身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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「無少増」のすすめ







ヒトも動物も、日常生活のなかでかなりの部分が生活習慣化しています。

その生活習慣と は何かといえば、一種の条件反射化です。

しかし、それだけではありません。

TP0に応 じて行動や価値観を変えていく「自意識」もあります。

とするならば、ヒトは無意識的・ 条件反射的な「潜在意識」と、思考や判断をともなう「自意識」の二つの意識系によって 、コントロールされているといえるのではないでしょうか。

現代社会は、とりわけストレ スの多い社会です。

そのため、ストレスが原因の心と体の病が多数発生しています。

その 病に対して、これまではほとんど対処療法に終始していました。

薬を投与したり、外科手 術をほどこしてきたわけです。

しかし、よく考えれば、もともとがストレスを原因とする 病気なのですから、そのストレスを緩和するなり、取り除くことができれば、病気は治癒 されるはずなのです。

しかも、それはどのようなことを行っても不可能なのかというと、 決してそのようなことはありません。

脳内麻薬を分泌させて、条件反射を意図する方向に 変えれば、ストレスを回避することは十分に可能なのです。

これまでの医学の常識では、 血圧やアレルギーなどの自律神経系のもの、それに条件反射的あるいは生活習慣的な無意 識系のものは、変更することは不可能であると信じられていました。

しかし、それはこれ までに見てきたように、大きく変化してきているのです。

脳内麻薬が分泌されている状態 においては、自律神経系や生活習慣化した無意識系(潜在意識系)のものまで、書き換え や変更が十分に可能なのです。

すなわち、ヒトは自分のからだのはたらきを、薬などをま ったく使わないで、自分自身でコントロールすることが、十分に可能なのです。

自分自身 で高血圧を下げ、胃の痙攣を止め、喘息をなおし、花粉症をなおすことができるのです。

それができないとするならば、食習慣を変えることなど到底不可能であるということにな ります。

食欲のコントロールも、できるわけはないということになります。私はミラー博 士やシャピロ博士の業績を学び、それをダイエヅトそのものと、ダイエット後のリバウン ドの防止にとり入れました。

そうすることにより、驚異的な成果をあげることができまし た。

ダイエットの実態というのは、アサヒビール薬品の調査でも明らかなように、じつに 惨憺(さんたん)たるものです。

一○○人の人たちがダイエットに挑戦したとするならば 、目標とする体重にまで減量できるのは、三○人くらいです。

問題は、その後です。

その 減量した体重を、どれだけの人が維持できるかというと、約一割程度なのです。

つまり、 一○○人の人たちがダイエットに挑戦したとすると、最終的にダイエットに成功するのは 三人くらいであるということです。

ダイエットの成功率は、通常は三%程度なのです。




ヒ トは快感原埋で生きています。

快感を求めて生きているわけです。

そのヒトが、きわめて 複雑でストレスの多い、いまのような社会に放り込まれると、自己実現のような高次な欲 望に向かう気には、なかなかなれません。

あまりにも複雑で多様化されているために、結 果が見えにくいからです。

それに、ボーダーレスという言葉に象徴されるように、いまの 社会は、世界の国々や地域が相互に依存しあっていて、社会システム自体が非常に巨大化 しています。

そのため、個人の無力さというものが、とても強く感じられてしまいます。

そこで、もっとも手に入れやすい食欲系へと、欲望が向かいやすいのです。

いまのように 複雑でストレスの多い社会において、努力をしないでカンタンに手に入れる快感というと 、それはやはり食欲系なのです。

逆にいうと、いまの社会は、人間的な高次な欲望につい ては、満足できにくくなっていますが、食欲系の欲望に関しては、とても寛容なのです。

二四時間オープンのコンビニがあり、宅配ピザがあり、いたるところに自動販売機があり 、冷蔵庫には食べ物、飲み物がいつも冷えているというように、食欲系が満たされやすい 環境が整いすぎるくらい整っているのです。

それに、食欲はそもそもが絶対反射に属する 快感系です。

種族を守る必要からも、食欲は三大本能の一つといわれるくらい、根源的な 欲望系であり、快感系なのです。

ヒトも含めてあらゆる動物が、つい最近まで飢餓で大量 に死んでいました。

大飢饉という言葉はいまや死語のようになっていますが、日本が大凶 作とか飢饉とか飢餓から解放されたのは、ごく最近のことです。

戦前には、東北地方が大 凶作になり娘を売ったなどという話が、まだありました。

戦中の物資の欠乏、戦後のひも じさなど、わずか五○〜六○年ほど前のことなのです。

人類が誕生して約四○○万年とい う観点からすると、餓死する心配がなくなったのは、もうほんとうにごくごく最近のこと であるといってよいでしょう。

だからといって、今日の飢餓からの解放を、手放しで喜ん でばかりはいられません。

人類は物質文明を極度に発達させたおかげで、食欲を十分以上 に満たせるようになったわけですが、それが行き過ぎて、食べ過ぎによる弊害が出てきた のです。

それが、いわゆる肥満であり、成人病の多発なのです。

数十億年におよぶ遺伝子 のプログラムは、ヒトも動物も飢餓で死なせないために、食欲というものを持たせ、それ を満たすことに快感を与えました。

そうして、食べたならば、できるだけそれを体内に蓄 積ができるように皮下脂肪を発達させました。

上手に食べ物を手にし、皮下脂肪をたくわ えることができた種族や個体は、多くの子孫を得て、繁栄することができました。

それが 、つい最近までの大きな流れであったわけですから、遣伝子プログラムは、ヒトの場合も 、太らせないことを全体的な善としてはいないのです。

あえてスリムになるということは 、その遺伝子プログラムに逆らうことなので、それ自体がとても大きなストレスになるの は、当然のことです。

私たちは、そうとうに強い意志で、食欲をコントロールしないかぎ り、遺伝子プログラムに逆らいとおすことはできません。

私たちの潜在意識的な条件反射 は、繰り返し繰り返し快感を求めて、私たちを食欲系へと引きずり込もうとするからです 。

それを楽に抑え込むためには、少欲知足系の新たな条件反射をつくり、それでもってか つての食欲系の条件反射を書き換えることです。

それを行うもっとも効率のよい方法が、 目下のところは、心療内科で治療に使っている方法だということです。

私流に言い換えれ ば、脳内麻薬の存在下では、いかようにも条件反射のプログラムを書き換えられるという ことです。

そのためには、まず最初に肥満者の食事を中心にした行動パターンをできるだ け詳しく記載してもらいます。

それを分析して、肥満をもたらす原因=悪い条件反射をい くつか列挙します。

さらに、それを三つのグレードに分けて、高所恐怖症の治療法を応用 して、なおしていくわけです。

そのさいの三つのグレードとは、次のようなものです。




一、絶対やめてもらいたい事項

二、減らしてもらいたい事項

三、増やしてもらいたい事項




それを、私は〃無少増〃(ムショウゾウと発音してもらっています)と呼んでいます。

休 日にテレビを見ながら、長々と間食をする癖のある人は、これを無くしてもらいます。

・ ・・それが、〃無〃の項目にあたります。

次に、アルコールがとても好きな人は、ダイエ ットの期間にかぎり減らしてもらいます。

・・これが〃少〃の項目にあたります。

次に、 運動やストレッチの習慣がほとんどない人の場合には、これを増やしてもらいます。

・・ これが〃増〃にあたります。

この項目を紙や手帳に書き込み、自律訓練をくり返しながら 、言葉として胸の中で繰り返し、繰り返し唱えていますと、いつのまにか日常の行動パタ ーンが変化してきます。

以前、とても好きだった間食をやめることが快感に変わってきた り、あまり好きではなかったストレッチや歩行が好きになったりします。

そうした変化が 、快感をともなって訪れます。

そのようにして、条件反射をダイエットに好ましくないも のから、より好ましいものへとカンタンに、しかもストレスを感じないで、楽に変えてゆ くことができるわけです。






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