介護予防
Welcome
Welcome




嚥下造影とはどんなものですか?








食べ物を飲み込むとき,

口・・・のど(咽頭)・・・食道・・・胃へと食物が運ばれる様子は,

外から観察しただけではよくわかりません。

のどに残っているかもしれませんし,

肺のほうへ入っている(誤嚥している)のにむせないだけかもしれません。

そこで,レントゲンに写る食べ物(バリウムを入れたゼリーやクッキーなどの模擬食品)を

食べてもらってその通過状態を検査する方法が嚥下造影です。食物の誤嚥について

は臨床的な観察には限界があり,嚥下造影がもっとも検出率が高いといわれています。

胃の集団検診のときにバリウムを飲んだ経験のある方もいらっしゃると思いますが,

基本的には同じ方法です。

ただし,嚥下障害の疑われる方にいきなりバリウムをゴクンと飲んでもらうことはたいへん危険です。

そこで少量(0.5〜1ml)から少しずつ量を増やし,安全に飲み込める量はどのくらいか?

誤嚥のない体位や飲み方を確保するにはどうしたらよいか?

いちばん適切な食物の形態は何か?

などを工夫しながら慎重に検査をすすめます

(詳細な検査法は拙著『脳卒中の摂食・嚥下障害』(医歯薬出版)をご参照ください)。

食物の通過状態だけでなく,舌や咽頭など嚥下にかかわる組織の動きや,

形の異常を合わせて調べます。

腫瘍など重大な病気が発見されることもあります。

動きは速く,食べ物は一瞬のうちにのどを通過してしまいますので,ビデオに録画しておき,

後で再生してスローモションで見たりして詳しい分析を行います。

レントゲン透視装置さえあれば普通の病院で行うこともできます。

それほど特殊な検査ではありませんが,意外と普及していません。

しかし,本格的に嚥下訓練を始めようと思ったらぜひとも必要な検査ですので

もっと広く行われるようになることを願っています。

検査結果はその後の訓練にたいへん役立ちます。

必要に応じて患者さん自身やご家族にも見てもらうと効果的なことがあります。

なお被曝は,通常の人間ドック,胃透視よりも少ないレベルであまり問題にはなりませんが,

なるべく少なくするのにこしたことはありません。嚥下造影が必要な人に最低限の検査を行うことが,

医学に許されていることです。

誤嚥の危険と被曝の危険を比べてどちらを選択することが

この患者さんのためになるかを考えて検査をすすめています。


左側のフレーム内にmenuが表示されている場合は、
使用しないで下さい。
TOPに戻る