生活習慣病
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肝硬変
食事療法の基本方針
◆代償期の食事
偏食を避け,バランスのとれた食事を続けます
この代償期においては,肝硬変症には移行しているが,なお肝臓はそれほど萎縮せず,腹
水もたまっていないような状態にある場合で,このときには,食事に特別な制限は必要あ
りません.
この病態は,5年,10年,20年と長期にわたることが多いので,できるだ
け偏食を避け,三大栄養素とビタミン,ミネラルが過不足なく,バランスよく組み合わさ
れている食事を根気よく続けることが大切です.
◆非代償期の食事
◆腹水のたまるとき・・・容量の少ない食事を心がけ,塩分を制限します
腹水がたまるようになりますと,腹部膨満感や食欲不振のため,どうしても栄養のとり方
が偏りがちです.
このためなるべく容量が多くない献立を選ぶべきで,おかゆなどより米
飯やパンのほうが適しています.
塩分は1日4〜7g程度に制限します.塩分はできるだ
け制限するほうが,腹水をたまりにくくする効果がありますが,あまり制限を強くすると
,食事の味が悪くなり,それでなくても,腹部膨満や食欲不振で悩む患者には,非常に食
べにくいものになってしまいます.
その結果,食べ残しが多くなり,必要な食事量がとれ
ないようでは,かえって状態を悪くさせます.
最近ではよい利尿剤がいくつか開発されて
いますから,以前ほど厳重な食塩制限は必要でなくなったといえます.1日3g程度に食
塩制限をすると利尿剤を使用しなくても腹水の改善がみられますが,実際には1日5〜6
g程度摂取すると食べやすくなります.
◆水分は尿量をみながら1日1g前後に.退院後の塩分は7gを目安に
水分制限もある程度必要であり,尿量をみながら,1日1g前後に保つようにします.
安
静と食事管理のみでも10〜20%の肝硬変患者で腹水は消失するという報告もあります
.
入院中の食塩量は4〜7gとし,退院後には7gを目安に管理します.
浮腫,腹水の急
性期には,食事が十分とれません.
したがって,たんぱく質も不足し,アルブミン製剤に
依存することがありますが,状態が落ち着いてきたら,しだいにより多くのたんぱく質を
摂取できるよう,嗜好も取り入れながら食事の管理をしていきます.
◆上部消化菅出血と肝性昏睡時の食事
出血時は絶食を,徐々に流動食から軟菜食へ
肝硬変症では,食道や胃に静脈瘤ができ,これが破れて出血(吐血または下血)すること
が少なくありません.
このような場合は,2日間ぐらい絶食にし,その後,状況に応じて
,流動食からしだいに,かゆ,軟飯へと進めていきます.
この時期には,たんぱく質はで
きるだけ生物価の高いもの,すなわち牛乳や牛乳製品,卵などから始め,豆腐,鶏肉,赤
身肉,挽肉など,病状に応じて加えていきます.
たんぱく質の量は,はじめ20〜30g
,次に40〜50gに増していきます.
昏睡から目覚めたとき,あるいは昏睡が3日以上
続くとき上部消化管出血のあとでは,腸内の凝血が腸内細菌のために分解され,アンモニ
アが多量に生成されて患者の意織がおかされ,多くは昏睡に陥ります.
このほかに,腸管
からの血液が肝臓を通らずに他の側副血行路を通って心臓へ循環する血液の率が多くなっ
ている場合や,肝障害が著しく高度で肝不全の状態に陥っている場合には,たんぱく質の
食べ方が少し多いとか,便秘や腸内の異常発酵などで意識障害が起こり,奇妙な行動をす
るようになってさらに増悪し,昏睡に陥ります.
昏睡中の患者には,無たんぱく食とし,
糖質を補給し,昏睡が覚めるかあるいは昏睡が3日以上も続くときには,たんぱく質を2
0gぐらい与え,2〜3日ごとに漸増します.エネルギーは,約1600kcalぐらい
でよいでしょう.
肝硬変の調理にあたっての留意点
◆吸油量の多いてんぷらやフライは避け,炒め物にはテフロン加工のフライパンを利用しま
しょう
◆揚げ物,炒め物,ドレッシングなどは控えめにします.
とくに揚げ物のうち,吸油量の多いてんぷら,フライは避け,素揚げか衣の薄い空揚げを少量に留めます.
◆炒め物には,テフロン加工のフライパンを用いると,油脂量が少なく調理できます.
◆サラダにはノンオイルドレッシングやポン酢やレモン汁を
サラダには,ノンオイルドレッシングやごま油を少量用いた中華ドレッシングやポン酢,
レモン汁などを利用します.
◆肉や生揚げなど脂質を含む食品は,湯通ししたのち調理するとエネルギー量を減らすこと
ができます.
◆いろいろな調理法を組み合わせて.味の付いた主食は控えめに
煮る,蒸す,茄でる,焼くなどさまざまな調理法を組み合わせることによって,油脂を使
わずにすみます.
すし,丼物,カレー,めんなどの味の付いた主食は,過食しやすい為、
食べる頻度を少なくします。
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