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ダンベル体操で血圧が安定した。
高血圧は、中高年に達した多くの人々が悩まされる健康問題である。
若者時代には正常だ
った血圧が、中高年になって上昇する主因は、動脈硬化が進むことにあることは常識とな
っている。
血圧の上昇は老化現象の一つといわれるのは、そのためだ。
高脂血症が動脈壁
への脂肪やコレステロールの沈着を促して、動脈硬化を進めるわけである。
筋肉の減量と
代謝活性の抵下による脂肪分解力の低下が、基本的に老化に伴う血圧上昇の原因となる。
しかし、血圧が上昇する原因はその他にもいろいろある。
交感神経活動に伴って放出され
る神経ホルモンのカテコーラミンによって、血管は収縮し血圧が上昇する。
そのカテコー
ラミンに対する血管の感受性が高まれば、血圧は上昇したままになる。
食塩の過剰摂取に
よって、血管内の水分が増量して血圧が上昇する。
したがって、高血圧の一部が塩分の制
限で解消する。
しかし、これはあくまでも高血圧のほんの一部に認められることにすぎな
い。
腎臓の機能が低下するために、体内水分が増量して血圧が上昇する。
精神的に興奮し
ても血圧は上昇するが、人をはじめとする環境要因に対して常に過敏に反応して交感神経
活動を刺激すると、血圧は高まる。
その他、血圧を上昇させるホルモンや物質の関与など
、血圧上昇の原因はさまざまあるが、ダンベル体操を実行して、いとも簡単に血圧を安定
させた人々は多数いる。
宮崎市在住の65歳の女性は、220/105mmHgの高血圧
に数年間悩まされた。医師は降圧剤を投与したが、血圧は安定化しなかった。
苦しまぎれ
に医師はこのおばさんに、ウォーキングをして少し汗を流してみてはどうかと言った。
し
かし、間もなく腰を痛めてウォーキングを中止した。
1996年1月になって、この女性
はNHKみやざき文化センターのダンベル教室に通い始めた。
すると2週間で血圧が11
5/78と正常化し、体重も3.5kg減った。
腰痛も消えた。
たった1kgの鉄アレイ
を持って、一日15分のダンベル体操と、壁に両手をついての立ち腕立て伏せ運動50回
を実行しただけである。
医師は、あまりにも見事に血圧が正常化してしまったので、「何
をしたんだ?」と尋ねた。
「いえね、立ち腕立て伏せとダンベル体操をしただけですよ」
と答えたところ、「薬を止めなきやいかん」と慌てたという。
2週間の超特急で高血圧を
解消してしまうメカニズムは、どのようなところにあるのか不明である。
しかし、同様の
現象があちこちで認められていることをみれば、ダンベル体操の血圧安定化作用は多くの
タイプの高血圧に対して発揮されるらしいと考えられる。
事実、同じNHKみやざき文化
センターにおいて、腎臓の機能が悪いために高血圧に悩まされ、定期的に利尿剤をもって
血圧を調節してきた48歳の女性の場合も、1kg、15分のダンベル体操を1ヶ月実行
して、血圧を正常化してしまったという。
この作用のメカニズムも不明であるが、腎性高
血圧にもダンベル体操は効果を示すという事実として興味深い。
ダンベル体操で高血圧が
治まったという事例が、医師自身によってもえられている。
沖縄県のスポーツ医学研修会
でお会いした若い医師が、自分の体験として教えてくれた。
高血圧は、中年、熟年の人々
が悩まされる健康問題の中でも主要なものの一つである。
その高血圧の改善にダンベル体
操が役立つという事実が、どのような埋屈によるのかを解明する努力が始まってもよさそ
うだ。