身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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里いも
◎サトイモ科
◎一年中出回っているが、収穫は夏から秋。
◎子いも、孫いもができるので、縁起の良い野菜とされている。
腎臓病/糖尿病/老化防止/便秘/下痢/打ち身/ねんざ/肩
こり/やけど/虫刺され
●「おふくろの味」の代表野菜
原産は熱帯アジアで、日本へは稲より早く、紀元前1世紀ごろに入って
きました。
当時は里いもを葉でくるんで、蒸し焼きにして食べていたと
考えられています。
現在では、煮っころがしやふくめ煮に代表されるよ
うに、おふくろの味として、家庭惣菜には欠かせない存在です。
種類も多く、国内だけでも約200種はあります。
根の中央にあるものを親いもといい、そこから子いも、孫いもが派生し
ますが、そのうちのどれを食べるかは、種類によってさまざまです。
主に親を食べるのは、たけのこいも(京いも)、えびいも。
子や孫を食
べるのは、里いも、えぐいも、どだれ。
親子両方を食べるのは、セレベ
ス、やつがしら、唐いもといった具合です。
店頭でよく見かける里いもには、丸っこいものと、細長くて先がすぼん
だ形のものとがあることは、よくご存じでしょう。
あれは、丸いほうが
子いもで、細長いのが孫いも。
味は似たようなものですが、孫のほうが
いくぶんやわらかいというちがいがあります。
主成分はでんぷんですが、他のいも類と比較してとくに多いのがカリウ
ムです。
ビタミンはCを若干含みますが、それ以外はほんの微量ビタミ
ンしか含みません。
里いも独特のぬめりは、ガラクタンという炭水化物
とたんぱく質の結合した粘性物質によるものです。
●泥つきの湿ったものを買うのがポイント
夏から秋にかけて収穫されますが、その後貯蔵されて、年間を通して出
回ります。
買う場合には、なるべく泥つきのものを選んでください。洗ったものは
いたみが早いですし、薬品処理がなされている場合があります。
泥がよくついていて、湿っているもの、皮にひび割れなどが入っていな
いものを選べば、まず安心です。
保存は、新聞紙などにくるんで冷暗所へ置きます。庭があれば、穴を掘
って埋めておくと理想的な保存ができます。
●ぬめりのもと、ムチンが肝臓、腎臓に効く
漢方では、里いもは肝臓、腎臓を補益するといわれてます。
あの独特の
ぬめりの中にはムチンという物質が含まれていて、常食していれば肝臓
や腎臓の弱りを防ぐのに役立つばかりか、老化防止にも効果を発揮しま
す。
慢性腎炎の場合は、薄切りにして鍋でこげるまで焼いたものを粉末にし
て、1回に50g、1日3回服用するといいといわれます。
また糖尿病には、煮たものを朝晩適量食べると効果的だともいわれます。
里いものムチンは唾液腺ホルモンの分泌を促すので、消化を助け、便秘
を解消してくれます。
毎日食べていれば、自然なお通じが得られるよう
になります。
ムチンはぬめりの中にある物質ですから、調理する前にごしごし洗い落
としてしまっては、せっかくの薬効も半減してしまいます。
料理の味や
見ばえを多少犠牲にしても、ぬめりはなるべく生かしたいものです。
ただしこのぬめりは、のどの粘膜を刺激するため、せきやたんの出る人、
かぜでのどに炎症をおこしている人や皮膚に化膿がある場合は、少しひ
かえたほうがいいでしょう。
下痢をしている場合は、乾燥した里いもの葉柄(ぞくにいうズイキ)を
煎じて飲めば、下痢が止まります。
●打ち身、ねんざ、肩こりに里いもの湿布
里いもには外用薬として、熱をとり、炎症をしずめる作用があります。
スポーツによる筋肉の炎症、筋肉痛、打ち身、ねんざには、里いもで湿
布をする石塚式湿布法がよく効きます。
肩こり、歯痛には、すりおろした里いもに同量の小麦粉と若干のしょう
がのしぼり汁をまぜてねったもので、患部を湿布します。
やけどの場合は、生の里いもをすりつぶしたものにごま油を加えて患部
に貼ります。
また、軽いやけどの場合は、葉と茎を細かくきざんですり
つぶし、布に包んで患部に当てて湿布してもよいでしょう。
この方法は、虫に刺されてはれた場合にも応用できます。
葉と茎が手に
入らない場合は、里いもをすりおろした汁を、虫刺されのはれた部分に
塗っても、はれをやわらげ痛みをとる効きめがあります。
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