身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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魚にあるさまざまな効用
●お肌をスベスベにしたいなら
美しい肌をつくるためには、ビタミンAをとることが必要です。
肌荒れをはじめ、皮膚の
角質化などのトラブルは、Aの欠乏が関係している場合が多いのです。
ウナギ、アナゴ、
ホタルイカなどには、美しい肌をつくるためのビタミンAがたくさん含まれています。
し
かしビタミンAには、酸化して壊れやすいという弱点もあります。
せっかくAをとっても
、壊れてしまっては意味がありません。
そこで、Aの効力をより安定したものにするため
に、酸化をおさえる作用のあるビタミンEをいっしょにとることが必要です。
Eは植物油
、サツマイモなどのほか、魚ではアンコウのキモ、スジコ、脂肪分の多い魚類などに多く
含まれています。
●低エネルギーだからダイエット向き
ダイエットに励んでも、体を壊してしまうようでは意昧がありませんね。
エネルギーをお
さえながら、きちんと食べて、しかも1日に必要な栄養素もしっかりとりたいものです。
それには魚がいちばん。
例えば、若い女性の場合、1日に必要なたんぱく質は、60gく
らいが目安とされています。牛肉(サーロイン)なら約300g、マグロ(赤身)なら約
200gに含まれる量です。
これからエネルギーを算出してみると、肉は約1000kc
alですが、マグロは約300kcalしかないのです。
エネルギーは牛肉の1/3以下
で、しかも1日に必要なたんぱく質がしっかりとれるなんて、心強いではありませんか。
カニも低エネルギーなわりに、たんばく質が豊富でダイエット向きです。
毛ガニは100
gで82kcol、ズワイガニは68kcal。
同じ量の牛肉(サーロイン)の1/3以
下です。
海藻類もダイエットには欠かせない美容食です。海藻類は低エネルギーなのに、
ビタミン、ミネラルを含んだ栄養的によい食品。
アルギン酸などの食物繊維が豊富なので
便秘の予防にも効果抜群です。
アルギン酸はコンブやワカメなどのぬめりの成分で、消化
はされませんが、ねばねばした働きでコレステロールの吸収を防いだり、お通じをよくし
ます。
また、海藻類に多く含まれるヨウ素(ミネラルの一種)が欠乏すると、新陳代謝が
鈍くなり、肥満の原因になるともいわれています。
●貧血・冷え性によい魚
貧血は女性の悩みの種。貧血気味の体を改善するためには、鉄分やビタミンB12を多く含
んだ食品を食べなければなりません。
鉄分が豊富なのは、海藻類、マグロ・ブリなどの魚
の血合い肉、そして貝類です。
鉄分を多く含んだ食品というと、ほうれん草がまず思いつ
きますが、アサクサノリやヒジキなどの海藻類も、同じくらい鉄分の補給源として優れて
います。
赤身の魚は、時速80km以上で泳ぐともいわれているマグロを代表に、運動が
活発な魚たちです。
それだけ血液の循環も活発なので、血合い肉もたっぷりついているの
です。
血合い肉には血液が普通の肉よりたくさん集まっていますから、鉄分を効率よくと
ることができます。
ただし味にクセがあるので、ショウガやニンニク、酒などを使って調
理してください。
アサリ、シジミなどの貝類も、鉄分やビタミンに富んだ内臓までいっし
ょに食べられるので、貧血には効果があります。
冷え性には、ぜひ消化・吸収のよいウニ
やカキを試してください。
ウニやカキには血行をよくする働きがあるので、昔から強壮剤
として重宝がられてきました。
また、「ウニのこたつ要らず」という言葉もあります。海
女さんが冬の冷たい海に潜って平気なのも、ウニをよく食べているからだともいわれます
。ウニやカキを食べて、冷え性を撃退しましょう。
●頭がよくなる魚
かつては安っぽい大衆魚とされていたイワシ。
しかしイワシをはじめ、マグロ、サンマ、
サバなど、背の青い魚が最近注目を集めています。
これらの魚の脂肪に含まれるDHAが
、脳の発達と切り離せない関係にあることが明らかになったからです。
脳細胞の形成され
る胎児の時期に、母親にDHAが不足していると、脳の形成に影響を及ぼすともいわれて
います。
しかし、裏を返していえば、母親がイワシなどの背の青い魚をしっかり食べてい
れば、胎児の脳の発連によいということ。
最近ではDHAは粉ミルクにも添加されるよう
になりました。
脳細胞の数は生まれたときに決まっていて、あとは壊れて数が少なくなっ
ていくだけだといわれます。
しかし生まれた赤ちやんと、大人を比べると、脳の重さは3
倍以上にもなっています。
脳細胞は、数は増えませんが、神経細胞のネットワークを拡大
しながら、どんどん成長するものなのです。
脳細胞は、このように一生を通じて発達成長
していくので、DHAは胎児の時期ばかりでなく、一生を通じて必要な成分なのです。
体
にも頭にもおいしい、イワシやマグロ、サンマ、サバなどを食べて、頭脳関発に励みまし
ょう。
●若返りにはこの魚
高齢なのに、背筋もピンとして肌のつやもよい人を見ることがあります。
年をとるという
ことと老化は、単純にイコールではないのかもしれません。
逆にいうと、年齢はまだ20
代、30代なのに、体のほうはすでに老化しているというケースも考えられるわけです。
老化の現れの1つに、肌のつやがなくなるということがあります。
ビタミンEは老化を予
防する、若返りのビタミンです。
Eの酸化をおさえる作用が、肌をはじめとした細胞の老
化を防止します。
細胞が酸化すると、老廃物の排出が低下してしまうので、肌のきめがな
くなったりします。
こうした肌の老化を防ぐためにも、Eは不可欠の栄養素なのです。ま
た肌を健康に保つビタミンAには、酸化しやすいという性質があり、Aがその本来の働き
を発揮するためにも、Eの酸化をおさえる作用が必要になってきます。
Eがそれ自体で老
化を防止するとともに、Aの働きを安定させるので、肌のつやがさらに若々しく保たれる
というわけです。
このように、若々しい体を保つためには、Eは欠かせないビタミン。E
が豊富なのはアンコウのキモ、スジコ、意外なところでは缶詰(油漬け)のシーチキン。
缶詰のシーチキンには、Eの豊富な植物油が使われているため。
魚を調理する場合、植物
油を使ってムニエルにしてみるのもいいですね。
ニシンなどに豊富なミネラルの1種セレンにも、ビタミンEと同じ若返りの効果があると
いわれています。
●成人病の予防にこの魚
毎食のように魚を食べている漁村の人間には、脳卒中や心筋梗塞などの成人病が少ないと
いわれています。
調査をしたところ、漁村に住む人の尿には、農村に住む人より塩分が多
く含まれていたそうです。
魚に含まれるミネラルであるカリウムに、高血圧の原因となる
塩分の排泄を促す効果があるのです。
もう一つ忘れてならないのは、IPA、DHAなど
、魚に含まれる不飽和脂肪酸の働きです。
これらの成分は、血栓をできにくくして、血液
をサラサラにします。
IPA、DHAの豊富なイワシ、サンマ、マグロなど、背の青い魚
を食べることが、脳梗塞、心筋梗塞などの血栓症の予防につながるのです。
タコ、イカ、
貝類などに含まれるタウリンにも、コレステロールを分解したり、血圧を下げる効果があ
ります。
酒飲みにはアサリやシジミなどのみそ汁がいいといいます。シジミのたんぱく質
の質のよさは、最も埋想的なたんぱく質である卵の白身に匹敵するもので、消化吸収がよ
く、肝臓に負担をかけません。
またシジミ、アサリには肝臓の代謝を活発にする、グリコ
ーゲンもたくさん含まれています。