高齢期の病気と食事。
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老化に伴う

  1. 高血圧の食事療法の基本方針
  2. 食品選択にあたつての留意点
  3. 調理にあたつての留意点
  4. 薄味調理のコツ







  5. 1)★食事療法の基本方針。



    ● 高血圧はいろいろの原因によって起こりま すが,もっとも多く,しかもその成因が不明 なものが本態性高血圧です.本症は,肥満や 塩分摂取量の多い人にその頻度が高いことが 知られています.したがって,高血圧症の治 療には降圧剤と,平素からの適正な生活と食 事が大切になってきます.降圧剤はあくまで も対症療法ですから,まず心身の過労を避け, 過食と塩分の過剰摂取を避けて,いわゆるな にごとも控えめの中庸を守ることが大切です.



    ●肥満を防止します。  

    過食と多飲を避け,バランスのとれた食事をすることです.適正 な糖質,良質なたんばく質,脂質は飽和脂肪 酸より植物油や魚油に多い多価不飽和脂肪酸 の割合を多くすることが大切です.

    ●塩分を制限します。

    日本人は,1日10g以下の塩分にすることが望ましいのですが, 高血圧の度合いにより5〜8gくらいにするこ とが大切です.少ない塩分でおいしく食べら れる献立の工夫が必要です.

    ●ビタミン,ミネラルを十分にとります。

     意識して新鮮な野菜,果物,海藻を十分に とるようにします.これらには,ビタミン, ミネラル(とくにカリウム),食物繊維が豊富 に含まれています.降圧剤を飲んでいる人で は,薬の作用でナトリウムと一緒にカリウム も排泄されますから,とくに十分にとること が大切になってきます.

    ●加工食品の塩分に注意します。

    最近,料理に手間をかけたくないという傾向が強く なっており,加工食品,惣菜類はますます普 及していくものと思われます.デパートの食 品売り場では,家庭の味,おふくろの味と銘 打って,惣菜類が非常に多くなってきていま す.このような加工食品,惣菜類には,化学 調味料がよく使われています.この化学調味 料にはナトリウムが含まれており,食塩と同 じ作用をします.そして,材料のもち味,舌 ざわり,他の調味料とのバランスなどがミッ クスされていますから塩辛く感じません.こ のように,加工食品は意外に塩分が多いので, 十分注意してください.

    ●外食の塩分に注意します。

    外食産業の進出には目をみはるものがありますが,外食は, 味付けが濃いのが特徴です.最近は昼も夜も 外食する人が増えてきています.朝食だけで は塩分やエネルギーの調節はむずかしく,栄 養が偏りますから,外食はせめて1日に1回 程度にしたいものです




    2)★食品選択にあたつての留意点。



    ●主食となる食品(エネルギー源食品)

    加工されている食品,たとえばインスタン トラーメン,食パンなどは塩分が含まれてい ますから注意してください.

    ●主莱となる食品  

    魚,肉,卵,大豆およびその製品,牛乳は,必須アミノ酸など良質 たんばく質を含んでいますから,1日三食にうまく取り入れていくように心がけます.た んばく質食品を選ぶにあたっても,やはり加工されたものには塩分が多いので,新鮮な 工されていない食品を選び,家庭で味付けを するようにしましょう.たんばく質食品は, 脂質も一緒にからだに入りやすいので,質, 部位,種類もよく選んで買うことが大切です・ とくに肉は飽和脂肪酸が多いので注意してく ださい.

    ● 副莱となる食品  

    ビタミン,ミネラルの 豊富に含まれる野菜,きのこ,海藻,果物を 取り入れていくようにします.できれば1食 に2品くらい添えると十分にとれます.1品 は主菜の付け合わせとしてうまく利用しま しょう.

    ●果物  

    食後のデザートとして,また10時3時のおやつとしてとるとよいでしょう.






    3)★調理にあたつての留意点。



    ●● 食品の選び方も大切ですが,どのような調 理方法にするかで1日のエネルギーが増えた り,塩分が増えたりしますので注意してくだ  さい.



    ●知っておきたい調味料の塩分  

    外国と比べますと,とりわけ塩分の多いのが日本の食 事の特徴です.みそ,しょうゆ,食塩の三大 調味料からの塩分量の占める割合も多く,た とえば薄口しょうゆの場合,16.2%の塩分が 含まれていますから,小さじ1杯(6g)使う とすれば約1gの塩分をとることになります・  このように,調味料に含まれる塩分がわか れば,料理の味付けでどのくらいの塩分をと  ることになるのか換算することができます. そしてこれを何回か繰り返すことで,塩分量  の正確な量をつかむことができます.あとは より塩分の少ない調味料をじょうずに使う工 夫をすることです.いろいろの調味料を使い, 食事に変化をもたせることが必要です.




    4)★薄味調理のコツ。



    ●新鮮な材料を使います。

    活きのいい魚,旬の野菜,果物など,そのもち味を生かすた めには薄味でないと,調味料の味になってし まいます. 香りや風味を利用します。 しその葉,木の芽,ねぎ,みつば,みょうが,しょうが, ごま,パセリなどは,香りや風味が薄味をカバーしてくれます.   海藻やきのこを利用しまする。 昆布,かつお節、しいたけなどの旨味成分を活用します. 焼き味、焦げ味の香ばしさを利用します。  魚は,塩を振って焼かずに,素焼きにして 焦げめをつけてもおいしく食べられます.し かし,焦げもひどくなると,がんの予防上問 題があるといわれていますから,ほどほどに  してください.

    ●酸味を利用します。  

    揚げ物に絞るレモン, 鍋物のボン酢など,さわやかな酸味をもつ食 品をうまく利用します. 酢を利用します。 酢を使うことにより塩 分を少なくできるだけでなく,魚の生臭さを とったり,野菜を酢で洗い水っぼさをなくす など下ごしらえにも重宝します.食卓に常備 しておいて,野菜炒めに振りかけても油のし つこさをやわらげます.

    ●油を使って旨味を出します。  

    一般的に油料理は,塩分が少なくてもおいしく食べられ  る調理法です.食品のもち味を逃さず,高温で手早く処理するので栄養的にも有効です

    ●香辛料を利用します。  

    香辛料のぴりっと した辛さは,それだけで食欲をそそりますか ら,じょうずに調味に取り入れていくとよい でしょう.

    ●調味料は控えめにします。  

    しょうゆのか わりにソース,ケチャップ,マヨネーズ,ド レッシングなどを適度に使います.また下処 理にはなるべく塩を使わず,食べるとき,つ けじょうゆ,かけじょうゆとして利用します.

    ●減塩調味料を利用します。  

    塩分制限の厳しい人には,減塩の調味料を利用するのもよ いでしょう。




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