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食習慣を変えるための十一の法則







どのようなことでも、何かを変えるということは、最初はたいへんです。

しかし、一度身 につき、習慣となってしまえば、案外気楽なものです。

食習慣それにダイエットに関係す るいっさいの生活習慣も、同じことです。

食習慣を「高タンパク低カロリー型」に変える ということは、たしかに最初はとてもたいへんでしょう。

しかし、一度身についてしまえ ば、脳がその状態を覚えてしまうので、あとは案外気楽にやっていけるものなのです。

そ こで、どのように食習慣を変えるかを、箇条書きにしてみました。




1、毎日の何を食べたかを日記に書く



「私は水を飲んでも太る体質なの」という女性がいますが、そのようなことをいっている 人には悪いのですが、それはおそらく嘘か思い違いです。

たとえば、大金持ちの人がいて 、「これは安いですね」といったとします。

しかし,それは普通の人、貧乏な人から見れ ば、とても高価だということがあるでしょう。

それと同じように、太っている人というの は、もともとたくさん食べる人なのです。

そのたくさん食べる人が、食事を三割カットし たとしても、なお普通の人よりは食べているということはあるわけです。

人によっては、 半分に減らしても、三分の一に減らしても、それでもやっぱり食べ過ぎているということ があるかもしれません。

そこで、私は「毎日の何を食べたかを日記に書く」ことを奨励し ています。

時間帯や食品名は当然のこととして、なぜ場所まで書くのかと疑問に思われる 人がいるかもしれませんが、場所もとても大切なのです。

なぜならば、太っている人とい うのは、食事をする部屋以外のところにも、いっぱい食べ物を置いているのです。

あなた も、テレビのある部屋や勉強部屋に、ちょっとつまむようなものを置いていませんか?

引 き出しの中のアメやチョコレート、本立てのクッキー、テレビの前のテーブルのポテトチ ップスやお煎餅、それらを戸棚のなかにキチンとしまうだけで、かなり体重が減ってくる のです。

場所を書いてもらうのは、そのためです。

「何をしながら」というのは、食べる とか飲むということに気持ちがいっていないのに、飲んだり食べたりすることがあるから です。

そのようなことをしていると、いくら食事に気をつけても、何にもなりません。

あ なたも、テレビを観ながら、電話をかけながら、雑談をしながら、飲んだり食べたりして いませんか?

「どのような気分」というのは、とくに大切です。

ヒトは幸福だなあと感じ るときもよく食べますが、ストレスのあるときや退屈なときにもよく食べます。

太ってい る人というのは、むしろストレスや退屈のほうが、食べる動機としては多いのではないで しょうか。

ストレスを中和させるために食べ、退屈をまぎらわせるために飲み、悩んでい る自分、苦しんでいる自分、落ち込んでいる自分をカムフラージュするために飲みかつ食 べるということが、案外多いのです。




2、感謝をして食べる


東洋では、古くから「感謝をして食べる」ということを教えてきましたが、これはじつは たいへん合理的な教えだったのです。

というのも、感謝をするというような高次な意識状 態になると、脳内モルヒネ系の分泌がはじまるからです。

その反対に、怒ったり、借金の 話など不輪快な思いをして食べると太ります。

これは、ネズミを使って実験で何度もたし かめられていることです。

ネズミにエサを与え、食べている最中に尻尾を突っつきます。

そのようにすると、同じだけのエサを与えていても、尻尾を突っつかれないネズミよりも 太るのです。

食べている最中に尻尾を突っつかれると、痛いと感じて、そのことで脳から 「嫌だなあホルモン」が分泌されて、太るわけです。




3、無意識に食べ過ぎることをやめる


考えごとをしたり、何かほかのことに気をとられて食べていると、いつのまにか食べ過ぎ てしまうことがあります。

時間を気にしながら急いで食べる場合も、同じです。

そこで、 「無意識の食べ過ぎ」をどうやって防止するかですが、食べ物を一度口に運ぶと、そこで 箸を置く癖をつけるというのも、ひとつの方法です。

箸を必ず箸置きに置いて、口の中の ものが全部なくなってから、またおもむろに箸を持つ。

そうして、次のものを食べる。

そ のようにすると、案外カンタンに「無意識の食べ過ぎ」を防止することができます。

それ に、箸置きに箸を置くという習慣をつけると、よく噛んで食べることにもなります。

よく 噛むこと、つまりよく咀嚼をするということはとても大事なことで、カミサマというのは カムという言葉からきているといわれているくらいです。

食べ物をよく噛むとモルヒネ系 の分泌が高まりますし、からだの抵抗力も強まり、癌を防ぐ作用もあります。

「食べ物を 一度口に運ぶと、そこで箸を置く」ということをもう一歩進めて、「食事のあいだに一回 休む」というのも、いい方法です。目の前に食べ物があると、どうしてもダラダラと食べ 続けてしまうという人は、途中で食卓を離れてもよいでしょう。

タ食の途中で、必ず庭を 散歩するという習慣をつけて、見事に体重を減らした大学教授がいましたが、これなども 上手なやり方です。

食事を中断されると、誰だって食べたくなくなってしまいます。

なぜ ならば、血糖値というのは、食べたからといってすぐには上がらず、食べてしばらくする と、ゆるやかに上昇してくるからです。

そうして、満腹中枢を刺激し「もういっぱい食べ ましたよ」と知らせます。

それが、だいたい食事をはじめて約三○分後くらいのときなの ですが、食事を中断すると、ちょうどそのあたりになってしまうからです。

早食いが、食 べ過ぎになってしまうのも、同じ原埋によるものです。

早食いをすると、必要なだけ食べ てしまっていても、血糖値が上がるまでは時間がかかるので、分からないわけです。

実際 には食べ過ぎてはいるのだけれども、まだ血糖値は上がらず、満腹中枢も満足していない ので、食べるということになってしまうわけです。

それに、早食いをすると、やがて一気 に血糖値を上げてしまうことになるので、インスリンがドッと出てくることになります。

そうして、インスリンが過剰になると、脂をつくりはじめるので、それもまた太る原因に なるわけです。




4、体重を定期的に測り、グラフにする


体重は、定期的に測るようにしたほうがよいでしょう。

そして、その増減をグラフにする となお一層深く潜在意識の中に入ります。

数字を覚えるよりも、グラフにして視覚的に捉 えられるようにしたほうが、潜在意識に入っていきやすくて、よい結果をもたらすのです。





5、お腹がぺこぺこのときには買い物をしない


食べ物を買いに行くのは、食後にしたほうがよいでしょう。

お腹がぺこぺこのときに買い 物をすると、買いすぎてしまうことが多いからです。

よいコンディションのときに、これ とこれを買うというのを表にして買い物に行くと、余分なものは買わないですみます。

食 べ物にかぎらず、そのあたりのことはとくに主婦にとっては大切なことです。




6、食事の場所を決める


食事の場所を決めるということは、その場所以外では食事をしないということです。

お菓 子を食べたり、ポテトチップスをつまんだりもしません。

食事をするときは、よく噛んで 楽しく感謝をしていただく。

勉強をするとき、仕事をするときは、お菓子をつまんだりせ ずに集中してやる。

テレビを観たり、くつろぐときは、食事の三○分前、食後一時間以上 経っていれば、よい水をたっぷりと飲んだり、カロリーのない飲み物、カロリーの低い飲 み物を選んで飲むというようにすればよいわけです。




7、ゆっくりと変えていく


体重というものは、生活習慣、食習慣を変えれば、ひとりでに変わっていくものです。

肥 満ときわめて密接な成人病なども、最近では「生活習慣を変えることが、もっともいい薬 だ」というようなことになってきています。

そうしたことからも、体重を減らすことにポ イントを置かずに、よい生活習慣を身につけ、減量はその結果であったというようになる ことがもっとも望ましいといえます。

よほど病的な肥満でないかぎり、急激に体重を減ら すということは考えずに、健康な生活、健全な食生活を心掛け、気長に取り組むべきでし ょう。




8、否定的な言葉、消極的な言葉、命令的な言葉を使わない


私は不幸ではない。

私はあの人を嫌いではない。

そのように心のなかでつぶやくことは、 やめたほうがよいでしょう。

「不幸ではない」「嫌いではない」ということは、内容的に 否定的でも消極的でもありません。

しかし、「不幸」「嫌い」という単語は、否定的・消 極的で、その単語のイメージが意外に心に突き刺さったりするものです。

私はとても幸福 だ。

私はあのひとが好きでたまらない。むしろ、そのように心のなかでつぶやくべきでし ょう。それと同じことで、命令的な言葉も使わないほうがよいでしょう。

理解をし、納得 をし、無理なくやっていくことが大切なのです。

英語のネバーとかマストにあたる言葉、 「ああしなさい、こうしなさい」というような命令的な言い回しは、ストレスを生んでし まいます。

ストレスを生むと、それは太る原因になります。

そこのところのメカニズムを 、も一度復習しておきましょう。

人はストレスを感じると、ノル・アドレナリン系のホル モンを分泌します。

そのホルモンが、血中のインスリンを増量させます。

インスリンは脂 をつくるホルモンなので、せっせと脂をつくることになり、それが脂肪として体内に蓄積 され、いわゆる「太る」という現象になるわけです。

人間というのは、何事においてもそ れほど完壁にできるものではありません。

失敗を克服してこそ、成功があるのです。「体 重が下がらなかったのは、ここが悪いからだよ」と、そのたびに分かっていけばよいので す。

ダイエットを指導する立場に立ったときなども、いかに励ましてあげるかがいちばん 大事なのです。

失敗して当たり前くらいの気持ちで、精神的に余裕をもってダイエットに 取り組んでください。




9、肥満の危険についてよく知る


肥満というのは、見た目に悪いからよくないということだけではありません。

医学的にも 非常に危険なものを含んでいるのです。

そのことをよく分からせてあげなければなりませ ん。

肥満の人の血液検査をすると、コレステロールや中性脂肪が非常に高くて、いつ成人 病になってもおかしくないというようなことがしばしばあります。

肥満は病気の前兆であ り、病気になるための基礎をつくっているようなものなのです。

そのことを、はっきりと 分からせてあげる必要があります。




10、過ちにはめげず、つねに前向きの姿勢を崩さない


ダイエットというのは、最高にうまくいっていても、踊り場現象というものがあって、体 重がスルスルと減っていくということはありません。

しかも、入院して行うのならともか く、みなさん普通の生活をしながら、ダイエットをするわけですから、その過程ではけっ こういろいろなことがあるものなのです。

送別会などの宴会が重なって、かなりお酒を飲 んでしまったり、家族のお誕生日パーティがあって、バースデー・ケーキを食べることに なったり・・。

人それぞれに、ダイエットの敵にしばしば遭遇することになるわけです。

そうしたときに、「ダイエットをしていますから……」といって、付き合わないというの もひとつの生き方です。

ある期間は、それくらいにまで徹底したほうがよいのかもしれま せん。

しかし、たまにはハメをはずし、お付き合いをし、グルメをするというのも、精神 的には大切なことではないでしょうか。

それに、そうしたことは人生を豊かにすることに もなります。

不満が肥満をつくっていくわけですから、入間間係に恵まれ、精神面で人生 が豊かな人には、ほんらい肥満はないはずです。

長い人生ですから、誰もがダイエットの 敵にしばしば遭遇するわけで、そのときには、めくじらを立てて、「嫌だなあホルモン」 を分泌させないことのほうが賢明なのではないでしょうか。




11、失敗してもあきらめない


この本を読んで、「よし、それじや!」とダイエットを目指したのだけれども、結局うま くいかなかった人。

あるいは、一応ダイエットには成功したのだけれども、そのあとリバ ウンドしてしまったという人。

どうか一度の失敗であきらめないで、再挑戦してみてくだ さい。

なぜ、失敗したのか。

その原因を正確に把握して、態勢を整えて、もう一度、ある いは二度、三度と立ち向かってください。

一回の失敗であきらめてしまえば、可能性がま ったくなくなってしまうのですから。






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