みほとけF−袋井・西楽寺の阿弥陀三尊坐像−  浜松市美術館場所の地図

 「みほとけのキセキ」展覧会における仏像の写真、第7回目は、袋井市にある西楽寺(さいらくじ)の阿弥陀三尊坐像です。

 寺外初公開・静岡県指定文化財
 木造(一木割矧造り)、漆箔、玉眼 平安時代後期・12世紀

 阿弥陀如来坐像は頭部が盛り上がって2段となり(肉髻相:にくけいそう)、縮れ毛を粒状に彫り出す(螺髪:らはつ)。眉間には白い毛が円形の突起となり(白毫:びゃくごう)、耳たぶは環状とする。首には3本の筋(三道)を彫り出し、左肩から衲衣(のうえ)をまとう。左手は前方へ差出し、右手を前に出して、それぞれ親指と人差し指を捻じる(来迎印:らいごういん)。右足を外にして結跏趺坐(けっかふざ)する。
 穏やかで、平安時代後期の特徴をよく表すが、目には鎌倉時代に流行する水晶製の玉眼が入る。これが当初からであったとすれば大変貴重である。
 観音菩薩坐像(右)、勢至菩薩坐像(左)は、頭上に髪の毛を束ね(髻:もとどり)、天冠台を彫り出す。眉間には白い円形の突起(白毫相:びゃくごうそう)が見られ、耳たぶは環状とする。
 観音菩薩は両手で蓮台(亡失)を持ち、勢至菩薩は蓮華を持つが、勢至菩薩は当初合掌していた可能性もある。 

 
≪令和3(2021)年4月24日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題ウェブ日記 【令和3年5月11日(火):第3677号】