埼玉県北部地域の日月持ち合掌六手青面金剛
 八王子市近辺の南多摩地域に多く見られる、一の手を合掌・上の二の手に日月を捧げ・下の三の手に弓矢を持つ合掌六手をバンザイ型青面金剛」と呼ぶのは良く知られる処ですが、こちら埼玉県地方にも日月を持つ合掌青面金剛が確認出来ます。    
 利根川沿いに東は大利根町から加須市・羽生市にかけて八基程確認しておりまして、さらに利根川を超えた館林方面にも十基程度あるのです。南多摩のバンザイ型は宝永以降だったですが、 こちらのものは寛文・延宝と大分古いものが多いのです。
 久し振りに出陣開始したのですが、体調懸念の為例によって近場出陣です。石仏始めた頃訳も解らず見て廻っていた地域ですが、今回は庚申塔としてのローカル色豊かな、しかも初期の頃のものとあって、自分としてもキチット纏めてみようと考えております。    
加須市大越の日月持ち六手青面金剛 埼玉県加須市大越堤崎 大神宮
 年号は「延宝七己未天 月吉日」

 この「今」の字が読めません。以前教えて戴いた事があるような気がするのですが、思い出せません。今月じゃぁ変だし十二月というのも考えすぎのような・・・・・ブツブツ!

 右側に「奉造立庚申供養」とあります。

 三猿は延宝らしいお行儀の良い正面向き。鶏はおりません。

 バンザイ手は日月を掴んでいますね。
とても残念なお知らせです。
 大利根町佐波の地蔵堂にあった、延宝五年の日月持ち合掌六手青面金剛は、平成14年9月に火災により焼失してしまいました。漏電と思われる不審火だそうで、享保の地蔵菩薩と共に壊滅してしまったそうです。現在は平成15年3月に再建された塔がお堂の中にいらっしゃいます。
 楽しみにしていたのですが、残念です。近隣の方にお伺いしたところ、町の資料集に写真も掲載されているとの事ですので、確認してみましょう。