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ダンベル体操で、

20年悩まされた高中性脂肪血症が解消した。








40歳代に入ると筋肉が減り始め、筋肉のエネルギー代謝活性も抵下するため、血中の脂 肪の筋肉による取り込みが悪くなって高脂血症にかかりやすくなる。

血中の脂肪を取り込 んでこれを減らすのに働くのは、筋肉のほかに脂肪組織がある。

筋肉が全身にあるのと同 様に、脂肪組織も皮下や腹腔内と全身に分布している。

しかし、血中の脂肪の取り込み量 は、筋肉で全体の70%前後と最大である。

したがって、筋肉が減弱化して血中の脂肪取 り込み能力を落としてしまうと、高中性脂肪血症、高コレステロール血症、そして高脂血 症をおこしやすくなる。

和歌山の高校教師のSさん(男性)は40歳代に入った頃から血 中中性脂肪レベルが400mg/dlを超える高中性脂肪血症にかかり、それが50代後 半には800mg、校長で定年を迎えた60歳のときには、ついに1400mgと、天井 値を示した。

この間、医師はサイクリング、水泳、ジョギングなどの運動をするようにア ドバイスし、食事も1800キロカロリーに抑えるよう指導した。

しかし、20年間、血 中の中性脂肪レベルは一つも改善することがなかった。

そして60歳でl00mgが出た とき、医師は次のように宣告し、この先生を見放した。

「あなたは血栓をつくって死ぬよ り、生き方はない・・・」




この人のケースは、従来、多くの人が信じていること、すなわ ちジョギングや水泳などのエアロビックス運動は、血中の中性脂肪やコレステロールを正 常化する作用を持っている、という常識が、必ずしも確実なものではないことを示してい る。

もちろん何事もやり方次第ではあるが、Sさんは教師であり、どの運動にも手抜きを せず、真剣に取り組んでの結果であることを考えなければならない。

さて、医師からも見 放されてしまったところで定年を迎え、一体どのようにしたらいいのか思案に暮れていた とき、NHK・TVのダンベル体操が目に入り、さっそく5kgのダンベルを求めて、毎 日15分のダンベル体操を実行してみた。

その効果は確実に現れ、半年後、次の検診で血 中中性脂肪はついに20年ぶりに150mg/dlという正常値に戻っていたのである。

合わせて基礎体力もアップしたため、退職記念で出かけたスイス・アルプスの旅でも、運 動靴をはいて疲れることもなくユングフラウヨッホまで歩けて、誠に快調であったという 。

ダンベル体操はその後も毎日続けており、合わせて水泳も続行中とのことであるが、血 中中性脂肪レベルはその後2年間、150〜200mg/dlの正常域を維持していると いう。

振り返って、ジョギング、水泳のようなエアロビックス運動の専売特許であるかの ようにいわれてきた血中脂肪の調節作用が、必ずしも確実性を持ってはいないのに対して 、TVを見たくらいの情報で実行したダンベル体操が、このように確かな作用を見せるこ とに注目することが大切である。

これは、従来、研究室などの調整された実験条件の下で えられた〃科学的な研究〃の裏付けをもらったはずのエアロビックス運動の健康作用が、 一般人の条件が整わない実生活状況下では、威力を発揮できないことを示すものである。

それに対して、ダンベル体操は、本を読んだ程度の〃いい加滅〃なやり方でも、健康作用 を確実に示すことができるというわけである。









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