介護予防
Welcome
Welcome




食べるときはどんな体位をとればよいのでしょうか?








実際の摂食場面では体位が重要となります。

嚥下に問題のない人では食べ慣れた姿勢が一番長いと思います。

「生活リハビリ」の先生方は高齢者および痴呆患者さんを

ベッドで食べさせることの弊害を強く主張されておりますが,

全くそのとおりです。

嚥下障害のない方がむりやり毎日ベッドで食べさせられたら,

おいしくないし食欲もなくなってしまうでしょう。

むりやり食べさせられて食事が嫌いになったり,

ひいては拒食が始まる場合もあります。

家族と一緒に食卓で,またみんなと一緒に食堂で楽しく食事をしたいものです。

しかし,以下は明らかに摂食・嚥下障害のある患者さんについての話としてお読みください。

食物の取り込みや送り込みに障害がある患者さんやむせがひどい場合などは,

次の方法をお薦めします。



@体幹30度仰臥位をとる

A頸部を前屈させる

B麻痺がある場合は麻痺側の肩に枕をあてがい,やや健側を下にした軽度側臥位にする

C介助者は健側に立つ(健側から介助することで,

患者さんの注意を食事に集中させることもできる)



食物の取り込みや送り込みに障害がある患者さんの場合は,

起きていたのでは口からぽろぽろとこぼれ出て食べられません。

30度仰臥位をとれば重力が利用できて,取り込み,送り込みに有利となります。

また,気管と食道の関係は,気管が前で食道が後ろに位置しているので,

仰臥位をとれば気管が上で食道が下になります。

解剖学的に誤嚥が起こりにくくなります。ただし,

大量に口に含ませれば重力が作用して咽頭に落ち,

窒息や誤嚥につながる危険があることも考えておかなければなりません。

少量ずつ摂取・嚥下してください。

頸部を前屈するのは誤嚥を予防するためです。

額部が伸展していると,咽頭と気道が直線になり,気道が開いて誤嚥しやすくなります。

頸部を前屈すると咽頭と気道に角度がついて誤嚥しにくくなります。

また,頸部を前屈すると頸部の前に集まっている嚥下筋がリラックスして

有効に嚥下に利用されるようになります。

30度ベッドアップは実際に測定してみると,かなり起きているので注意してください。

なお,円背(ねこ背)の強い方では角度を下げる(20度など)必要があります。

嚥下がスムーズにできるようになったら徐々に体幹角度をあげていきます。

60度になると普通の食事をする体位に近い感覚となるでしょう。

介助者は健側に立ちます。健側から介助することで,

患者さんの注意を食事に集中させることもできます。

介助者は自分で実際の体位を試してみることをお薦めいたします。

患者さんの気持ちや食べやすさ,食べにくさなどがよく理解できます。

30度仰臥位・頸部前屈は慣れればかなり楽な姿勢であり,

重役さんが安楽椅子に腰掛けてコーヒーを飲むといった優雅な雰囲気さえあるものです。

介助でなく自分で食べることも可能な姿勢です。




左側のフレーム内にmenuが表示されている場合は、
使用しないで下さい。
TOPに戻る