身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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食事中の水は血糖値を上げる。
食欲というものは、脳のなかでつくられる物質によってコントロールされています。
とい
うことは、その脳内物質を上手にコントロールすれば、食欲はコントロールできるという
ことになります。
では、その脳内物質は、どのようにすればコントロールできるのでしょ
うか。答えの一つは食べ方です。
その食べ方にも、いろいろとあるのですが、ここでは水
のとりかたについて考えてみましょう。
たとえば、食事をしているときに水をとると、こ
れは見事に太る原因になります。
水にはカロリーはないのですが、水を大量にとる人と、
ほとんどとらない人とでは、同じものを同じだけ食べても、水をたくさん飲む人のほうが
太るということが分かっています。
なぜ食事中に水をとると太るのかというと、水をとる
と血糖値が一気に高くなるからです。
血糖値が高くなると満腹感も出てくるのですが、あ
まりにも早く血糖値が上がると、これを下げようとしてインスリンが登場し、そのインス
リンが、せっせと脂をつくりはじめます。
インスリンというのは、脂を作る名人なのです
。そこで、基準値を超えた血糖は、インスリンによって脂に変えられてしまうというわけ
です。
この原埋を上手に利用した薬として、いま評判になっている糖尿病薬ボグリボース
があります。
この薬をのむと、糖を腸から吸収するのを遅らせることができます。
食べ物
というものは、一○○○キロカロリーのものを食べれば、当然、一○○○キロカロリーが
吸収されます。
しかし、血糖値がなだらかに上がるのと、急速に上がるのとでは、脂のつ
くられ方がずいぶん違ってくるのです。
そのため、同じカロリーを食べても、糖の吸収を
なだらかにしてやれば、作られる脂の量が大きく異なり、太らないということになるわけ
です。
食事中に水を飲めば太ります、その原理を逆手にとって、水を使って痩せることも
できます。
相撲の「水入り」だとか、人が死ぬときの「死に水」だとか、東大寺二月堂の
「御水取」などのように、東洋人は水にいろいろな意味を持たせ、いろいろなことに使っ
ています。
それは、水というものを、一種のエネルギーと考えていたからです。
そのこと
について、私は若いころからいろいろと考えてきたのですが、結論としていえることは、
「水は一種のエネルギーである」というのは、医学的にも正しいということです。
水はノ
ンカロリーですが、その水を代謝するときには、けっこうなエネルギーを使います。
水を
吸収して排泄するという一連の作業のなかで、腎臓がかなりのエネルギーを使うのです。
ですから、空腹時に水をどんどんとると、新陳代謝が高まり、カロリーを消費させること
ができます。
ジュースやビールなどは、カロリーがあるのでかえって太る原因になります
が、水を飲むことが、ダイエットの促進になります。
私が指導したダイエットの経験から
いっても、食前三○分、食後は一時間はやめて、それ以外のときに毎日約ニリットルの水
をとることによって、二〜三キロはカンタンに減量させることができました。