介護予防
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唾液が飲み込めずにぺっぺと

出す人がいますがなぜでしょうか?








唾液が飲み込めずに口から出てくるのには二つの状態が考えられます。

一つは口の動き,舌や口唇の動きが悪くて唾液が飲み込めずに流涎(よだれ)

となって流れ出てしまう状態です。

これは脳卒中の仮性球麻痺患者(Q3)で多く見られる症状です。

また痴呆症やうつのときにも流涎(よだれ)が多くなることがあります。

もう一つは球麻痺(Q3)と呼ばれる状態で,

嚥下運動自体がきわめて不完全にしか起きないときに見られます。

話せて,歩けるのに食べたり飲んだりできなくて唾液をぺっぺと出してばかりいる患者さんです。

また,食物は食べられるのに唾液だけが飲み込めなくてつねに出してしまう患者さんもいます。

このように唾液だけが飲み込みにくいのはどうしてでしょうか?

これは名古屋の棚橋汀路先生に教えていただき自分の患者さんで確認した事実ですが,

唾液は軽くて嚥下しにくい物質なのです。

粘稠で空気を含んでいるために唾液は水に浮かびます。

球麻痺の患者さんは飲み込む力が弱くて嚥下するときに重力を利用する方法

(教えてもらっている場合も,自然に自分で会得している場合もあります)

をとっていることが多いのですが,

唾液は軽いために飲み込むことが難しくて口からぺっぺと出しているというわけです。

残念ながら対策としていまのところ良い方法はありません。

唾液を減らす方法や,訓練をしてゆっくり嚥下力をつけていくわけですが,

無理して出さないようにすれば苦しく危険でもありますから,

病態をよく理解して出していても仕方ないと思ってください。

「唾液は軽い」という健常な私たちには全く問題にならない些細な事実が,

患者さんにとっては重要な問題になります。

軽いといっても時間がたてばゆっくり下に落ちていきますから,

夜間などはのどにたまった唾液が次第に肺に入って誤嚥される危険があることは

いうまでもありません。




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