高齢期の病気と食事。
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老化に伴う

  1. 食事基準と食品構成表
  2. 献立作成上の留意点
  3. 調理上の注意点
  4. 食欲を出す工夫







  5. 1)★食事基準と食品構成表





    ● 食事療法を行うにあたっては,まず,その 病気にとってどのくらいのエネルギーやたん ばく質,脂質,ビタミン,ミネラルなどの栄 養素をとったらよいか,それぞれ基準となる 値が医師によって示されます。これが「食事 の処方箋」といわれるものです.この処方箋 に示された食事基準に基づいて,病院では栄 養士が「食品構成表」を作成します.これは, 一日に必要な栄養素を満たすために,どのよ うな食品をどのくらい食べればよいかを組み 立てたものです.そして,この食品構成に基 づいて,さらに一日の具体的な献立が立てら れます。  






    2)★ 献立作成上の留意点



    @栄養のバランスをとります。・・とくに食事回数を減らさないこと.

     老後の健康を守って長寿を達成するために は,なによりもまず栄養的にバランスのとれ た食事をとることが大切です.そのためにも 規則正しい食生活は必要です.  決まった仕事のないお年寄りにとっては, 1日3回の食事は,生活のリズムをつくる基 本です.決められた時間の食事がとれないと お年寄りはいらいらしやすいものです.また, お年寄りだけの世帯やひとり暮らしの場合は, ともすれば朝食を抜いたり,1日2食という 場合が多いようです.1回にたくさん食べら れないお年寄りにとって,食事回数を減らす ことは,いろいろな食品の必要量・・すなわ ちバランスのとれた栄養量を満たすことがで きにくくなりますので,とくに注意します・

    A献立に変化をこらし,嗜好を大事にします・

     高齢期では,一般に若い人に比べて少食で あり,また少しの体調の変化でも食欲が衰え がちになります.食品の組み合わせや調理法 に変化をこらした献立を工夫しましょう。  とくに食欲のないときは,お年寄りの好み を聞いて,さしつかえのない限り素材や味付 けや調理法にその嗜好をとり入れ,喫食率を 高めるようにします.

    Bと<に牛乳・乳製品を不足しないように気をつけます.

     牛乳・乳製品は骨粗髭症の予防のために効 果のある食品です.一般に高齢者は,これら の食品をとる習慣が少ないために,カルシウ ム不足になりがちです.牛乳を紅茶やコー ヒー,ココアに入れたり,デザートとしてミ ルクゼリーやプリン,ババロアにしたり,ま た料理(グラタン,コロッケ,シチューなど) に組み入れるようにします.

    C家族と同じ献立にし,調理法を変えます.

    お年寄りの分だけ献立を変えるのは疎外感 のもとになりがちです。献立は共通にし,調 理の段階で軟らかくするとか,細かくすると か,薄味にするとかして,なるべく家族と同 じメニューにします.  






    3)★調理上の注意点 



    @咀しゃく力に応じた切り方や調理法を。

     高齢期では,咀しゃく力が若いときより落 いていますから,軟らかさ,切り方などに工 夫をします.歯が悪くなると噛めないだけで なく,唾液の分泌も少なくなりますので,消 化のよい,軟らかく,食べやすく切ったもの を心がけます.唾液の分泌が減ると反射機能 を鈍くなり,飲み込んだはずのものがのどに つかえてむせたりすることがあります.水分 の多いもの,とろみをつけてのどごしをよく したものなどを心がけます.  噛む力が弱くなると糖質のものに偏りがち になりますので,食事づくりにはとくに注意 します.

    A食事の演出にも配慮を.

     お年寄りは若い人と違って,たくさん盛ら れているとかえって食欲を失いがちになりま す.料理に合った器に彩りよく少しずつ盛り 付けるようにします.重い器も,力が弱くなっ たお年寄りには持ちにくいものです.薄手の ものに盛り付ける気配りをしましょう.

    B減塩の工夫を.

     味付けの濃さには習慣性が強く,また年を とると味姓のなかでもとくに塩味が衰えてき ますので,濃い味付けを好む傾向があります. 薄味でもおいしく食べられる工夫をして減塩 に心がけるようにします.

    C料理は適温で出します.



     






    4)★ 食欲を出す工夫 



    @盛付けを工夫しましよう.

    (1)皿数を多くして量は少なく,といった懐 石料理風の盛り付けが喜ばれます.

    (2)取り合わせる食品の色どりや器との調和 を考えます.

    (3)器はいつも決まったものではなく,手近 にあるもの(ガラスの食品や貝殻,民芸食器 など)を利用すると思いがけない新鮮な盛り 付けができます.

    (4)ご飯なども幕の内型や物相型などの型に 抜いて,大皿におかずと盛り合わせるのも楽 しいものです.



    Aテクスチャーを生かします

     消化のよいほうがいいからといって,どれ もこれもベチャベチャと軟らかいものばかり では食欲が落ちます.歯がしっかりしていれ ば,シャキシャキとした舌触り,滑らかなつ るっと口に入るような組み合わせは,自然に 箸が進みます.

    B料理の味の組み合れせを配慮します.

     おいしい献立とは“一つ一つ料理の味の調 和がとれている”ことです.たとえば,主莱 が焼き物であれば,副莱は煮物や酢の物や浸 し物,といったように,一食の中で同じ調理 法が重ならないようにして味の変化をもたせ るようにします






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