してネンブツダイの群れの中に入っていったので、これは捕食か、と思ったのですが違うようで、群れのほうも一瞬緊張が走ったのですが、再び落ち着いた群れに戻りました。

砂地にダテハゼとテッポウエビがいました。今年に入って初めて見るダテハゼです。夏から秋にかけてはあちこちで見かけるのですが、冬の間はなぜかいなくなります。やっぱり冬ごもりで地中に潜っているんでしょうか。

防波堤のあたりまで戻ってくると、サッパの群れが通り過ぎていきました。群れものが戻ってきて、海の中はやっと春本番を迎えたようです。


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