30歳を過ぎたら読む。
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本当にオヤジの始まりなのか!?。

30までのカラダ,30からのカラダ。




●大リーグでは,30代後半の選手がタイトル争いを演じている。

30歳の元横綱は、アメリカンフットボールに挑戦した。

ところで私はどうなんだろう?

そろそろトシかなぁ、なんて腹をさすっていないで,

本当のトシなのか考えてみた方がいい。

そうです。

体力も,筋力も何もかも,

衰えるのは年齢ではなくライフスタイルのせいなのだ。

もっとカッコ良く、いいトシ取ろうぜ!



●代謝で、トレーニングで、食事で、30代がわかる。

本当にオヤジの始まりなのか?

30までのカラダ、30からのカラガ。



●30歳は自分のカラダの将来を決める、

大切な年齢。

ライフスタイルを一変させ、

いつまでも健康でいられるカラタを作っていこう。

  1. T.トシだと思うからトシを取る。
  2. U.どう生きているかが問われる。
  3. V.代謝。
  4. W.持久力。
  5. X.筋力。
  6. Y.食事。
  7. Z.肌の老化。
  8. [.生活習慣病。
  9. \.セックス。








  10. 1)★@トシだと思うからトシを取る。

    「えつと誰だっけ、

    『パルプ・フィク ション』で大復活した、

    ジョン・ウ ーの映画にも出てた、顔のデカイ、 たしか”デ″で始まる・・・。

     たとえば、こんな具合にジョン・ トラボルタなんて名前がすぐに出て こない。

    あるいは、深酒してないの にお酒が残る。

    食堂でご飯の大盛り が頼めない。肌から張りとみずみず しさがなくなった・・・。

     ずっと上り調子だったはずの自分 のカラダが、いつの間にか下り坂に さしかかっている。

    そんな事実には っきり気づくのが、30代である。

     こうして一度”老化″の二文字が 頭にチラつきだすと、あとは何でも カンでも年のせいにしてしまう。

     出歩くのが億劫になる。ジムで、 いつものウェイトがやけに重く感じ る。

    駅の階段の途中でへタばる。

    そ んないわゆる″体力″の低下も、30 代になれば自然の摂理で仕方ない、 と何となく諦めてしまうのだ。

     けれど、ここではっきり言ってお くと、それは大きな勘違いである。



    ●30代の体力は、ライフスタイルに大きく左右される。

     体力のベースになっているのは、 もちろん筋肉である。

     その肝心カナメの筋肉は、

    「30代でははっきりした機能低下は 起こしません。筋肉の衰えが目立つ のは50歳前後からなんです」

     そう教えてくれたのは、東京都老 人総合研究所の青柳幸利さん。

     20代がピークで、あとは右肩下が りでだんだん衰えていく。

    筋肉につ いては、何となくそんな常識がまか り通っている。

    だが実際は、20代か ら40代までは変わらない状態が続き、 50歳を過ぎる頃からガクンと来る。

    どうやらこちらが正解らしい。

     もっと具体的に、たとえば筋力に ついて考えてみよう。

     単純な話、筋力は筋肉の断面積に 比例する。

    細い腕よりも、太い腕の 方がカは強いのである。

    そこで同じ 断面積当たりで、20代と30代の筋力 を比べるとどうなるか。

     結果は、断面積が同じなら、筋力 も同じ。

    筋肉を構成する筋線推の数 その一本一本の太さ、運動神経との 連携・・・。

    こうした筋肉の質は、50 歳を迎えるまで、若いときからほと んど低下しないのである。

    「そんなのへンじゃない?」  そう思いたくなる気持ちはよくわ かる。

    たとえば、文部科学省が毎年 実施している体力調査なんかを見て みると、20代前半をピークに、加齢 とともに体力や筋力が低下していく 様子がよくわかる。

    実感としても、 20代がピークつて雰囲気はある。

     でもこれは、筋肉の質ではなく、 おそらく量の問題である。

     筋肉はつねに使っていると維持さ れるが、使わないと次第に萎縮して しまう。

    20代前半までは案外アクテ ィブに行動しているものだけど、年 を重ねるごとに横着になり、カラダ を動かすのが面倒になる。

    ちょっと した距離でもタクシーに乗ったり、 階段よりもつねにエスカレーターを 選んでしまったり。

    そうした日々の 活動レベルの低下が積み重なって、 知らず知らずのうちに筋肉量が減っ ているのだろう。

     20代よりも筋肉が少なくなれば、 30代で体力が落ちるのは当たり前。

    老化のせいにしちゃダメだ。

                          

    ●ダメになるのは白い筋肉。だから筋トレを。

    もっと細かい話をしよう。

     筋肉を構成する筋繊維には、瞬発 的に大きなカを出すのが得意な白筋 線維と、持久的に小さな力を出し続 けるのが得意な赤筋線維とがある。

    パワーの白筋、スタミナの赤筋とい うワケ。通常、白筋と赤筋はほぼ1 対1の割合でミックスされている。

     このうち「使わないと衰える」と いう法則にハマるのは、白筋。

     実を言うと、フツウに暮らしてい ると、大きなパワーを出すチャンス ってそんなにない。

    日常生活では、 筋肉が持つポテンシャルの30%前後 しか使わないのである。

    ところが白 筋が活躍するのは、持っている筋力 の60〜70%以上のビッグパワーが求 められるとき。

    オフィスワーカーで とくに運動していないと、白筋が減 るのは仕方がない。

    一方の赤筋は、筋力の30%程度の 運動強度でおもに活躍する。

    立った り坐ったり歩いたり、日常のちょ っとした動作で使われるから、 その分維持されやすいのだ。

     となると赤筋はいいと して、心配なのは白筋の の運命。

    でも、安心していい。

    白筋は使 わないと衰えるが、筋トレなどで刺 激すると、ちゃんと大きくなってく れるからである。

     運動不足でずっと眠っていた筋肉 も、トレーニングを始めるとちゃん と復活する。

    このことを確かめた実 験がある。これは60代の筋力を、30 代前から運動を始めたグル−プ、40代から運動を始 めたグループなどの間 で比較したもの。

    結果、30代前で始めても40代で始めても、60代での筋力にはそれほど差が なかった。

    トレーニングをスタート するのに「もう遅い!」ということ はないのだ。

     40代でも間に合うんだから、30代 なら楽勝。

    筋トレを地道に続ければ、 30代でも20代と変わらない筋肉をキ ープすることは可能なのである。






    2)★Aどう生きているかが問われる。

     30代で誰もが体験するであろう大 きな変化、そのきっかけはお風呂上 がりにしみじみと自覚される類のも のである。

     鏡に映る顔が少しふっくらした。

    お腹まわりも緩んで、一度増えた体 重が昔みたいにすぐ戻らない・・・。

    そう。じわじわと太り始めるのだ。

    中年太りと呼ぶにはまだちょっと早 いけれど、肥満の影に脅えるサーテ ィーズは案外多い。

     その言い訳によく持ち出されるの が「年を取ると基礎代謝が下がるか らね」という説明である。

     でも、この基礎代謝低下説って、 ホントに信じていいのだろうか。



    ●太り始めるのを基礎代謝のせいに してはいけない?

     そもそも基礎代謝とは、内臓を動 かしたり、体温を一定に保ったり、 生きていくのに最低限必要なエネル ギーのこと.

    この量が下がると、そ れだけカラダが消費するエネルギー が減るので、たとえ食べる量が同じ でも太りやすくなる。

     それでは基礎代謝は、30代になる とどう変化するのか。

     この手の話題でまず頼りになるの が『第6次改定 日本人の栄養所要 量』である。

    このオフィシャルな研 究によると、基礎代謝は20代男性で 1日1550キロカロリー、女性で 1210キロカロリーとなっている。

    それが30代ではそれぞれ1500キ ロカロリー、1170キロカロリー と、たしかに下がっている。

     でも「ホラ、基礎代謝はやっぱり 下がる.太るのは当然なんだ」と、 開き直られても困る。

     よくよく考えてみよう。このデー タは、体格の差を無視した日本人の 平均値。

    ところが基礎代謝は体重、 正確にいうと筋肉量に比例する。

    同 じ年代でも筋肉量が多い人ほど、基礎代謝は高くなる傾向にあるのだ。

    筋肉はとくに運動をしていないとき でも、いわばアイドリング状態でつ ねにエネルギーを消費している.

    だ から、筋肉量が多いほど、維持費が かかるというか基礎代謝が高くなる というワケ。

    筋肉量という個体差を 無視して、平均値で基礎代謝を語っ てもあまり意味がないのだ。

     つまり加齢で本当に基礎代謝が下 がるかどうかは、同じ筋肉量当たり で比べてみる必要がある。

    そこで20 代と30代で、たとえば筋肉1kg当たり の基礎代謝を比較してみる・・・と、ご想像通り差はないのである。

     筋肉の質は40代まで 変わらないという話をした。

    だから 20代から30代で、見かけ上の基礎代 謝がダウンするとしたら、それは量 の変化で説明できる。

     よ−するに運動不足なのだ。

    30代 になってアクティブに運動しなくな ると、筋肉が落ちてくる。

    で、それにつれて基礎代謝が下がる。

    単純 な理屈である。

     ここで筋肉量が落ちるというのは もちろん白筋のことである。

     クドイようだが、白筋は使ったり 鍛えたりしているうちは維持できる が、ちょいと運動をサボるとたちま ち減っていく。

    筋肉量が減って基礎 代謝が落ちるのを防ぐためにも、や はり白筋を刺激するようにちゃんと カラダを動かすのがベストなのだ。



    ●心臓の機能は年1%の割合でタウンしていく。

    さてさて.ずっと筋肉の話ばかり してきたけれど、30代でのカラダの 変化を語るとき、どうしても外せな い大事な話がもう一つある。

     それは血液を全身に巡らせている スーパーポンプ、心臓のこと。

     心臓は、ぼくたちが起きていると きも寝ているときも、24時間体制で 動いている。

    大きさはこぶし大くら いだが、1日でタンクローリー1台 分の血液を送り出す働きモノだ。

     心臨が休みなく巡らせる新鮮な血 液によって、全身の細胞には必要な 栄養素と酸素が行き渡る。

    むろん筋 肉にも。そして血液は、各細胞から 老廃物や疲労物質を引き取って、心 臓へ戻ってくる。

     心臓はまさしく新陳代謝というシ ステムの中核を担うわけだが、残念 なことに心臓のポンプ機能は年齢と ともに少しずつ低下する。

    「20代を ピークとして、それからは年1%く らいの割合で機能低下する」 (前出 ・青柳先生)らしいのだ。

     その理由としては、心臓の動きを コントロールしている自律神経の調 節カが落ちることが挙げられる。

    40 代まではずっと維持される筋肉とは えらい違いである。

     20代前半から1%ずつ低下すると いうことは、単純計算だと120歳 前後で心臓の機能レベルはゼロにな ってしまう。

    そのときカラダは究極 の安静状態、つまりは死を迎えると いうことか。

    巷でよく聞く、120 歳天命説と不思議に合致する。

     もちろん30代の心臓の機能は、20 代前半のピーク時に比べて10%程度 ダウンしているくらいで、とくに大 騒ぎするような状態ではない。

     とはいえ心臓の働きが落ちると、 それだけ血液の循環が悪くなり、そ れに伴って疲労物質の排出や、カラ ダの回復に必要な栄養素や酸素の供 給が遅れてしまう。

    30代になって、 疲れやすくなった、疲労回復が遅い と感じるようなら、こうした心臓の 機能低下がベースにあると考えた方 がいいだろう。

    30代で引退するスポ ーツ選手が多いのも、このあたりに 理由があるのかもしれない。



    ●エアロビクスを生活習慣に取り入れてみる。

     そこで役立つのが、エアロビクス (有酸素運動)だ。

    エアロビクスとは、酸素を取り入 れながら長く続ける、ウォーキング やジョギングなどの軽運動のこと。

    筋トレが白筋なら、こちらは持久カ に優れた赤筋が大活躍する。

     エアロビクスを続けると、心臓が 一度に抽出する血液の量が増える。

    脈拍は減る傾向にあるが、拍出量の 増大はそれを補うに十分。

    エアロビ クスによって、心臓のポンプ機能が 高まるのである。

     さらに赤筋に酸素を送る毛細血管 が増えるなどして、血液の循環が良 くなり、カラダが酸素を使ってエネ ルギーを作る能力が高くなる。

    心肺 機能が向上して、スタミナがアップ するのだ。

    その結果、免疫力が高ま り、がんなどの生活習慣病のリスク が低くなることもわかっている。

     きちんとエアロを続けると、加齢 による心臓のポンプ機能の落ち込み だって抑えることが可能。

    フツウに していて年1%の低下だとすると、 その半分、つまり年0・5%前後の 低下に留めておけるらしい。

    だから といって、天命が120歳の2倍の 240歳に延びるわけではないらし いのだが・・・。

     改めて考えてみると、筋肉にして も心臓にしても、カラダの成長や老 化を左右するのは、遺伝と環境とい う2つの要因である。

     オギャーッと生まれて思春期まで のカラダは、遺伝とそれに伴うホル モンの影響がとても大きい。

     20代前半でカラダの成長がピーク を迎えると、そこからはどんな生活 をしているかという、環境の影響が 次第に大きくなる。

     そして30代がやってくる。

     いかに生まれたかではなく、どう 生きたか.

    あるいはこれからどう生 きていくか。

    それが問われるのが、 まさにこの時期。

    怠惰な暮らしで体 力をダウンさせるか、それとも運動 できちんとキープするか。

    この期に およんで遺伝のせいにはできない。

    すべてはあなた次第なのだ。





    3)★B代謝



    ○代謝の能力は加速度的に低下していく。 歯止めをかける時は、今しかないのだ。  

     人間、いや地球上に住むすべての 生物は、悲しいかな老化というレー ルの上をひた走りに走り続けている。

    生まれた瞬間から死へ向かっている のだ、とはある高名な小説家の言葉 だが、実際にカラダの機能が低下し ていくのは、早くて20代からなので ある。

    つまり、それまでのカラダは、 生への活力で溢れているのだ。

    様々な筋力テストでも、 また心肺能力の優劣を探る最大酸素 摂取量でも、10代後半〜20歳付近を ピークに下がっていくのがわかる。

     この事実は宿命的なもの。

    永遠の 命は、マンガの世界でもない限り手 に入れることはできない。

    ただ、老 いていく過程で、その老いを少なか らず軽減する方法はある。

    それは、 ほうっておくと低下してしまう代謝 能力を維持すること。

    人が活動する ためにエネルギーを取り入れ、消費 することを代謝という。

    体内に取り 入れられたエネルギーは、呼吸した り、メシを食べたり、寒さや暑さに 耐えたり、仕事をしたり、そういっ た活動で消費されていく。

    もちろん、 眠っているときにもだ。つまり、代 謝の能力が下がるというのは、少な  いエネルギーで生きていけるという  こと。

    と聞くと、ガソリンを食わな  い車のように経済的でいいじゃない  か、という声も聞こえてきそうだが、  ことカラダにとっては、デメリット ばかりなのだ。

     車の話を続けよう。経済的な車を 作るためには、まずエンジンをコン パクトにし、排気量を抑えなくては ならない。

    また車体を軽くすること も大切だろう。

    これで少ないガソリ ンで長距離を走れる車が出来上がる のだが、これを人のカラダに置き換 えると大変なことになる。

    エンジン である心肺機能は、コンパクトとい えば聞こえはいいが低下し、ボディ の軽量化は筋肉量が減ることに繋が るのだ。

    代謝の能力が下がることは、 老化そのものなのである。

     さらにこの能力は加速度的に低下 していくからやっかいだ。たとえば ピークを境にして、年に1%ずつ低 下するとする。

    たかだか1%である が、これは金利で言えば元金複利法 と同じ。

    雪だるま式なのだ。ここに 老化の悲劇は起こる。

    20代にピーク を迎えた能力は、30代に入り当人の 自覚がないまま少しずつ低下し、40、 50になって、気づいたときにはもう 取り返しがつかなくなっている。

    だ から30歳から能力を維持しておきた い。

    心肺の機能を維持し、筋肉量を 減らさないための運動は必要不可欠。

    人はガソリンをたくさん食う車でな くてはならないのだ。

     とはいうものの、運動をするのは 大変なことだと考える人も多いはず だ。

    仕事は忙しいし、毎日疲れも溜 まる。

    社会的にも責任のあるポスト をまかされているし・・・。

    まあ、運 動する難しさへの理由づけはいくら でもできる。

    ただ、この理由づけが また悪循環を呼ぶ源になっているの だ。

    年を取る(加齢)、カラダの能 力が低下する、老いを感じて仕事の せいにして運動とは距離を置く、カ ラダの機能はますます低下し、また 年を取る。

    まったくもっての堂々巡 り、この連鎖を断ち切らない限りは どうにもならないのだ。

     だから30代の今が大切。同じ運動 を行っても、年齢によりその効果の 表れ方はまったく違う。

    20代にはち ょっとした運動で効果が得られても、 40代になると現状を維持するのにも ひと苦労だ。

    また、もっと高齢にな れば、もしかしたらカラダにダメー ジを与えてしまうかもしれない。

    30 歳という年齢は、運動さえすればそ れほど無理なく現状を維持していく ことができる。

    また、ちょっとだけ がんばれば、ほんの少しずつではあ るが能力を高めることもできてしま うのだ。

     これから先、快適に生きていくた めには30歳からのライフスタイルが 決め手となる。

    ここでは、代謝を維 持していくために運動が必要という ことだけを話したが、

    他にも老化を できるだけ防ぐために、食事や生活 全般に関しても実践してもらいたい ことは多いのだ。

    それらの数々は、 確かに今までの生活とはかけ離れた モノかもしれない。

    実践していくの は大変だな、と思うだろう。

    だが、 ひとつひとつの事柄をクリアしてい けば、必ず、それ自体に喜びを感じ ることができるし、

    それが知らぬ間 に習慣となれば、高齢になってから の健康も大いに期待できるのだ。




    4)★C持久力

    ○週に3000kcalを消費できる有酸素運動。

    30歳のカラダはこれでどんどん変わっていく。

     ここに面白いデータがある。

    アメ リカのハーバード大学の卒業生約1 万6000人を対象に、運動と死亡 の相対危険率を調べたデータだ。

    1週間に500キロカロ リーまでの運動しかしていない人の 危険率を1とすると、運動量が多く なるに従い危険率が下がっていくの である。

    ただし、その限界は300 0キロカロリーまでで、それ以上に なると、また危険率は上がっていっ てしまう。

    なぜ、このようなことが 起こるのか。

    ランニングという運動 から探っていこう。

     ランニングといえば、有酸素運動 の代表。まず第一に、この運動を行 うことで心肺の機能を向上させるこ とができる.

    心臓が、バタッと1回 動くと、血液が押し出され全身へと 巡っていく。

    カラダのすべての血管 を一本に伸ばしたときの長さは、9 万kmにも及ぶ。

    バクッと押し出され た血液は、なんと地球2周分以上の 距離をズーツと旅をするのである。

     そして、この旅をする血液の働き なのだが、これが非常に多岐にわた っている。

    たとえば、タンパク質や ブドウ糖といった栄養や、酸素や 様々な酵素を細胞に運ぶのも大切な 仕事だし、老廃物を運び出すのも担 当する。

    ケガの修復もやるし、病気 の回復にも一役買っている。

     つまり、血液が何の問題もなく全 身を巡っているカラダこそ、健全な カラダといえる。

    カラダのなかにあ る何十兆もの細胞ひとつひとつが生 き生きとし、代謝能力にも優れてい るのだ。

    有酸素運動は、この血液を 流す大もとである心臓を鍛えること ができる。

    走っているうちに心拍数 が上がり、大量の血液がスピーディ に全身に送られていく。

    さらに、運 動を続けることで一度に多くの血液 を押し出せる心臓が作られる。

    結果健全なカラダを手に入れることがで きるのだ。

     また、ランニングでは脳も鍛えら れていく。

    手先の器用な人はボケな いとよくいうが、あれはまったく根 拠がないことではない。

    カラダの動 きは、すべて脳が司っているからだ。

    これは、脳から指令が出て、骨格筋が 動く、ということにとどまらない。

    一度指令を出した脳は、骨格筋がそ の通り動いたかを確認するのである。

    簡単にいうと、脳がカラダを「この 程度」動かせ、と指令する。

    と、カ ラダは「この程度」動く。

    そして、 脳に「この程度動きました」と確認 が飛ぶのである。

     なぜ、このようなシステムなのか というと、確認の作業をしないと、 ケガをしてしまう場合があるから。

    勢い余って、という言葉があるが、 カラダが動いたとき、慣性の法則で 本来よりも余計に動いてしまうこと もある。

    このとき、確認の作業がな いと、そのまま動いていってしまい、 筋を痛めたり、下手をしたら骨折と いうこともありうる。

    動き過ぎたと きには、「動き過ぎました」というサ インが脳に届き、脳は、動きを止め る指令を再度送るのだ。

     こういう複雑な作業をカラダを動 かすたびに脳は行なう。

    だから、運動 することで脳は活性化されるのだ。

    さらに、その伝達を請け負っている 神経系統もだ。

    いつまでも使える頭 も運動によって作られていくのだ。

     まだある。

    運動することでカラダ の免疫力も高まる。

    運動をするとそ の代償として、一時的に免疫能力が 落ちる。

    しかし、これはあくまで一 時的なものであって、休息するとそ の能力は回復し、さらに前以上の免 疫力がつくのである。

    この一連の流 れは、筋肉の超回復に似ている。筋 は運動によって、小さく破壊される。

    そして、休息時にその傷を治すのだ が、このとき、前以上に壊れにくい 筋肉に仕上げるのだ。

    これを繰り返 すことで筋は大きくなっていく。

     これと同じことが免疫力に関して も起こる。

    しかし、やみくもに運動 して免疫力が高まるか、といえばそ うではない。

    24時間以内に回復でき る程度の運動量ならば免疫力は高ま るが、それ以上の運動をしてしまう と回復しにくくなってしまうのだ。

    何事もやり過ぎはよくないが、かと いって適切な負荷をかけないとカラ ダに効果はない。

    そういった意味で も前述の週3000キロカロリーを 限度とすればいいだろう。

     さて、具体的な運動の方法は下 に示した。いきなり3000キロカ ロリー運動をする、というのは絶対 にダメ。

    これまで何もしていなかっ た30歳のカラダにはそのツケが溜ま りきっているのだから。

    運動プラン を3か月とし、まず軽い運動から始 めていこう。

    そして最終的に300 0キロカロリーまでもっていく。

    た だ、この数字に強くこだわる必要は まったくない。

    一応の目安なのだ。 これが2500キロカロリーでも問 題ない。

    実際、3000キロカロリ ーを消費する運動は、かなりハード だし、時間だってかかる。

    だから、 自分の生活に合わせて運動量を決め ていってほしい。

    もちろん人間って のは欲張りで、やっていくうちにも っともっとっていう気持ちになる。

    運動が楽しくなれば、3000キロ カロリーにも楽勝で到達できるかも。

    でも、やり過ぎだけは禁物ですぞ。



    ●1ヶ月目

    ・1週目

    1週間に2時間、速足で歩く。

    一度にまとめ てでなくていい。

    会社の行き帰り15分ずつ、 なんて感じで大丈夫。合計2時間だ。

    500kcal



    ・2,3週目

    1週間に3時間、早足で歩く。

    これもまとめ てでなくてよい。

    ヒマを見つけてコチョコチ ョ歩いてやる。

    合計で3時間だ。

    750kcal



    ・4週目

    1週間こ4時間速歩き。

    コレも、一度にまと めなくてもいい。

    が、ちょっとがんばって長 い時間歩こう。

    30分ぐらいが目安だ。

    1,000kcal





    ●2ヶ月目

    ・1週目

    1週間に3時間の速歩き、1時間のジョギン グ。

    できるだけまとめて、長い時間歩こう。

    ジョギングは疲れない程度に時間を分けて。

    1,350kcal



    ・2,3週目

    1週間に3時間の速歩きプラス1時間30分の ジョギング。

    歩きは1時間ずつまとめて。

    ジ ョギングは疲れない程度に分けて。

    1,650kcal



    ・4週目

    1週間に3時間の速歩き、2時間のジョギン グ。

    歩きは1時間ずつ。

    ジョギングもできる だけ長めの時間行っていこう。

    1,950kcal





    ●3ヶ月目

    ・1週目

    1週間に3時間のジョギング、2時間の速歩 き.

    速歩きはまとめて。

    ジョギングは1時間 ずつ3回に分けて行う。

    2,300kcal



    ・2,3週目

    1週間にジョギング4時間、速歩きを1時間 だ。

    速歩きはまとめて.

    ジョギングは1時間 ずつ4回に分けて行う。

    2,650kcal



    ・4週目

    1週間に5時間のジョギングに、1時間の速 歩き.

    ジョギングは1時間ずつ。

    速歩きはま とめて.

    これで3,000kcalだ。

    3,000kcal








    5)★D筋力

    ○肉体の衰えは、まず下半身に表れる。

    30歳からの筋トレは脚から始めてみよう。

     心肺機能向上のトレーニングと同 時にやっておきたいのが筋力トレー ニングだ。

    もちろん、ジョギングで も筋肉は鍛えられていくのだが、そ れは持久カに優れた筋肉。

    遅筋と呼 ばれるこれらの筋肉は、筋肉自体の ボリュームはそれほどない。

    対して、 筋力トレーニングで鍛えられるのは 速筋。

    鍛えれば鍛えるだけ大きくな っていく(もちろん限界はあるが)。

    代謝能力を高めるためには、速筋も ぜひ鍛えておきたいのだ。

    といって も、こちらもやり始めたとたんに、 効果が表れるというモノではない。

     筋肉が変わるのには約3か月の期 間が必要といわれている。

    効果が表 れるまで、あきらめずに続けていこ う。

    なお、肉体的な衰えはまず脚に 表れるため、ここでは下半身のトレ ーニングを多めにしてある。

     筋トレには代謝を高める以外に、 もうひとつメリットがある。

    骨が丈 夫になるのだ。

    骨は縦方向に力が加 わると、その刺激を受けて強くなる。

    たとえば地面を強く踏んだときに脚 の骨には縦方向に力がかかる、そん な場合だ。

    だからウォーキングやラ ンニングで、少しずつ脚の骨は強く なっていくが、上半身の骨は刺激を 受ける機会は少ない。

    これをダンベ ルなどを使った上半身のトレーニン グで補ってやるのだ。

     体内のカルシウム量は、30代をピーク に、その後減っていく。

    そしてカラ ダは、不足分を骨から補っていこう とするのだ。

    つまり、年を重ねるご とに骨は弱くなっていくということ。

    それを食い止めるためにも、筋トレ は重要なのである。








    6)★E食事

    ○脂肪を抑えることが一番重要。



    サブリメントも使い食生活を改善しよう。

     30歳である。仕事も充実してきた し、重要なポストもまかされている。

    付き合いで夜はほとんど飲みに行く し、妻は弁当を作ってくれるわけで もない。

    自然、外食の日々が続いて しまう。

    と、多くの30代は、こんな 日常を過ごしているのではないか。

    外食はまあ仕方ないとして、どうに か食生活を少しでも改善する方法は ないものだろうか。

    ここではそれを 探ってみよう。

     まず、はっきりと言えることは、 日本人に適した食事は日本食という こと。

    昔、食卓で出されていた食事、 たとえぼ、ごはんに味噌汁、焼き魚 に野菜のお惣菜なんていうシンプル なモノが一番いいのだ。

    下図を見て ほしい。

    昭和30年と、平成4年の栄 養素の摂取量を比較したものだが、 大きな違いは脂質の量である。

    現在 では昔に比べ、なんと3倍弱も脂質 を摂取しているのである。

    もちろん、 脂質は肥満の一番の原因だから、 脂質をできるだけカットした食事を することが大切なのである。

     その方法はいくらでもある。

    弁当 を買うのなら、揚げ物がおかずのモ ノではなく幕の内を選ぶ。

    野菜の惣 菜を一品つけて、脂質の割合を減ら すのと同時に栄養のバランスを取る のも悪くない。

    また、揚げ物のおか ずは、電子レンジで温めるとき、酒 をちょっと振りかけると油分が抜け る。

    要するに、油を多量に使用して いる食品を避ければいいのだ。

     次に注意したいのはカロリーの摂 り過ぎだ。

    これも図を見てもらうが、 実は、昔の食生活の方がカロリーの 摂取量は多いのである。

    が、昔と今 とでは人のライフスタイルがまった く異なっている。

    昔は今以上に仕事 でカラダを使っていたのだ。

    エレベ ーターがないところも多かったろう し、歩く距離も長かったろう。

     今、デスクワークを日常の仕事に している人の“消費カロリーは150 0キロカロリーほど。

    明らかにカロ リー過剰なのである。

    ただカロリー は目に見えるモノではない。

    だから、 前日は多く食べたなと思ったら、翌 日は控えるようにする。

    ポイントは、 毎日は気を使わないということ。

    日々、食事量を制限してしまうと、 一度食べ過ぎただけで、挫折する可 能性もある。

    だから2日単位でカロ リーを調整する。

    さらに、朝、昼の どちらかに好きなモノを食べて、夜 は極力抑える。

    活動しない夜に食事 を摂ると脂肪に変わりやすいからだ。

     そして、食事にプラスしてサプリ メントも活用する。

    たとえば、タバ コを吸う人ならビタミンCは必須。

    タバコは、体内のビタミンCを破壊 してしまうからだ。

    ビタミンCは水 溶性ビタミンなので、多量に摂取し ても余りは尿と一緒に排泄される。

    十分に摂っておこう。

    ビタミンB1、 B2はそれぞれ糖質、脂質の代謝を、 ナイアシンはアルコールの代謝を促 進させる。

    酒をよく飲む人は、これ らのサプリメントを使い、老廃物を 速やかに排泄してやろう。

    最近流行 のウコンも、毎日飲んでいれば肝臓 を丈夫にすることができる。

    さらに、 仕事ではなにかとストレスが溜まる ことも多いはず。

    カルシウムは神経 に作用しイライラを解消してくれる。

    筋トレの項でも述べたが、30歳以降 のカラダは慢性的にカルシウム不足 になっている。

    その意味からも飲ん でほしいのだ。

     その他、30代に飲んでほしいサプ リメントを集めてみた。

    自分のカラ ダに照らし合わせ、必要なモノを使 つていってほしい。

    とかく現代の食 事は、見た目も贅沢だが、カロリー も贅沢過ぎる。

    一度、カラダについ てしまった脂肪は、なかなか取れな いということを肝に銘じて、食生活 を改善していってほしい。

    さすれば、 カラダの調子はどんどんとよくなっ ていくのだから。






    7)★F肌の老化

    ○ある日鏡の中の自分を見て愕然・・・・・・。

    男の肌の老化は、突然やってくる。





     学生時代はサーフィンやスキーで 鍛えてたし、結婚した今でも、週末 は海に行ってマリンスポーツを楽し む。

    仕事もバリバリ順調にこなして いるし、部下の受けもいい。自慢じ ゃないけど男っぶりには自信がある。

    そんな30代半ばの男性が、ある朝、 突然鏡を覗き込んで、愕然とする。

    「オレの顔って、こんなにシワがあ ったっけ?」

     女性の場合、「25歳はお肌の曲が り角」などとよくいわれるが、男の 場合は30代の半ばぐらいが曲がり角 だ。

    10代の頃からスキンケアに気を 使っている女性と違って、特に何の ケアもしていない男性は、ある日、 突然、自分のシワに気づかされる。

    そう、男の肌の老化は、ある日突然 にやってくるのだ。

    10代から40代の男女を対象にし た、皮膚の血流量(毛細血管)を測 ったデータがある。

    それによると唇は最 も早く10代から血流量が減少し、鼻 と額は30代から、頬は40代から減少 してくる。

    血流量が下がる=新陳代 謝が低くなるということ。

    つまり水 分量が少なくなったり、シワができ たり、弛みができたりし始めてくる ということなのだ。

     女性にとっての30代はまさに鬼門 だ。

    シワ発生に結びつく皮膚弾力性 は、額では30代のどこかで必ず一度、 大きな落ち込みがあるといわれてい る。

    顔全体の小じわが増えてくるの もこの30代。

    また、目尻は20代後半 から急降下して、40代50代で落ち着 くといわれている。

    つまり30代で目 尻のシワはほぼ完成してしまう。

     これは男性にとっても決して他人 事ではない。

    男は女性に比べて表皮 が24%ほど厚く丈夫にできているの で、その分老化のスピードは若干遅 くなるものの、30代で顔の各部分に 老化現象が起こってくることに変わ りはない。

    目尻、額のシワは確実に 表れ、頬の弛みも自覚し始める。

    さ らに男性ならではの肌のマイナスフ ァクターも存在するのだ。

     そのひとりがシェービング。毎朝 のヒゲ剃りは男ならではの快感だ。

    しかしウェットシェービングでは、 ヒゲと一緒に表皮の角質層の50%を 一緒に剃り取ってしまうのだ。

    その 結果、ヒリヒリと赤くなるだけでな く、不見傷といわれる目に見えない 傷がたっぶりとついてしまうのだ。

     これを放置すると雑菌が付着し、 ますます肌の老化を早めることになる ってしまう。

    だからヒゲ剃り後には アフターシェーブローションなどで 万全のケアをすることが重要なのだ。

     さらに男性特有のオイリーな肌も 実は問題だ。

    適度な皮脂は角質から 水分が蒸発するのを防ぐ、バリアの 役割を果たしてくれている。

    だが過 剰な皮脂は肌の表面を被い、毛穴の 汚れなどを閉じ込め、肌の活性に必 要な新陳代謝を鈍らせてしまうのだ。

    特に顔の中心部の額、鼻、顎(いわ ゆるTゾーン)には皮脂腺が集中し ているため、特にオイリーになりや すい。

    朝晩の2回、しかるべき洗顔 フォームを使って、しつかりと皮脂 を洗い流したい。

    テカり、ギラつき も抑えられ、男前度も確実にアップ するはずだ。

     もうひとつ、加齢とともに肌の老 化の大きな原因とされているのが光 老化。

    つまり日光、紫外線が原因で の老化だ。

     メカニズムはこうだ。

    肌の真皮の 中には、網の目のように弾力線維が 張りめぐらされている。

    これがピン と張っているからこそ、肌に弾力性 と柔軟性が保たれているというわけ。

    そしてこの弾力線維の新陳代謝を担 っているのが、弾力線維の網の目の 中にある繊維芽細胞。

    古い弾力線維 を壊し、新しいモノヘと修復する役 目を持っている。

     ところが繊維芽細胞は、正常な代 謝で壊された弾力線維は修復するの だが、紫外線の刺激を受けて壊され た弾力線維はそのまま放置してしま い、修復することがない。

    だから紫 外線でできたシワは取れにくいのだ。

    一番有効な対策はズバリ、紫外線 を浴びないこと。

    それが無理なら、 紫外線を浴びた後のスキンケアをぜ ひとも念入りにやってほしい。

     ざて、加齢、紫外線、仕事のスト レスなど、男の肌を取り巻く環境は、 年々悪くなっていく。

    女性は25歳ぐ らいから肌の老化を意識して十分な ケアを始めるのに、男性だけがほっ といていいわけはないのだ。

     ということで、現在話題になって いるのが、男性向けのアンチエイジ ング化粧品の数々。

    簡単にいえば加 齢による肌のシミ、シワ、弛みなど の症状を予防し、改善する基礎化粧 品のことだ。

    肌のバリア機能を高め て老化を遅らせる製品ともいえる。

    老いのサインを一時的に隠すものか ら、細胞レベルに働きかける本格的 なものまで、バラエティに富んだラ インナップを各社が打ち出している。

     例えばアラミスの《エイジレス キュー》はシワ、弛みの改善『予防 に効果的なパルミチン酸レチノール を配合、バリア機能アップ、シワの 改善『引き締め効果、色ムラ改善に 効果を発揮するというものだ。

     若く見られたい、という思いは全 男性共通のもの。

    特に年齢を重ねる につれ、その思いは強くなる。

    だか ら30代の今から肌のケアを始めるこ とで、いつまでも若々しく健康を保 つことができるのだ。

    似合う服を探 したり、アクティブに人生を楽しみ たいなら、まず自分目身に対して健 康的な顔を見せること。

    自分に自信 を持てるようになれば30代以降の人 生も充実するはずだ。



    8)★G生活習慣病



    ○今日の記録を克明に書こう。 それが生活習慣病を防ぐ第一歩。

     生活習慣病。

    糖尿病、高血圧、心 臓病、脳卒中などがその代表的な疾 患だが、これらは日常生活の習慣の 諸々が疾患の一因になっていること から、こう呼ばれるようになった。

    簡単にいうと、時間を経て悪いこと が積み重なってかかる病気なのであ る。

    30歳という年齢は、近い将釆、 この病気になるか否かの分岐点かも しれない。

    生活、すなわち習慣が安 定化して、その功罪が蓄積されつつ ある時期だからだ。

    つまり、これら の疾患から身を守るためには、今か ら先が、本当に重要になってくる。

     最近の日本人の3大死因は、ガン、 心臓病、脳卒中。このうち 脳卒中と心臓病の多くは、その原因 が動脈硬化にある。

    だから、まずガ ンと動脈硬化の予防、早期発見こそ がいつまでも健康を保つために必要 となる。

    動脈硬化を招く危険因子の うち、高血圧、糖尿病、高脂血症、 高インスリン症、それにせ高尿酸症な どは太った人によく見られる生活習 慣病だ。

    肥満(とくにお腹の中に脂 肪が蓄積されるタイプ)は、動脈硬 化を促進させる様々な生活習慣病を 生み出し、遂には人を死に追い込ん でいくのである。

     日本肥満学会はBMI(体格指数 ・表参照)が22の人が一番病気にか かりにくいと発表し、25になると高 血圧と高脂血症の危険度が2倍にな ると指摘している。

    同様に27になれ ば糖尿病の、29ならば高コレステロ ール血症の危険度が、それぞれ2倍 となっていくのである。

    自分のBM Iを算出し、自分がどんな状態にあ るのか把握しておきたい。

    また、今太っていないからといって,安心することはまったくできない。

    それは、人がいつ太るかは誰も わからないからである。

    これまでの 研究で、現代人には30種類以上の肥 満関連遺伝子があることがわかって いる。

    これらのいくつかが親から遺 伝して、その人の生活の環境の影響 を受け、いつ開花するかしれないの だ。下のチェック表で肥満要因の 有無を調べてみてほしい。

     肥満以外にも生活習慣病を引き起 こす要因はある。

    そのひとつはスト レス。

    人はストレスを受けた場合、 それを処理する能力を持っている。

    ところが、ストレスがある一定量を 超えると、脳が処理しきれなくなる。

    脳の機能は低下し、それがカラダの 隅々まで悪影響を与えてしまうのである。

    そして、それが長く続くこと とで病気を生み出すのだ。

     まだある。洒やタバコも大問題だ。

    タバコのタールやニコチンはガンを 誘発させる大もとだし、吸うことで 血管を収縮させてしまう。

    肥満で動 脈硬化気味の人がタバコを吸えば、 血管が収縮して詰まり破裂する危険 も高まる。

    洒も百薬の長とはいうが、 たくさん飲めばイイことはひとつも ない。

    アルコールは肝臓によって分 解されるのだが、肝臓は他の様々な 毒を解毒する仕事も請け負っている。

    ただ、最優先に解毒するのがアルコ ールなのだ。

    つまり、24時間で解毒 できないほどのアルコールを飲んだ 場合、肝臓はアルコール処理にやっ きになり、他を放っておいてしまう のである。

    他の毒はカラダに残って しまうのだ。そればかりではない。

    働き続けた肝臓は疲労し、肝炎や肝 硬変になってしまう。

    こうなると、 完治させるのは困難になるのである。

     30歳の日常から死のプレリュード とも呼べそうな様々な原因を探って みた。

    このなかに自分があてはまる 事柄があっただろうか。

    ほとんどの 人は、あった、と答えるに違いない (左表でもチェックしてほしい)。

    そ れほど生活習慣病というのは、身近 な存在なのである。

    回避するために は、生活を変えるしかない。

    運動を し、食生活を変える。

     さらに、自分の行動を日記にして、 チェックするのもいいだろう。

    どこ でどんな状況で、タバコを吸ってし まったとか、この日は何合洒を飲ん だとか。

    習慣というのは、自分が意 識しないで行われているので、それ を再確認してやるのだ。

    そして、そ の日記をもとにして、生活を変えて いってやろう。

    すぐにタクシーに乗 ってしまったな、と思ったら、歩く ように心がける。

    パソコンに向かっ ているときにクセのようにタバコを 吸ってしまうなら、少し気をつける。 ストレス発散も重要だ。

    日常で起き たことは、日常で解決していくしか 方法がない。

    身近に死を感じないで いられるように、注意しておきたい ものだ。





    ●肥満要因チェック

    チェックして、将来への対策を立てよう。



    1.両親あるいはそのいずれかが太っている。

    2.幼児期や子どもの頃に太っていた。

    3.歩くことが少ない。車をよく利用する。

    4.日常的に運動を行っていない。

    5.脂っこいものや油を使った料理が好き。

    6.お菓子やジュース等甘いものを毎日とる。

    7.毎日お酒を飲む。

    8.早食い。ドカ食い。ながら食いが多い。

    9.夜食または間食をすることが多い。

    10.飲む、食べることでストレスを発散する。



    ・0〜4点は太りやすい要因が今のところ少ない。

    ・5〜8点はやや多い。

    ・9〜12点はとても多い。





    ●ライフスタイルチェック

    以下の10の項目のうち、あてはまるものはいくつありますか?



    1.毎日、朝食を食べている。

    2.栄養のバランスを考えた食事をしている。

    3.毎食後に歯を磨いている。

    4.1日に合計で1時間以上、速歩を行っている。

    5.運動を定期的に(週1回以上)行っている。

    6.お酒はほどほどにしている。

      (ビール大ピン1本以下または日本酒1合以下)

    7.タバコは吸わないようにしている。

    8.自発的なストレスは少ない。

    9.労働時間は1日9時間以内にとどめている。

    10.1日平均7〜8時間は睡眠をとっている。



    ・ 8〜10個はライフスタイル良好。

    ・5〜7個は普通。

    ・0〜4個は不良。

    今、良好なライフスタイルだからといって安心しないように。

    1999年発表。





    ●お腹の中の脂肪量をチェックしておこう。

     生活習慣病を引き起こす一番の原因、肥満。

    とくに 問題となるお腹の中の脂肪(内臓脂肪)の溜まり具合 をチェックできるヘルスメーターが発売された。

    身長、 性別、年齢、それにヘソまわりの周径をインプットす れば、すぐに計測してくれる。

    ●内臓脂肪チェック付

    き脂肪計《インナースキャン》16,000円.

    (問)タニタ03・3967・9655.






    9)★Hセックス



    ○まだまだイケるという思いが、

    問題をどんどん大きくしてしまうのだ。



     まず、最初に思いきって高らかに 宣言しよう(べつにそれほどのモノ じゃないが)。

    30歳のかなりの男性は ED(勃起障害) であると。

    何言っ てるんだ!オレなんかまだまだバ ッチリだぜ、と言われる方もいよう。

    が、ちょっと思い浮かべてほしい。

    性欲が減退したと思う瞬間はないか。

    セックスの回数は減っていないだろ うか。

    途中で事切れてしまうことは ないか。あるいはセックスを面倒く さいと思うことはないだろうか・・・。

    この一つでも当てはまる人は立派な ED。

    性機能に翳りが見えてきたの である。

    人間、必ず老いが訪れる。

    そして、それが如実に表れるのが性 機能なのだ。

     性機能が衰える要因は様々だ。

    そ れを説明する前に勃起のメカニズム を話しておきたい。

    勃起は、性的刺 激を脳が受けることから始まる。

    刺 激は、神経伝達経路を経て陰茎近く へと伝わり、その末端部分から一酸 化窒素が分泌される。

    これがグアニ ル・シクラーゼという酵素を活性化 させ、陰茎にあるGTPという物質 をCGMPというカタチに変えるの だ。

    CGMPは、陰茎の筋肉を弛緩 させる働きがあり、その結果、弛緩 した組織(海綿体など)の血管が開 き、大量の血液が流れ込む。

    これが 勃起だ。そして、産出されたCGM Pは、フォスフォジエステラーゼと いう酵素により加水分解され、また GTPに姿を変えるのである。

     このメカニズムのどこかに支障を きたすと性機能障害が起きる。

    第1 段階の性的刺激がなかなか得られな ければ勃起には辿り着かない。

    この ときは、様々なストレスによって、 脳が性的刺激を受けられる状態では ないことが多い。

    スポーツで汗を流 すなど、仕事で受けるストレスを発 散させてやろう。

     また脊椎の損傷や神経の障害が、 神経伝達を妨げることもある。

    この 場合は、セックスとか日常的なレベ ルの問題ではない。

    もっと重要な疾 患にかかっているはずなのだ。

    一酸化窒素がたくさん分泌されな いというのもある。

    勃起時にはずっ と窒素が出続けるのだが、この量が 少ないと勃起時間が短かったり、勃 起しないことがある。

    これは老化に ともなうことで、男性ホルモンの分 泌が減るにともない、こういうこと が起こりやすくなる。

    パイアグラは、 こういった人たちにとくに有効だろ う。この薬は、CGMPを加水分解 させないように働いてくれる。

    だか ら窒素の分泌が少なくても、時間が たてばCGMPの体内での量が増え、 勃起を促してくれるのだ。

    もちろん、 他のことが原因のときにも使用する ことは可能なのだが。

     さらに、海綿体をはじめとする筋 肉内の血管が拡張しないことも原因 となる。

    実は中高年のEDは、これ が原因となっていることが多い。

    そ して、これが原因ならば、治す手立 てもあるのだ。

    血管の拡張を妨げて いるのは、前ページで紹介した、 様々な生活習慣病なのだ。

    糖尿病、 高血圧から引き起こされる動脈硬化、 これがモロに陰茎の血管に影響を与 える。

    全身の血管の中で、一番繊細 な動脈の一つが陰茎の血管だからだ。

     最近勃起しにくくなったという人 には、まず血液検査をオススメした い。

    血中のコレステロール量や、そ の他生活習慣病に陥る危険因子を探 し出してほしいのだ。

    そして、ここ に原因があるようならば、生活を変 えるよう努力する。そうすれば、多 少なりとも改善できるだろう。

     EDの原因は主にこんなところだ。

    脊椎の損傷、老化といったものは、 実際どうすることもできない。

    ただ 30歳という年齢では、老化という理 由はさほど考えられないのだ。

    やは り、ストレスと血管の硬化が主たる もの。

    これを改善していくのは、 日々の暮らしなのである。

    肝に銘じ ておいてほしい。

     EDはもはや社会的に大きな問題 となっている。

    老年の人ならばさほ ど問題ではない。

    30歳が問題なのだ。 子供が欲しいけどできない。

    結婚し たいけどセックスができないので困 っている。

    性生活がなく不仲になっ た。

    そういう悲劇が今、そこらじゅ うに転がっている。

    だから、自分は 絶対大丈夫だという気持ちを捨て、 EDのことをしっかりと把握して、 日々、カラダを守っていってほしい のである。

    そして年を取るごとに自 然にセックスのカタチを変えていけ ばよい。

    互いの愛を確かめ合う肌の ふれあい、老年を迎えてのセックス は、それだけでも十分、幸福感に浸 れるのだから。



    ●パイアグラはキチッと使えば有効なのだ。



     EDに陥った人を救済してくれるパ イアグラ。

    医師の診断を受けて、処方 してもらえば、これほど有効な手段は ないだるう。

    ただし、ストレスにより 性的刺激を受けられない人には効かな いまた、併用してはいけない薬剤が あったり、偽造品の問題もあるので、 自分にはどんな原因が考えられるかを まず医師に相談し、処方してもらおう。









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