高齢期の病気と食事。
Welcome
Welcome
老化に伴う

  1. 胃潰瘍の食事療法の基本方針
  2. 食品選択にあたっての留意点
  3. 調理にあたつての留意点







  4. 1)★胃潰瘍の食事療法の基本方針<



    ●一般的な食事療法

    刺激が少なく栄養価が高い食品を選びます 胃液の分泌を抑制し,胃の運動をやわらげて安静に保つという考えから,物理的に胃壁に障害を与えないこと,胃液の分泌を促進しないことなどが食事療法の原則です.したがって,できるだけ刺激が少なく,栄養価の高い食品を選んでとることが組織の修復,栄養保持の面からも必要です. 食事は少量ずつ回数を多くします 食事時間を規則正しくし,よく噛み,ゆっくり食べるように注意しましょう.また本人の嗜好に合ったものを,一度にたくさん与えず,少量ずつ回数を多くすることが,胃の庇護の面からも生活上からも望ましいものです.

    ●症状がある場合の食事療法  

    @吐血した場合

    絶食の後,流動食を少量ずつから始めます

    吐血したときには入院治療になると思われますが,しばらくは絶食とし,止血後,喉をうるおす程度の流動食を少量ずつ5〜6回に分けて与えます.その後,量を増し,三分がゆ→五分がゆ→七分がゆ→全がゆ→常食とすすめていきます.このすすめていく日数には個人差がありますので気をつけましょう.

    A急性期以降



    高エネルギー・高たんぱく質を原則にします

    急性期を過ぎれば自宅療養も可能となり,食事内容もあまり厳しく制限する必要はありません.

    栄養面の偏りを起こさないよう,また心理的に満足するように,高エネルギー・高たんぱく質食を原則としてすすめます.しかし,高齢者の場合には,食事基準り10%くらい低くてもよいでしょう.




    2)★食品選択にあたっての留意点。



    ●流動食

     牛乳,野菜スープ,みそスープ, おもゆ,くずゆ,果汁など刺激の少ないもの を選びます.塩分の強いもの,エキス分の多 いコンソメなどは避けましょう・

    ●三分がゆ  

     パンがゆ,じやがいも,かぽちゃ,ヨーグルト,豆腐,生クリーム, バター(少量)など軟らかいものを選びます・

    ●五分がゆ  

     トスト,うどん,白身魚,チーズ,鶏ささ身、はんペん,ブロッコリー, かぶ,とうがん,だいこん,ほうれんそう葉 先,メロン,バナナ,果物缶,りんご(煮), ビスケット,カステラなどを選びます・

    ●七分がゆ,全がゆ,常食  

    三分がゆ,五分がゆの食品に加えて,使用できる食品を次 のことを参考にして選びましょう

    ●使用できる食品  

    @穀類,いも類 

     ○食べてよい食品 

      おかゆ,食パン(白), バターロール,軟らかく炊いたごはん,軟ら かく茹でたマカロニ(少量),もち,さとい も,とろろいも,裏ごしたさつまいも,ゆり 根など. 

     

    ○避けたほうがよい食品 

     赤飯,炒飯,冷 飯,味付けごはん,お茶漬,ラーメン,スパ ゲティ,胚芽パン,菓子パン,おすしなど.  

    A魚介類,肉類.卵類,豆類 

     

     ○食べてよい食品 

     脂質の少ない魚(あじ かれい),魚の缶詰(水煮),かき,えびのすり 身,脂質の少ない肉(鶏肉,豚肉,牛肉,肝 臓),高野豆鳳 きな粉,湯葉,納豆など.  

    ○避けたほうがよい食品 

     脂質の多い魚 (まぐろのとろ,うなぎ,さんま,さば),貝 類,いか,たこ,干物む みそ漬,塩辛,かず のこ,イクラ,たらこ,脂質の多い肉(バラ 肉,ロース肉),ベーコン,ハム,ソーセー ジ,羊肉,肉のくん製品,あずき,大豆など の硬い豆,生揚げ,油揚げ,がんもどきなど.  

    B油脂頬 

     

    ○食べてよい食品 

    マーガリン,マヨネーズ(少量)など

    . ○避けたほうがよい食品

     油(炒め物,揚げ 物)など.  

    C野菜・果物類 

     

    ○避けたほうがよい食品 

     繊維の多いもの(ごぽう,たけのこ,れんこん,ふき,きのこ 類,わらび,ぜんまいなど),刺激の強い野菜 (からしな,にら,にんにく,しょうが),海 藻類,干した果物,砂糖漬の果物,パインアッ プル,柿,酸味の強い夏みかんなど.  

    Dその他 

     

    ○避けたほうがよい食品 

      アルコール飲料、香辛料,嗜好飲料,揚げ菓子(ドーナツ,か りんとう),甘味菓子(ようかん,大福な ど),辛いせんべい,揚げせんべいなど.

    3)★調理にあたつての留意点<



    ●流動食  

    絶食後はじめて口にする飲み物 なので味付けは薄味に,温度も熱すぎず,冷 たすぎないように注意します.野菜スープは, キャベツ,にんじん,たまねぎなどを煮てスー プをとり,薄く味付けします.だし汁のだし は昆布,しいたけなどでとります.果汁は酸 味の少ない果物を選び,濃縮果汁を薄めて使 用してもよいでしょう.

    ●三分がゆ  

    卵は半熟程度に調理します. 温泉卵,茶碗蒸し,卵豆腐,ポーチドエッグ, プリンなどです.じゃがいも,かぽちゃは軟 らかく煮てマッシュし,牛乳などでのばして なめらかにします.豆腐はみそ汁,煮やっこ などにします.バターや小麦粉でポタージュ, 生クリームなどでババロア,ブラマンジェ, ゼリーなどにしてもよいでしょう.

    ●五分がゆ

    食パンはトースト(少量のバ ター可),煮こみうどん,煮(蒸)魚,鶏ささ身 挽肉のそぼろあん,野菜の軟らか煮,葉先の 煮びたしなどがよいでしょう.

    ●七分がゆ,全がゆ,常食

    肉,魚の調理法は煮る→蒸す一焼くの順になりますが,症 状がよくなれば焼き魚などもよいでしょう. 生野菜は原則として使用しませんが,とろろ いも,だい・こんおろし,湯むきトマト,おろ しりんごなどはよいでしょう




    高齢期の病気と食事。へ戻る。