身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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トマト
◎ナス科
◎年中出回っているが、おいしいのはやはり夏。
◎明治のころは「ア力ナス」といわれ、洋食に使われていた。
健胃/消化促進/二日酔い/胃炎/胃酸過多血圧降下/動脈硬化/肝臓
病/美肌/抗癌作用
●抗癌作用のリコピン
トマトの赤みにはリコピンという色素によるものだが、この色素のも持
つ抗癌作用が最近注目を集めている。
完熟トマトにはさらに話題のB・カロチンも含まれており、成人病予防
に効く。
●長く保存してもトマトのビタミンCは減らない
トマトは南米ペルーが原産のナス科の野菜です。
16世紀にイタリアに
渡って、ソースの材料として使われるようになったのがきっかけで、
ヨーロッパに広まりました。
日本にも江戸時代にはすでに入っていまし
たが、当時は実を鑑賞するのが目的で、食用として用いられるようにな
ったのは明治以降のことです。
和名も、はじめは唐柿。それが珊瑚樹な
すとなり、赤なすと変わりました。
品種には薄赤く(黄色く)熟す桃色
トマトと、まっ赤に熟す赤色トマトがあります。
従来日本で食べられて
いたのは桃色トマトで、赤色トマトのほうは、もっぱらケチャップや缶
詰など加工用に使われていました。
しかし最近では、赤色トマトも生食
用として人気を呼んでいます。
赤色トマトは、桃色にくらべると皮がか
たく、果肉が練密で甘みも強いのが特徴です。成分の主なものは炭水化
物で、食物繊維のペクチンを多く含んでいます。
甘みの主成分は蔗糖
(しょとう)で、酸味の中心はクエン酸、リンゴ酸など。ビタミンは、
A、B1、B2、Cがあり、とくにCは貯蔵しておいてもその量はほとん
ど変わりません。
鉄、リン、カリウムなどのミネラル類のほか、頭の働
きに必要なアミノ酸、血管を丈夫にするルチンも含んでいます。
●青々としたへたは鮮度の高いしるし
トマトは一年を通じて出荷されていますが、旬はやはり夏。
とくに7〜
8月、店頭に並ぶ露地もののトマトは、ハウスものにない自然の味が魅
力です。鮮度はへたで見分けます。
緑色でピンとしているものを選びま
しょう。しおれていたり、黄色くなっているものは鮮度が落ちた証拠で
す。皮につやがあり、丸みがあってよく張っているものが良品。
形が角
張っているものは、中に空洞ができていることがあります。
ラップをして冷蔵庫で保存しますが、青みの残っているトマトは、室温
に置けば自然に熟れてきます。
●脂肪の消化を助け、胃病を防ぐ
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざが西洋にはあり
ます。
トマトを食べていれば病気にかからないという意味ですが、昔か
らそれほど広く庶民の間に、健康野菜として知られていたのです。
薬効
としてまずあげたいのが、健胃作用です。
これも西洋のことわざですが、
「トマトのある家に胃病なし」というものがあります。
ふだんから常食
していれば、胃の病気にはかからないというわけです。
これは、脂肪な
どの消化を助ける成分(ビタミンB6)が含まれているからで、肉料理の
ときに生のトマトをいっしょに食べると、胃の負担を軽くしてくれます。
●胃が疲れたら、トマトジュースを
それだけではなく、夏場、体がバテて食欲が不振のときや、2日酔いで
胃の調子が悪いときなどにも、トマトは効力を発揮します。
そういう場
合、いちばん手軽なのはトマトジュースを1本飲むことでしょう。
さわ
やかな酸味が胃をスッキリさせ、食欲を増してくれます。
また、トマト
ジュースは弱った胃の粘膜を保護する働きもします。
胃炎、胃酸過多の
傾向の人は、トマトのしぼり汁とじゃがいものしぼり汁を半々にまぜ合
わせて、毎朝タ、飲むようにすると、いっそう効果的です。
●肌にうるおいを与え、肌あれを防ぐ美容効果
トマトに含まれているルチンは、ビタミンCとともに血圧を下げる作用
があります。
ルチンとCをともに含むトマトは、高血圧の人にはうって
つけの野菜といえるでしょう。
毎朝、空腹時に1〜2個食べることによ
って、高血圧の改善に効果が見られます。また、トマトには血液を浄化
する効力があるといわれ、そのため動脈硬化や肝臓病にもよいとされて
います。
もうひとつ忘れてならないのは、美容効果です。トマトには、ビタミン
H、Pといった、変わった成分が含まれています。
ビタミンHは、皮下
腺の働きを促進して肌あれを防ぎますし、ビタミンPは、毛細血管に働
いて皮膚に栄養を送り届ける役目をします。
また、トマトに含まれるビ
タミンB6には皮膚病をなおす効果もあり、これらのビタミンが総合され
て、美しい肌を保つのに威力を発揮するわけです。
トマトを主体とした
ジュースを毎朝たっぶり飲むことで、美容効果は十分現われますが、同
時に外用として用いれば、いっそう効果的です。
しぼり汁で洗顔するの
が、いちばんてっとり早い方法です。さらに効果を高めたい場合は、プ
レーンヨーグルトにトマト汁を適量まぜ合わせ、顔をパックするといい
でしょう。
1週間もつづけると、肌にうるおいが増してくるのがわかり
ます。
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