8月17〜18 日
苫小牧〜大洗〜自宅
−−− 8月17日 −−−
「ガチャ・・プシュー」突然玄関が空いた。
警備の人が施錠を外し、館内に明かりをつけていく。午前4時半。これはありがたい。コンクリートの上の野宿で、体が固まってしまっている。体をほぐしながら荷物を整理して、中に入る。顔を洗って手を洗って、水を飲む。
まだ、みやげ物などの店はやっていない。さすがに館内は温かい。2階の待合室のソファーで更に小1時間仮眠を取る。
6時30分に1階の受付場所に行くとすでに数名が並んでいる。掲示板を見ると7時が受付開始である。それならばと思い、ここに並ぶ。受付終了後、自転車を持って、指示された場所に行く。一番目である。ここに自転車を止め、バッグ等を整理し再びターミナルに戻る。
2階のレストランが開店した。「朝定食:焼き魚」を食べる。食事をしてしまうともうやることがない。最後の点検と思い自転車のところに行くと、我が愛車「Spirit Of Middle−Agers号」を先頭にして、オートバイが数10台並んでいる。これは、壮観な風景である。写真をと思ってデジカメを取り出すと、係員が、「すぐに乗りこんでください」という。やむを得ず愛車に飛び乗り、フェリーに。最初に走るため、バリダカレースのウイニングランのような感じである。わが後を、数台のオートバイが追いかけてくる。しかし、抜くことは出来ない。トップでフェリーに乗船である。
ブルーハイウェイラインは乗客の船室・いる場所が決められているのでその部屋に行き、荷物をロッカーにいれる。番号は1番なので入り口に近い端である。
みると、一人あたりのスペースは、2メートル×60センチメートル、と行ったところで、横幅がきつそうだ。この部屋にびっしりと人が入ったら、かなり窮屈である。
荷物から、タオルを取りだし風呂に行く。
この船の湯は小さい。それでも一回で20人は入れるだろうか。まだ、誰も入っていない。昨夜の分も含めて、頭から足のつま先まで熱いシャワーをかけ、よ〜く洗う。
スッキリしたところで湯船に入ろうとするのだが、熱くて、入ることが出来ない。
水をどんどん入れるのだが、湯船が大きくて「焼け風呂に水」である。
5分ほどであきらめて、再び自分にシャワー攻撃をしそのままあがる。
娯楽室に行き、缶ビール。海が見える大きな窓のところにリクライニングシートを持ちだし、味わいながらビールを呑む。もう1本追加する。ここでしばらくうとうとする。気がつくと、船はすでに海上へ。
甲板に出てみると、昨晩とは打って変わって天気が良い。海上は波もなく、風もあまり吹いていない。一昨日までの北海道と同じ天気に戻っているのである。遠くに何隻もの船が見える。
しばらくして部屋に戻って驚いた。満員なのである。みんな窮屈そうに眠っている。自分の所に横になり、昨夜殆ど読めなかった「地底旅行」を読む。部屋はクーラーがバッチリと効いていてとても気持ち良い。わずか60センチメートルの領土を保持しつつ、他国への侵入もママならずにきっちりとして本を読む。いつしか睡眠。
17時50分に、Bデッキの食堂で、夕食。バイキング形式であった。ビールは生を2杯。ビールは絶対に美味いと確信した。
部屋に戻って、クーラーの良く効いた中で、就寝。夜中に、隣とぶつかり合って、幾度か目が醒める。
−−− 8月18日 −−−
午前4時30分起床。部屋はまだ薄暗い。昨夜、10時過ぎに係りの人が来て減灯していったままである。室外に出ると、こんな時間であるにもかかわらず、結構みんな動き回っている。
顔を洗い口を漱ぎ、再び部屋に戻ったところで照明が明るくなり、同時に船内放送。すでに大洗港に着いているという。
甲板に出てみると、接岸作業が始まっている。船内放送では、5時50分ころに接岸完了して、上陸可能となるらしい。自分の自動車のところに行くようにといっている。船室に戻って、寝具を整え、自分の荷物を持って、自転車のところへ。
午前5時55分、大洗上陸。しかし、余裕がなかったので、服装はラフな格好である。港の横に沢山積んであるコンテナの陰に入って、サイクリング用の服に着替えをする。
午前6時ちょうど。大洗を出発。大洗は、キャンプできたり、釣りで幾度も来ているのでここから自宅までの道は良く知っている。南に下り、涸沼の横をとおり、国道6号(水戸街道)に出る。しかし、なにかおかしい。空気が重いのである。北海道のような軽快さ、暑くても日陰の涼しさ、空気の心地よい乾燥がない。
これが関東地方独特の粘りついた真夏の空気というものだろうか。
ただ、逆に道路は走りやすさがある。道路は小さなアップダウンがあるが基本的には殆ど平地で、波打つような凹凸が少ない。したがって、空気が粘りついて重い割にはスピードが出る。途中、土浦の駅前で大休止をして、そのあとは一気に自宅まで走りぬけた。
午前10時40分、11日ぶりに自宅に帰りついた。
[本日の走行距離:70.3Km、合計:632.9Km]
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