身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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ベリー・ローカロリーダイエット(VLCD)の実際
ヒトが痩せていくときに、脂肪が燃えるのは大歓迎ですが、タンパク質が燃えると困りま
す。
なぜならば、タンパク質というのは、われわれが生きていくうえで根源的な物質なの
で、普通は燃えないからです。
タンパク質が燃えはじめるのは、砂漠で行き倒れになった
ときとか、一週間も絶食したときなどです。
タンパク質が燃えると、尿とか大便とかに出
ていく窒素の量がマイナスになり、私たちの健康を損ないます。
これを防ぐには、必要な
カロリーをとって、タンパク質を燃やさないようにすればよいわけです。
その目安は、だ
いたい以下のようになっています。
糖質(ブドウ糖)・・・三○〜四○グラム(約一二○〜一六○キロカロリー)
タンパク質・・・一五〜二五グラム(約二八○キロカロリー)
これらのものが供給されれ
ば、タンパク質は減らず、体内の窒素バランスは維持されます。
そこで、次に一日に何キ
ロカロリーとると、空腹にある程度耐えられて、極端に体重を落とせるかを調べました。
体重を減らすときというのは、普通は一二○○キロカロリーは与えることになっています
。
しかし、これをもっと減らして半分の六○○キロカロリーくらいで大丈夫なのではない
かと考えたのです。
ただし、これには水をたっぷり飲ませるということをはじめとして、
さまざまな条件が必要なのはいうまでもありません。
そうしたことを無視して行うと、た
いへんなことになります。
ダイエットには、次の三つのものがあると考えてください。
一、普通のダイエット・・・一日に、一二○○〜一八○○キロカロリーをとる
二、ローカロリーダイエット・・・一日に、六○○〜一二○○キロカロリーをとる
三、ベリー・ローカロリーダイエット・・一日に、六○○キロカロリー以下をとる
その三つめのベリー・ローカロリーダイエットは、一日に約二○○グラム、五日で一キロ
体重が減るのですが、入院が必要です。
一日に一二○○キロカロリーをとる普通のダイエ
ットは、一か月で一〜ニキロしか痩せないので、人によっては少しまどろっこしいと感じ
るでしょう。
しかし、入院をしない外来の場合は、この程度にしておくほうが無難です。
普通のダイエットとベリー・ローカロリーダイエットの中間であるローカロリーダイエッ
トについては、私たちの病院(田園都市厚生病院)では、どれくらい体力のある人ならば
やってもよいかという規定を設けています。
それに、最低限やっていただきたい検査も決
めています。
たとえば、一○キロ痩せたいという人がいるとします。それに対して、私た
ちの病院で「五○日間ください」と言ったとします。
ということは、一日平均二○○グラ
ムを落としていくということです。
それくらい急速なダイエットでは、入院してやったほ
うが安心だということになります。
もしも、二○キロ痩せたいという人がいたならば、一
○キロ痩せたところで少し休憩を入れます。
そうして、調子を整えて、またどーんと痩せ
るようにします。
これを何回か繰り返すと三○キロぐらい簡単に痩せられます。ただし、
気をつけなければならないのは、リバウンドです。
これは絶対に防がねばなりません。そ
のためには、脳のなかの潜在意識系を変える必要があります。
ダイエットに成功した後も
、瞑想とストレッチを続けていればリバウンドはこないという結果が出ているのですから
、あとは本人しだいです。
そのことを、どのように解釈するかです。私たちの病院では、
何か特別なことをやっているわけではありません。
バイオ・フィードバックという機械を
使っての瞑想法、それに意識のみによる瞑想法として自律訓練法をやってもらっているだ
けです。