ビジュアルメモリ馬鹿一代
自社ハードの撤退と他社プラットフォームへの参入という方向転換を図ったセガ。切り捨てられはしたものの、ゲーム機としてはそれなりに充実したソフトが揃っているドリームキャスト。ドリームキャストのデータセーブ用のデバイスとして生まれたのが「ビジュアルメモリ(通称VM)」。
このVM、様々なカラーリングのものが企画用・キャンペーン用・ソフト同梱用などとして用意されました。これから将来、新たな柄のVMがリリースされる可能性はほぼ無くなってしまい、いささか寂しい気持ちになりました。そこで、怪しげなコレクター根性を発揮して手に入れた様々なVMを、ここに公開する事に。
「あつめてゴジラ〜怪獣大集合」
これが、世界で最初にリリースされたVM(正確にはVMでは無く、「あつめてゴジラ〜怪獣大集合〜」という携帯ゲーム機として扱われた。)。発売が1998/07/30で、ドリームキャスト本体のリリースよりも先だった。収録されていた「あつめてゴジラ〜怪獣大集合〜」は、棒にも箸にも掛からない素晴らしい(汗)出来のゲームで、鼻血が出そうな程ユーザーを楽しませてくれたのだ(汗)。
外観は緑色に着色されたVM。「Dreamcast」のロゴの代わりに「GODZILLA」のロゴ。ミニゲームを消してしまえば、ほぼ普通のVMとして利用出来た。
「ビジュアルメモリ ノーマルバージョン」
ドリームキャスト本体発売と同時にリリースされたVM。配色はDC本体と同様の白色で、ボタンは「あつめてゴジラ」と違って青みの掛かったグレー。世間でVMと言えば、普通はこれを指す。
「ビジュアルメモリ 迷彩色バージョン/カーボンブラックバージョン」
ドリームキャストのユーザー登録をした人が無条件に加入させられるポイントサービス「ドリームポイントバンク(2001/09末でサービス終了予定)」で、2500ポイントと交換する事によって入手出来たVM。同じ柄のコントローラーも用意されていた。
登録ユーザーが増加して、更に有る程度ポイントが溜まった頃に欠品を起こしてしまい、ユーザー間で「いつになったら再生産するんや〜」と散々文句を言われたり。
「ビジュアルメモリ シーマンバージョン」
(日本国内で)ドリームキャストで一番売れたソフト「シーマン・禁断のペット(1999/07/29発売・\6,800-)」の初回限定版(\7,800-)に同梱されたVM。ゲームのシステム上データセーブが必須だったので、有る意味で親切なパッケージだった。見ても判る通り、スケルトン仕様(スケルトンって言うのは日本だけらしい。正確にはトランスルーセントと呼ぶんだそうな)のVMである。
全国のHMV(大手CDショップ)で500台だけ限定発売された「ドリームキャスト限定プレミアモデル Model:SEAMAN(オープン価格)」という物が存在し、それにも特別仕様のVMが付属していたとの事だが、このシーマンバージョンとの違いが有るのかどうかは、現在となっては調べる術は無い。更に、「ドリームキャスト限定プレミアムモデル Model;SEAMAN X'mas Package(1999/12/16発売・\34,800-)」なるものもリリースされていた。こちらはセガのニュースリリースに画像が掲載されているのでそちらで確認して貰えば判るが、「真紅のVMにクリスマスシーマンの意匠が施された」デザインとなっており、有る意味強烈な個性を滲ませている。
余談だが、行きつけのゲーム屋で初回限定版を含めて、シーマンを予約したのは私一人だけだった。しかし、発売日の夜に買いに行ったら「取り置き分以外は全部売り切れました」という事態に。予約しておいて良かったと痛感した最初のソフトでした(笑)。
「ビジュアルメモリ 豹柄バージョン/木目調バージョン/大理石調バージョン」
前述の「迷彩/カーボンブラック」と同じく、ドリームポイントバンクのポイント交換用に用意された3種類。豹柄ブームなんてものが流行っていた事があったのは事実だが、ゲーム機のデバイスにその柄を採用するのは…ねぇ(汗)。前バージョンと同じく、3種類の柄のコントローラーも用意されている(2001/06/26現在、コントローラーはまだ交換用の品として存在する。VMと比べると不人気らしい)。
何故か大理石調バージョンだけボタンが黒では無い。何故?
以前の2種類と大きな違いは、交換に必要なポイントが2500→3500ポイントに跳ね上がった事。生産コストが思ったよりも掛かっていた為の苦肉の策らしい。ちなみに、コントローラーは3000→4000ポイントになっている。
「超発明BOYカニパン あそんでキッドDCDC(デシデシ)」
セガがスポンサーをしていたアニメ番組「超発明BOYカニパン」のタイアップ商品で、DC用ゲームソフト「超発明カニパン 暴走ロボトの謎(1999/07/08発売・\5,800-)」よりも一足早く携帯ゲーム機としてリリース(1999/04発売・\2,980-)。ミニゲームで遊んだ結果がDCソフト側に反映されたりしたらしい(プレイしていないので詳細は不明)。
ミニゲームが最初から登録されているので、「あつめてゴジラ」と同じく純粋なVMでは無い。安っぽい感じのボディカラーだが、「特製スケルトンエメラルドグリーン」との事。ものは言い様である。どういう理由があるかは判らないが、普通は「Dreamcast」と印刷されている部分に何も描かれていないのが安っぽさを更に強調している(汗)。
「ジャイアントチャンネル」
セガサターン/ST−V用ソフト「全日本プロレス FEATURING VIRTUA('97/10/23・SS版発売)」の続編としてNAOMI用ソフト「全日本プロレス2 ジャイアントグラム」とDC用ソフト「ジャイアントグラム 全日本プロレス2 in 日本武道館('99/06/24発売)」がリリースされた。この2本のソフトでは共通のセーブデータを利用する事が出来、その為にリリースされたのかこの「ジャイアントチャンネル」だ。
ミニゲーム「ジャイアントチャンネル」が最初から登録されていて、そのゲームの主人公として起用されているのが今は亡きジャイアント馬場氏だったりする。
カラーリングとしては、他のVMとは違う鮮烈な赤。ジャイアント馬場のトランクスの色と同じである。液晶上部には「全日本プロレス」のロゴ。例によって純粋なVMでは無く、携帯ゲーム機として分類される。
「ビジュアルメモリ スモークバージョン」
DC発売からしばらくの間は、白色以外のVMは店頭で売られる事は無かった。発売前の試作バージョンとしては様々なカラーバリエーションのVMが作られはしたが、発売される事は無かったのだ。ところが、1999年の年の暮れ、ミレニアムバージョンという事でカラーバリエーションが発売。そのうちの一つがこのカラーリングだ。
「ビジュアルメモリ パールホワイトバージョン」
Dreamcast-Directにて限定販売された特別カラーのVM。他に「パールブルー」「パールピンク」が存在したのだが、残念ながら入手出来ず。残念無念…。
パッと見で見た限り、ノーマルバージョンとの区別がつきにくいのが難点。
「ビジュアルメモリ ソニックチームバージョン」
セガのインターネット上でのイベント「セガ サイバークラブ」開催時に限定販売されたVM。
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の主人公ソニックのカラーをモチーフにしたと思われる青いトランスルーセントカラー。
「ビジュアルメモリ ブラックバージョン」
Dreamcast-Directにて販売されている('01/07/23現在)特別色のVM。
ロゴなどの部分以外が黒でまとめられ、なかなかに渋い感じ。
「ビジュアルメモリ サクラ大戦(DC)バージョン」
セガサターンでヒットした「サクラ大戦」をDCへ移植リリースした際、初回限定版に同梱されていたVM。薄いピンク色の本体に、液晶上部の「サクラ大戦」のロゴと桜のマーク。機能的にはただのVMに過ぎない。
「ビジュアルメモリ サクラ大戦仕様Dreamcast同梱バージョン」
2000年末にリリースされたDreamcasrtの特別バージョン「サクラ大戦Dreamcast」に同梱されていたVM。前述のサクラ大戦仕様のVMと似通っているが、液晶上部には「大帝国劇場」の文字(実際はローマ字)。サクラ大戦仕様と区別したかったのは判るけど、何故「大帝国劇場」なんだろうか?
「ビジュアルメモリ セガガガバージョン」
「危機に陥ったセガをプレイヤーが立て直す!」と、どこまでが本気か冗談か判らないと評判だった奇ゲー「セガガガ」のリリースに合わせて発売されたVM。メガドライブ風の箱に入れられ、「ドリキャスでMD(風味)な感じを見事に再現!」し、マニア心をくすぐる品だった。
肝心のVMのデザインは、メガドライブ本体を思い起こさせるカラーリング。8-BITと描かれたロゴが渋いぜ!(VMのCPUは8-BIT)。
「ビジュアルメモリ カプコンバージョン」
2000年の秋に限定販売されたカプコンのロゴを配したVM。この頃はDreamcastが生産中止の憂き目を見るとは思ってなかったんだろうなぁ(^^;>CAPCOM
「ビジュアルメモリ 数字柄/苺柄/イルカ柄バージョン」
2001年5月にDreamPointBankのポイント交換の景品としては最後にリリースされたVM。イルカは「エコー・ザ・ドルフィン」の絡みで採用されたのは推測できるけど、苺柄と数字柄ってのは今ひとつ理解出来なかったり(^^;。何故か、このVM3種は方向キーとボタンが違う色になっています(理由は不明)。
同じ柄のコントローラーはさすがにリリースされませんでした。
「ビジュアルメモリ USノーマルバージョン」
DC生産中止の報からしばらく経った頃から一部の量販店にて売られたVM。箱やVMのメニュー表記が英語である以外は機能的に違い無し。国内版VMとの最大の相違点は「Dreamcast」ロゴの左端にうずまきマークが無い事だったりする(笑)。
以下、鋭意作成中(^^;。
撮影機材:SANYO DSC-MZ1