身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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黒豆







◆大豆の一種で外皮の黒いもの。のどによいことは昔から知られている。




◆【薬効】


強壮/疲労回復/せき/二日酔い/動脈硬化、腎臓病、肝臓病 などの予防




●黒色のもとはアントシアンという色素


黒豆は大豆の一種で、皮が黒い大豆のことを黒豆とよびます。

昔の人は 黒色からカラスを連想したとみえ、カラス豆という別のよびかたもされ ました。

大豆同様、ほぼ全国で栽培されますが、とくに有名なのが丹波 の黒豆で、大粒で味がいいことで知られています。

黒豆の黒い色は、アントシアンという色素によるものです。この色素は 鉄と反応すると、独特のつやのある黒色を出します。
黒豆を煮るときに 鉄くぎなどを入れるのもこのため。といっても、昔の人に色素の化学作 用のことなどはわからなかったでしょうから、長い経験から鉄がいい色 を出すことを知ったのでしょう。




●煮るときは一度ざるにあけて、水をかけるのが明治のコツ


黒豆を煮るには、それぞれの家庭で独自のコッがありますが、ここでは ちょっと変わった煮かたを紹介しましょう。

明治時代『食道楽』という料理と栄養学の本を出版し、食研究家の第一 人者として有名だった村井弦斎の黒豆の煮かたです。
村井家の調理法に は、独特の秘伝があります。 まず、ひと晩ほど黒豆を水につけてもどし、鍋に入れて水をたっぷり加 え、弱火で2時間ほど煮ます。
それから、これはほかではめったにない ことですが、村井家では一度ざるにとり、冷たい水を全体にかけて豆を 冷やします。
これこそが秘伝で、おいしくふっくら煮るポイントなので す。
新しい水を入れて、さらに3〜4時間煮ます。
豆がやわらかくなったら砂糖を入れ、最後にしょうゆを豆の分量の1割 ほど入れて5〜10分煮て火からおろし、ふたをして蒸らします。

この方法では1日仕事になってしまいますが、手間をかけたかいはある すばらしいおいしさです。 時間がなく、ここまで手をかけていられないというのであれば、水をか けるのを省略したふつうの煮かたでも、圧力鍋を利用してもよいでしょ う。




●スタミナのつく黒豆豆乳


黒豆のはっきりとした卓効を求めるのなら、豆乳にして飲むのがよいで しょう。

黒豆をひと晩水につけてやわらかくもどしてから、ミキサーなどでつぶ します。
これを煮て、ふきんでしぼり、ハチミツなどを加えると、かっ こうのスタミナドリンクになります。
黒豆の豆乳ですから、正直いって見た目はあまりよくありませんが、豆 類特有の甘みとコクがあり、なかなかおいしいものです。




●ビタミンB1が大豆より多く、疲労を回復させる


黒豆の成分は大豆とほぼ同じですが、ビタミンB1の量が大豆よりはる かに多いのがめだちます。

このため、大豆よりもさらにエネルギー代謝をささえ、疲労やスタミナ 不足のさいに役だつと期待できます。

また、消化を促進させ、全身機能を正常に保つ効果もあります。
とくに、 アルコールやタバコをたしなむ人や、毎日ストレスにさらされる人など は、ぜひ意識してとりたいものです。

仕事が忙しく、スタミナ切れのときなどに、前述した黒豆の豆乳を毎日 l杯ずつ飲みつづけると、かなりの効果が期待できるでしょう。




●動脈硬化、腎臓病、肝臓病などを予防する成分がある


黒豆のたんぱく質は、日本人に不足しがちなリジンやトリプトファンを 多量に含んでいるほか、代謝に不可欠なアスパラギン酸やうまみ成分の グルタミン酸などを豊富に含んでいます。

また、リノール酸やレシチンも多いので、血管をじょうぶにし、動脈硬 化などの病気から守ってくれます。

黒豆は大豆の伸間ですから、もちろんサポニンも豊富に含んでいます。
サポニンは血のなかの過酸化脂質の増加をおさえ、肝臓の負担を減らし、 強心、利尿作用があることが知られています。

おせちの黒豆には、「まめまめしく暮らせるように」という願いがこめ られていますが、まさにそのとおり。
黒豆によって動脈硬化、腎臓病、 肝臓病などが、ある程度予防できるというわけです。




●民間療法では、黒豆のゆで汁はせきやのどの薬


黒豆は古来、民間療法でぜんそくの薬として珍重されてきました。
ぜん そくばかりでなく、せきや声がれ、たんなど、のどに関連した症状に効 果をあらわすようです。

これはサポニンに、去痰作用(きょうたん)が あるためです。
サポニンはせきどめ薬、かぜ薬にも含まれている成分で、その効果は実 証ずみ。
民間療法といっても、きちんとした根拠にもとづいています。

用いかたは、ゆでたときの赤紫色のゆで汁に、黒砂糖をまぜるのです。 ある程度まとめて作っておき、毎日数回、コップ半分くらい飲みます。




●二日酔いには黒豆茶、冷え症には豆淋酒


また民間療法では、黒豆の毒消し作用を利用して、食あたりの薬として も使われることがあったようです。

これも煮たときにできる汁を飲むの ですが、ひどい食あたりのときは、黒豆と甘草(かんぞう)を2対1の 割合で煎じて飲むと効果があらわれます。
このほかに二日酔いにも効果があり、黒豆を肴にして酒を飲めば、悪酔 いを防ぐことができます。

酒を飲んだあとに黒豆茶を飲めば、翌朝ひどいニ日酔いをせずにすむと もいわれています。
黒豆茶というのは、黒豆150gに対して水700mlの割合で煮汁を 煮つめたものです。水の量が半分くらいになったらできあがり。
この濃 い汁が黒豆茶です。
文字どおり、お茶がわりに飲めばよいのです。

黒豆の効能を利用しているのは、日本だけではありません。
中国では、 昔から黒豆を使って豆淋(とうりん)酒というものを作っていました。
これを飲むとからだが温まり、冷え症などが治るといわれる、一種の薬 酒です。












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