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洋梨型とリンゴ型、白色脂肪と褐色脂肪







太ることはよくないことですが、そのなかにも危険な太り方とそうでない太り方の二種類 があります。

この二種類については、体型を見れば分かります。

上体が肥満しているりン ゴ型と、下半身が肥満している洋梨型です。

リンゴ型というのは、内臓に脂がたまってい るタイプであり、おもにお腹が膨れているので、丸いリンゴのように見えます。

それに対 して洋梨型というのは、お尻や太股などに脂がたまっているタイプです。

リンゴ型と洋梨 型では、成人病になる率や死亡率がまったく違っています。

どちらが、危険かというと、 リンゴ型のほうがはるかに危険です。

その危なさをはかる計算式というものがあります。

これは非常にカンタンで、ヒップでウエストを割るというものです。

男性と女性とでは多 少違っていて、男性は○・八以下、女性は○・七以下だと大丈夫です。

女性の場合は、お 産をするのでこのような数字になるわけですが、男女それぞれこの数字のなかに収まって いれば、ひとまず安心です。男女とも○・九を超えた時は、成人病の確率が非常に高くな ります。

洋梨型とリンゴ型は、皮下脂肪型と内臓型というようにも、分けることもできま す。

洋梨型は皮下に脂がたまる皮下脂肪型ですが、皮下に脂がたまってもさほど怖くはあ りません。

怖いのは、内臓に脂肪がたまるリンゴ型です。

なぜ、こちらのほうが怖いかと いうと、こちらのタイプは血管にも脂がたまっているに違いないからです。

よほどのこと がないかぎり、皮下脂肪によって死ぬことはありません。

しかし、血管が目詰まりを起こ せば、案外カンタンに死んでしまいます。

狭心症や脳梗塞、癌、脳卒中など、血管が詰ま る病気は、とても怖いのです。

皮下脂肪にしろ内臓につく脂肪にしろ、体内の脂肪という のは、脂肪をためる細胞である脂肪細胞のなかに中性脂肪というかたちでたまります。




◆そ の脂肪細胞には、二種類あるということが分かっています。

白っぽい自色細胞と褐色細胞 の二種類です。

この二種類の脂肪細胞は、ともに脂肪をためる性質があるので、どちらに 脂肪がたまっても同じように肥満になると思われがちですが、面白いことに最終的にはま ったく反対の結果になります。

白色細胞というのは、太っていくときの原因となる細胞で す。

その原因は二つあって、一つは数の問題です。

白色細胞の数は、二五○憶から三○○ 憶あるといわれていますが、太っていくときには、その細胞の数が増えていきます。

そう して、脂肪細胞の多い「過形成性肥満」(乳幼児や子供に多い)になってしまうわけです 。

もう一つは、白色細胞がパンパンに張っていって、細胞一つ一つのボリュームが増えて いくという事態です。

たとえ白色細胞の数が増えなくとも、一つ一つの細胞が倍に膨れ上 がれば二倍太るわけですから、これもかなり深刻な事態となります。

こちらのほうは「肥 大性肥満」と呼ばれていて、いわゆる中年太りに多く見られるタイプです。

その白色の細 胞の数がいつ決まるのかというと、三つの時期があるということが分かっています。




・お母さんのお腹から生まれてくる三か月前の妊娠末期

・生後一年余りの乳児期

・思春期




以上の三つの時期です。

ですから、白色細胞の数に関しては、本人に責任があるのは思春 期だけで、あとはほとんどお母さんに責任があるといえるでしょう。

それに対して、褐色 細胞というのは、体温を保つことに関係していて、脂肪を燃やすはたらきのある細胞だと いうことが分かってきました。

ということは、褐色細胞をどんどん増やしていけば、脂肪 がガンガン燃えて痩せていくという理屈になるわけですが、残念ながら現代医学では、ま だこれを増やすことはできません。

理論的には増やすことができそうであり、将来そのよ うなことができるようになるかも知れませんが、今はこれを活発に働かせるような薬もあ りません。

その褐色脂肪細胞については、体内のどこにたまりやすいかということが分か っています。

両脇の下、前胸部、うなじ(後頚部)肩甲骨の脇、背骨の脇の五か所に、褐 色細胞はたまりやすいわけです。

親が太っていると子供も太りがちですが、その統計を取 ると、両親が二人とも太っているときには、八○%の確率で肥満児となっています。

お母 さんだけが太っているときは六○%、お父さんだけが太っているときには四○%というこ とで、ここでもやはり母親の影響のほうが大きいということが分かります。両親が太って いる場合の肥満児のできる割合が八○%だということは、逆に見ると二○%は肥満児にな らないということです。

子供ですから両親と体質は似ているでしょうし、ふつうは一緒に 暮らしていて一緒に食事をするわけですから、食習慣も似るはずです。

それにもかかわら ず、二○%は肥満児にならないということは、生活の仕方を工夫すれば、かなりの確率で 肥満は防げるということです。

肥満というと、ふつうは身長に対する体重の割合だとか、 見た目などで決めがちですが、医者の立場からすると、それでは不十分です。

見た目には 痩せていても、内臓にかなりの脂肪がついている人などもいて、これなどは不健康どころ か、きわめて危険な状態であるといえます。

太っているか、痩せているかは、からだのな かにどのくらい脂肪がたまっているかをいちばんのポイントとすべきでしょう。

さらに、 ポチャッと太っている洋梨型ならば安心だけれども、血管が目詰まりしかねないリンゴ型 の場合は、かなり注意が必要だということです。






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