けっきょく8月は毎週行ってしまった・・・
天気は2日間とも晴れで風もなく、海はずっと静かでした。水温は浅いところで25度、20mより深いところで23度くらいです。透明度は、少しづつ良くなって8mくらい見えるところもありますが、27日の午後になるとがくんと落ちました。濁るというよりもやがかかったようになって、マスクが曇ったのかと思って洗ってみましたがやっぱり水のせいでした。
●カンパチ 対 スカシテンジクダイ
沖の魚礁のあるポイントに向かう途中、うっすらと見えてきたあたりでカンパチが1匹お出迎えです。他の仲間はどこにいるのかな、と思って魚礁に近づくと、うわっ群れている。30匹くらいのカンパチの一団が魚礁のまわりにいました。大きさはあまりそろっていなくて、黄色がかった15cmくらいの子供から30cm近くある青年カンパチまでいろいろです。いつもだとダイバーが近づくと、何回か回りをまわっていなくなるのですが今日は魚礁から離れません。それどころか魚礁の中に入り込んでは出てきたりを繰り返して、ダイバーをまるで無視してすぐそばをすり抜けて行ったりしています。ときどき泡にむかって突進したりしますが、また魚礁に戻ってきて回りをまわっています。スカシテンジクダイの群れが目当てのようで、魚礁の上に群れているところに突っ込んでくるのもいます。そのためかスカシテンジクダイ(と混ざっているイサキの子供)はずいぶん数が減っていました。
カンパチ団のあおりをくらったのか、魚礁の中のオオモンハタはいなくなってしまいました。カンパチが我が物顔に出入りするから居心地が悪かったんだろうな。
翌日の午後、カンパチとの再会を期待して魚礁に行ったわれわれを待っていたものは・・・がらんとしたさびしい魚礁でした。カンパチは影も形もなく、そしてスカシテンジクダイは全滅していました。残っていたのはイサキの子供が5匹だけ。餌を食べ尽くしたのでさっさと他に行ってしまったようです。祭りの後のように、魚礁だけがもの悲しく残っていました。いなくなってしまったのは残念ですが、これも自然の営みの一部です。食べる・食べられるの関係を間近で見られたことは大きな収穫でした。それにしてもカンパチの食欲ってすごいんだな。
●回遊魚はやっぱり楽しい
久しぶりにボートダイビングをしました(赤沢で)。小浦鼻の3番ポイントブイに船を付けてエントリーすると、水面に流れがありました。急いでロープまで泳いでいくと5m下が見えないにごりです。これはちょっと何だなーと思いながら潜降すると、下のほうは抜けていたので一安心。底で集合して、深いほうへと移動を開始します。大きな岩を越えて斜面に出たその時、視界に大きな魚の群れが飛び込んできました。引き伸ばした紡錘形の体に黄色いライン、点のような目・・・ヒラマサだっ!!
60cmくらいの型のそろったのが、百匹まではいかないと思いますが密集隊形でこっちに近づいてきます。目の前を横切って、このまま行ってしまうかと思っていたら、戻ってきて再び前を通り過ぎます。今度はダイバーの周りを半分回ったところで離れかけましたが、中の何匹かがターンすると残りもついてきて再び接近。さっきよりさらに近づき、手は無理でも足をのばせば届くくらいのところまで来ました。今度は反対側でターン。ターンしないで離れていこうとするのも何匹かはいるのですが、戻ろうとするほうが強いようでまた近づいてきました。こうして半円を描くように周りを行ったり来たりが繰り返されます。こっちは見とれるばかり(うれしくて声出してましたが)。そんなこんなで5分くらい遊んでもらえました。
回遊魚は運まかせのところがありますが、確実に見られるもので見応えのあるものというと、イトヒキベラの婚姻色ってのがあります。もともと紫色できれいな魚なのですが、今の時期はオスの背中に青白いラインが入って、それが輝くように見えます。しかも斜面から少し離れた中層に浮いているので、泳いでいくと誘導灯のように次から次へと目に入ってきます。
キンギョハナダイのオスもきれいです。珍しいものではないのですが、今年は白いオス(沖縄で見かけるような)が多く、いろどりが増えています。
群れているのはネンブツダイで、浅いところであまり見かけないと思っていたらこっちのほうに来ていたのでした。
●ハナハゼの編成替え
ハナハゼのコロニーに行くと、変化がおきていました。2匹と1匹が隣り合っていたのですが、1匹だけだったほうが2匹になり、2匹いたほうにはいなくなっていました。ハナハゼのペアってオスとメスなんだろうか。そうだとすると2匹いたほうのメスが隣の独身オスに走ってしまい(確かにこっちのオスのほうが尾びれは長くて立派)、残されたオスがこれはかなわないと見て旅立ってしまった、というシナリオが考えられるのですが。ダテハゼの巣は残っていたので、巣ごとやられちゃったわけではなさそうです。
残った2匹のハナハゼは、前にも増して高いところで舞っていました。
●今週のイザリウオ
先週と同じイザリウオがまた現れました。場所も同じところでしたが、深いほうへ移動する途中でした。見るときはいつも移動中なのに、ほぼ同じ場所で何回も出会うということは、常にここへ戻ってきてから別の方向に向かうといった動き方でもしてるんでしょか。コンパスもなしでどうやってナビゲーションしてるのか、いっぺん聞いてみたいけど当のイザリウオにもわかんないんだろうな。
それにしてもこいつは元気で、胸びれ(前回腹びれと書いてしまいましたが歩くのは胸びれでした)はあまり使わずに尾びれを使ってどんどん進んでいきます。
●中村宏治さん登場
土曜日(26日)は赤沢でフォトコン(MX-10のみ使用可、SEA&SEA後援)が開催され、その審査に中村宏治さんがいらっしゃいました。そのときのお話によると、伊豆でクロイシモチは赤沢以外ではほとんど見かけないとか。赤沢だといるのが当たり前になってしまっていますが、じつは珍しい魚に入るってのは意外でした。