3月の赤沢

3

3月24日(土)・25日(日)

めぐりあわせで、3週間連続の赤沢です。 土曜日は海も穏やかで、天気もまあまあ、のんびりできました(花見日和でした)。日曜日は曇りのち雨で、少しうねりが入りました。透明度は少し回復して4〜6m、水温は、ダイコンは15度あると言ってますが、体感温度はもっと下のような・・・それでも手のかじかみ具合からすると、少しは上がったようです。

水温や生き物の具合は、先週が谷だったようで少しずつ増えてきました。
冬ごもり(砂にもぐっているらしい)で姿を見なかったキュウセンがまた現れました。
今週特に目立ったのがハオコゼで、大発生しています。岩と砂の境目を見ると10cm間隔で半分砂に埋まっていたり、イセエビの抜け殻をひっくり返すと3匹くらい飛び出したり、サザエの殻を持ち上げると中から顔を出したり、絡まっているロープや海藻のなかに隠れていたり、カニノテ(海藻)の下から顔を出していたり、砂地にゴミが落ちていると思うとハオコゼだったりと、とにかくたくさんいます。去年はほとんどいなかったのに、どこからこんなに出てくるのか不思議です。幼魚ならたくさんいても納得いきますが、れっきとした成魚がこんな短期間にここまで増えるというのは全くの謎です。

クロヘリアメフラシは、先週見つからなかったので消えたのかと思いましたが、ちゃんといました。いる場所が微妙に変わっていたせいで見つけられなかったのですが、砂地のガイドロープにたくさんくっついているのが見つかりました。やっぱり小さいのですが、個体によってサイズにかなり差があります。小さいのは2cm程で、大きいのは6cmくらいになります。体型も少し違い、小さいのはわりとスマートでウミウシに近い形ですが、大きいのは腹がふくれていて、普通のアメフラシのような体型になるようです。茶色の体に白いぶちがあるのですが、その白のつき方が微妙にかすれていて、不思議な染め物を見ているようです。

なぜかブダイを見かけなくなりました。1ダイブで一回見るかみないかといったところです。ウミタナゴもいなくなったようで、先月はいっしょにいたクロサギだけが砂地に群れています。ソラスズメダイも岩のすき間にときどき見かけるくらいで、しかも色が黒っぽく変わっています。カワハギもいなくなっています(アオサハギとアミメハギはいた)。

大きな岩が積み重なっているあたりで、遠くに少し大きめのシルエット。体の中央にたての白線が一本入っています。ひたいがちょっとだけ突き出しているので、コブダイの子供とわかりました。成魚は雄雌とも見たことがあるし、幼魚も秋ごろに見ることはありますが、白線の入った若魚のステージを見るのは初めてです。逃げ足が速いのと濁りがあるのとで、写真は無理でした。

ウバウオを一匹だけ見つけました。これも春になると出てくる魚です。トサカノリの間に入り込んで波に揺られていましたが、見つかったと気づくと海藻の下に隠れました。波で海藻が離れたところでまた見つけましたが、次に波が寄せてきたときに見失いました。海藻の中に隠れ場所がいくらでもあるので、動きまわる魚を見続けるのは難しいです。

中層に透き通ったかたまりが浮いていました。そばによると、体を大きく広げて、次に急にすぼめて水をかき、逃げようとします。広げた様子が左右に垂れのあるかぶとに似ているからカブトクラゲという説明も納得。普段は櫛板の動きだけで進んでいるので、なんでかぶとなのかと疑問に思っていました。9割以上は水分なのに、どこからあんな力が出るのか不思議です。

砂の上で、ミガキボラが交接の真っ最中でした。といっても貝のことで、二匹の貝がくっついてV字型になっているだけで、見ていても何の動きもありません。見つけたのは午前中ですが、午後に見たときも続いていました。図鑑には「時間がかかる」とありましたが、確かにその通りです。ところで、午後に見たときそばにもう一匹のミガキボラがいました。その一匹の足跡(?)が砂に残っていましたが、交接中の二匹のそばに近づいて、また離れていく途中でした。どうやら振られたようです。

日曜日は雨になり、少しうねりも入りました。うねりのせいか透明度も少し落ちました。生き物は・・・上に書いたのって、日曜日とごっちゃだった・・・。

今日の一枚は、クロヘリアメフラシです(クリックすると拡大版になります)。


戻る 前へ