介護予防
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丸飲みなのですぐに食事が終わってしまう人がいます。








患者さんだけでなくわれわれ日本人は食事時間が短いとよく指摘されます。

よくよく考えてみると,自分自身あまり噛まずに飲み込んでいることに気づきます。

それでも嚥下力が強いのでほとんど問題が起こりませんが,

高齢者や嚥下障害のある人ではゆっくり食べれば安全なのに,

急いで食べるために失敗する場合があります。

介助者がつねにそばで注意していればよいのですが,離れるとだめということもあるでしょう。

若いころの習性とともに,ペ一シング障害(ゆっくりした食べる速度を守れない)

があると考えることができます。

対処法は次のとおりです。



@時間をかけてゆっくり食べる訓練をする

A噛む回数を決める

(たとえば15回噛んでからゴクンをするなど:最低でも10回は噛んでください)

B一度にすべての食品を出すのではなく,少しずつ時間をずらして配膳する

C食べ物を細かく分けておく

D小さいスプーンを用いる



とくに高齢者は摂食・嚥下障害が出る前からゆっくり食べるように指導しておくことが大切です。

肥満体質の人にゆっくり,よく噛んで食べる指導をしたら少量で満腹感が得られるようになり,

体重が減少したという経験もあります。

このようにゆっくり食べることの意義はいろいろあると思います。






症例

20歳,男性:びまん性脳損傷(交通事故)

事故の後約2か月意識障害が続き,四肢麻痺,記銘力障害,先見当職,構音障害がありました。

気管切開で急性期の管理を行い,3か月ぐらいまでは嚥下障害(仮性球麻痺)

による誤嚥を認めましたが,急速に嚥下機能は改善しました。

全く問題ないと思っていたところ,ある朝,食事中に窒息し,

あえいでいるところを看護婦さんに発見されました。

背中をたたいて,指でかきだしたところ,リンゴとゆで卵の大きな塊がのどから出てきました。

認知障害があり,日ごろガツガツ食べていたので,

この日も丸飲みに近い状態でリンゴと卵を食べてのどにつまらせたものと思います。

その後1人のときはきざみ食を出すようにし,

監視できるときは声をかけながらゆっくり常食を出すことで問題なく経過しています。




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