介護予防
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口を開けてくれない患者さんには
どうしたらよいのでしょうか?
まず開口障害がないことを確認しなければなりません。
なかなか難しい問題なのですが,あくびをするときの様子を観察すると見当がつきます。
長く接していると,ほとんどの患者さんであくびをする場面を目撃することができます。
@あくびのときは,開口するのにそれ以外のときは口を開いてくれないのか,
Aあくびのときも開口しないのかをよく観察してください。
Aであれば開口障害があり,顎関節や筋肉などに問題がある可能性がありますので,
口腔外科や神経内科などの専門の先生に診察をお願いして,対応を考えなければなりません。
もし@あくびのときは十分開口するのに,その他のときは開口しないということであれば,
舌圧子を左右どちらかの奥歯の間に滑らせるように入れて,
臼(歯)後三角最後部内側の点(図の)のあたりを軽く刺激してみてください。
ここは開口反射を起こすポイントで,うまく刺激すると開口反射が誘発されて口が開きます。
当院の言語療法上である小島下枝子さんが発見して,当院ではKポイントと呼んでいます。
これまで開口してくれないために口腔ケアもできず,
苦労していた患者さんを次々とこの方法で開口させることに成功しています。
口腔ケアも楽になるとともに,摂食訓練も可能となります。
おもしろいことにKポイントを刺激した後は開口するだけでなく,
もぐもぐゴクンと口腔期から咽頭期の嚥下までが引き続いて起こります。
どういうメカニズムでそうなるのか,現在検討しているところです。
いずれにしても,開口障害がないにもかかわらず口を開いてくれない患者さんには
有効な方法ですので,試してみてください。
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