身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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ストレスによっても太る。
ダイエットの大敵は、「脂肪をつけようプログラム」だけではありません。
強いストレス
も、たいへんに手ごわい敵です。
強いストレスが入ってくると、私たちのからだのなかに
快楽物質という脳内モルヒネ系が減り始めます。
すると、からだはこれをなんとか補おう
とするわけですが、もっとも手っとり早い方法は食べることです。
食物を摂ることによっ
て、ストレスによる「嫌だなホルモン」を中和させようとするので、ストレス自体が肥満
のパワーになるわけです。
高いレベルの楽しみ、音楽とか美術などの芸術的なもの、ある
いはカラオケなどでもいいわけですが、一日一回五感を使って満足するようなものがない
人は、肉体の欲望系に頼りがちです。
肉体の欲望系というと、手っとり早いのが食欲や性
欲です。
それでしか欲望系を満足させ、モルヒネ系を手に入れることができない人は、こ
ればかりを追い求めることになりがちです。
そうなると、人間的に失うものが大きいこと
はいうまでもありません。
同じ欲望系でも、もう一段上の五感からくる世界、たとえば恋
愛感情というようなものが目覚めると、食欲だけに頼らなくなります。
女性など特にそう
ですが、恋愛感情が湧いてくると、身だしなみがきれいになり、雰囲気も変わってきます
。
そうして、食べることに夢中にならなくなります。
そのような女性が、突如、またして
も太りはじめたりすることがありますが、そのようなときはだいたいが失恋をしたときで
す。
失恋の痛手で、食事ものどを通らなくなる人もいますが、「やけ食い」ということで
、またしても食欲系に戻り、見事に太ってしまうわけです。
それならば、ダイエットのた
めにも恋愛をし続けるにかぎりるということになりますが、一生恋愛をし続けるなどとい
うことは、ほとんどの人にとって不可能でしょう。
恋愛感情的なものも、やはりほどほど
にしておかないといけない。
では、どのようなもので、欲望を満たせばいいのかというと
、恋愛感情のさらに上にある欲望系を探究していけばよいわけです。
それは、創造する喜
びや社会欲などですが、これだと一生を通じて求めてゆけますし、得られるモルヒネ系も
豊かなのです。
欲望には、さまざまな段階がありますが、高次な欲望のほうが分泌される
モルヒネ系は多いわけです。
たとえぱ、「貧しい人のなかでもいちばん貧しい人たちのた
めに一生を捧げる」という誓いを立てて、さまざまな人助けを行ったマザーテレサのよう
に、ボランティア精神に目覚めている人は、太っていません。
「貧しい人たちのために一
生を捧げる」というのは、高いレベルではありますが、これもまた一つの欲です。
そのよ
うな欲望は、肉体系の欲望よりも、はるかに人間には合っているのです。
その高次な欲望
に目覚め、これを求めはじめれば、生理的な欲求とか五感の刺激による欲望にこだわらな
くなります。
食欲や性欲、物欲などから、見事に抜け出せるわけです。そのような存在が
、じつは有徳の僧侶なのです。
出家というのは、「大いなる放棄」という意味であり、お
釈迦様のように、世間的な欲望のすべてを放棄して、ひたすら高次な価値を追求しはじめ
ると、見事に痩せはじめます。
ヨガの行者や仙人などもそうですが、高次な世界を知ると
、食欲を抑えるとか、我慢するまでもなく痩せていくのです。
なぜ、そのようなことにな
るのかというと、「高いレベルの欲望ほど、脳内モルヒネ系物質が多量に分泌される」か
らです。
高いレベルの欲に目覚めると、β−エンドルフィン系の脳内麻薬が大量に分泌さ
れ、セロトニンという物質の消費を抑えます。
セロトニンは、それ自体が脳内麻薬の一種
であり、食欲を抑える作用が認められています。
β−エンドルフィン系の脳内麻薬が分泌
されることにより、セロトニンの消費が抑制されて蓄積されることになり、そのセロトニ
ンが摂食中枢の食欲系を抑え、食欲を見事にコントロールしてしまうというわけです。
高
次な世界というと、まず最初に宗教的なことが思い浮かびますが、宗教に限ったことでは
ありません。
かつてのイギリスの貴族などもそうですし、現在のアメリカなどでも、エグ
ゼクティブと呼ばれているエリート・ビジネスマンに、肥満は見られません。
日本でも、
女優さんなど、みんなの注目を浴びるようになると、太らなくなります。
歌手のピンクレ
ディーもそうでした。
デビューのころは、まだポッチャリしていましたが、ヒット曲が出
るやいなやスルスルと痩せていきました。
食欲系よりもっと高い欲望系が目覚めると、脳
内モルヒネ系の分泌の内容が変わってきて、脳の中がそれまでとは異なってくるわけです
。
そうして、その脳の中の変化が、からだにあらわれてくる。
「体現する」という言葉が
ありますが、文字通り脳の中の変化を、からだが「体現する」するというメカニズムで、
結果的に痩せるわけです。
いまのダイエット・ブームの底流にあるのは、じつは生きかた
の問題なのです。
人間はどうあるべきか、いかに生きるべきかということを誰もが問うて
いて、その答えの一つが痩身(美しくやせたからだ)なのです。痩身というかたちで体現
された脳の状態であり、そのような脳の状態をつくりだした価値観や世界観、あるいは人
生観や宇宙観というものは、信用できるということなのです。