高齢期の病気と食事
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老化に伴う

  1. 胆石症の食事療法の基本方針
  2. 一般的な食事療法
  3. 症状がある場合の食事療法A>
  4. 食品選択にあたつての留意点
  5. 調理にあたっての留意点







  6. 1)★胆石症の食事療法の基本方針<



    胆石症には症状のあるものとないものがあります


    胆石症は年齢とともに増加し,とくに中年遇ぎの肥満女性に多いといわれています.

    症状は胆石の種類,大きさ,存在する場所などによって,無症状のものから,発熱,黄疽,疝痛を伴うものといろいろです.

    治療も,手術をしない内科的治療や,手術をする外科的治療など,患者に適した方法が選ばれます.






    2)★一般的な食事療法。



    ●暴飲暴食,刺激物を避け規則正しい食生活 を心がけます。

    内科的治療を行う場合は, 胆のうの収縮を促進させない,発作を誘発し ない,胆石の生成を促進させないことを原則 として,暴飲暴食を避け,刺激物を制限し, 規則正しい食生活をすることが大切です.  

    脂質,嗜好飲料を避け,良質のたんばく質 をとります。

    ふだんの食生活においても, 胆石生成の予防のために,脂質の摂取を制限 します.胆のうの収縮を促すアルコール飲料, 炭酸飲料,カフェイン飲料は避けます.たん ばく質は,脂質の少ない良質のたんばく質を 摂取するように心がけます.便秘予防のため に食物繊維の摂取についても心がける必要が あります.また,肥満防止のために過度の糖 質の摂取は控えるような食生活が望ましいで しょう。






    3)★症状がある場合の食事療法<



    ●胆石疝痛発作,発熱,嘔吐,黄損などの症 状がある場合は入院し治療します

    痛みと炎症を抑制するために,1〜2日間ぐらいは 絶食となります.経口摂取可能となった場合 には,脂質は与えず,糖質を中心とした流動 食からはじめ,症状をみながら三分がゆ,五 分がゆ,全がゆ,米飯軟菜とすすめていきま す.

    ●自宅療養が可能になっても,暴飲暴食,高 脂質食を避けます。

     

    米飯軟莱になると自宅 療養も可能となり,健康な人とほぼ同様の普 通の食事をとることができますが,暴飲暴食 や,高脂質食を避けるなどの原則は守る必要 があります.  高齢者の場合は,食事制限の緩め方は急激 に行うことなく,慎重にしていくことが望ま しいでしょう.表1に食事基準を示します.




    4)★食品選択にあたつての留意点。



    ●流動食

    おもゆ,果汁,野菜スープなど がよいでしょう.コンソメスープ,ポタージュ スープは避けます.

    ●三分がゆ,五分がゆ



    ヨーグルト,スキ ムミルク,白身魚(たら,メルルーサ,かれ いなど),はんペん,豆腐,卵白,鶏ささ身 肉,じゃがいも,にんじん,かぽちゃ,ほう れんそうの葉先,かぶ,だいこん,カリフラ ワーなど,軟らかく煮える野菜,果物の缶詰 (パインアップルは不可),バナナ,メロンな どを選択して使用するとよいでしょう.

     ●全がゆ



    パン,うどん,もち,いも類, 全卵、脂身の少ない少量の鶏肉,少量の牛・ 豚肉(ヒレ),カテージチーズや,かまぽこ・ ちくわなど油で揚げていない練り製品,焼き 豆腐など油で揚げていない大豆製品,野菜, 果物などを選択して使用するとよいでしょう.  

    ●常食軟莱



    赤飯,牛乳、納豆,あじ い さき,まぐろの赤身なども使用できるように なり,脂身の多い魚(うなぎ,まぐろのとろ など),脂身の多い肉(ベーコン,バラ肉など) 以外ほとんどの食品が使用できます.少量の バター,マヨネーズ,油も使用できます.






    5)★調理にあたっての留意点<



     ●流動食

    おもゆには塩を少々入れ,薄味 をつけると食べやすいものです.果汁は酸味 の少ない果物を選び,粉あめで甘味をつけて もよいでしょう.野菜スープは,キャベツ, にんじん,たまねぎなどの野菜をたっぶりの 水でゆっくり煮てから,こしてスープにして 薄味をつけます.

    ●三分がゆ,五分がゆ

    素材を軟らかく煮ることがおもな調理方法となるため,だし汁 は吟味しておいしくとり,素材をいかした薄 味にするよう心がけます.油が使われないた め,おいしさに欠けるので料理の組み合わせ も考慮したいものです.  調理例として,ヨーグルトゼリー,豆乳ゼ リー,白身魚(鶏ささ身肉)と野菜のスキムミ ルク煮,治部煮,豆腐のあんかけ,マッシュ ポテト,かぽちゃの茶巾しぽり,ほうれんそ うと卵白のスープ,バナナシェイク,ヨーグ ルトサラダなどがあります.

    ●全がゆ

    使用できる食品が多くなり,調理しやすくなりますから,たんばく質不足, 野菜不足にならないよういろいろ組み合わせ るとよいでしょう.全卵は生で使用せず,茶 碗蒸し,卵豆腐などにするのがよいでしょう. 調理にあたっての香辛料は控えたほうがよい でしょう.

    ●常食軟莱

    てんぶら,フライなどの揚げ 物,油の多い中華料理,ピザ,グラタン,ド リア,ハンバーガー,ケーキやシュークリー ムなどの洋菓子,高脂肪アイスクリームなど は注意して避けるようにします.酒類,香辛 料は,香りをつけておいしく食べる程度や, 食欲をそそる程度の使用は差し支えありませ ん.マヨネーズ,ドレッシングなども少量(10 gぐらい)であればサラダなどに使用できま す.









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