生活習慣病
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便秘
食事療法の基本方針
弛緩性便秘
(腸の働きが鈍いために起こる)
◆朝食は抜かない
朝食は,排便のメカニズムを機能させるうえでもっとも大切なので,朝食は抜かないよう
にします.
また,朝食だけでなく,一日三食,規則正しく食事をとることは,自律神経の
活動をリズミカルな調和のとれたものに慣らしていくためにも大切です.
◆食物繊維は1日20〜30gを目標に
野菜など食物繊維を多く含んだ食品を多く摂取することによって糞便が増え,腸の蠕動運
動が高められて,排便が促されます.
◆油脂類は1日10〜15gを
油脂に含まれる脂肪酸が腸を刺激して,排便をスムーズにさせます.
◆飲水量は1日1.5〜2.0g
この量は1日コップ8〜10杯ぐらいの相当量になります.
水分は糞便量を増やすととも
に軟らかくする働きがあります.さらに起床後の冷水は腸を刺激して,排便を促します.
痙撃性便秘
(腸の運動が強すぎるため便が通過しにくくなって起こる)
◆腸の緊急亢進の抑制をはかるため,次の点に注意します.
◆刺激性食晶は避けます
香辛料,揚げ油などはとらないようにします.
◆食事内容は高繊維・抵残渣に
食物繊維のうち不溶性のものは避け,水溶性(いも類,果物,海藻類)とします.
水溶性
の食物繊維は,胃の中で撹拝されるとゼリー状になり,残渣も少なくなります.
低残渣食
食事療法の基本方針
◆低残渣食とは
吸収不良症候群や潰瘍性大腸炎のような疾患には低残渣食を必要とします.
低残渣食とは
,食事中の繊維成分を抑え,消化管に負担をかけないように調整した食事のことです.
日
常の食事で,消化管にもっとも負担をかける成分は食物繊維です.
食物繊維は,水分や有
機成分を吸着,保持し,ゲル化して糞便を増やします.
したがって,低残渣食は,1日の
食事のなかで平均17g前後摂取している食物繊維を3g以内に制限することが基本です
.
ほかに,脂肪の多い食品,発酵しやすい食品,刺激の強い食品,極端に冷たい食物など
は,消化管に負担をかけるので避けることが望ましいでしょう.
便秘(弛緩生)調理にあたっての留意点
痙彎性便秘は,弛緩性便秘とほぼ正反対の食事療法なので,便秘の90%を占める弛緩性
便秘を中心に,食事方針においてもっとも重要な食物繊維を多くとるための食品選択や調
理にあたっての留意点を述べます.
◆穀類・・健康時のように,主食は白米飯やうどん,食パンでよいのですが,食物繊維がと
りにくかったり,便が硬いときは便が軟らかくなるまで,オールブランやライ麦パンを1
日1回40〜60g摂取するとよいでしょう。
押麦,胚芽米,そばもかまいません.とう
もろこしは催便性があります.
◆いも類・・いも類ならすべて,また,こんにゃくも適しています.
大学いも,焼きいも,
ベークドポテトのように皮ごと食べたり,ポテトチップのように半乾燥したような調理方
法は,より多くの食物繊維がとれます.
◆果物・・好適食品です.とくに干しぶどう,干し柿,バナナやあんずの乾果には繊維が多
く含まれています.
食べ方として,みかんは袋ごと,りんごは皮ごと食べるとよいでしょ
う.また,プルーンは有効な緩下剤です.
◆動物性たんぱく源である魚,肉,卵は食物繊維がほとんどありません.
しかし,下剤作用
をもつ油を利用し,魚肉はてんぷらやフライに,卵はスクランブルエッグにするとよいで
しょう.
また,燻製食品には催便性があります.
これに対して,植物性たんぱく食品の豆
類,おから,糸引き納豆,凍り豆腐には食物繊維が多く含まれています.
とくに大豆は食
物繊維の多いこんぶ類と相性がよいので,献立に取り入れてほしい食品です.
乳製品は食
物繊維は微量ですが,冷たい牛乳やヨーグルトなどの乳酸菌飲料はやさしく腸を刺激して
排便を促すよい食品です.
◆油脂・・油は下剤作用があり,適した食品です.
一般的に最近はとりすぎの傾向があるの
で,1日の摂取量は“フライと,マヨネーズ大さじ1のサラダ”“トーストの片面にマー
ガリンと,ドレッシング大さじ2のサラダ”などが1日の適量です.
◆緑黄色野菜・その他の野菜・・1日の摂取量が300gなので,食物繊維を摂取するには
もっとも適した食品といえます.
だいこんなどの根菜類は重量があり,ほうれんそうなど
の葉菜類は茄でたり,炒めたりすれば意外と必要量が簡単にとれます.
食物繊維が非常に
多い切干しだいこんなどの乾燥野菜も,炒め煮,ハリハリ潰,みそ汁の実に使用します.
少量で多くの食物繊維がとれる芽キャベツやきのこ類,また漬物のたくあん,らっきょう
潰もぜひ献立に取り入れてほしい食品です.
◆海藻類・・1回に使う量が少ないのが難点ですが,味付けのりだけでなく,1日1回は食
べてほしい食品です.
◆調昧料・・砂糖,みりん,酒,酢は,煮物,酢の物などにはふつうに使ってかまいません
.
また,わさび,こしょうなどの香辛料や,コーヒーなどの嗜好食品も適宜使用してもよ
いでしょう.
◆水分・・1日コップ8杯の水は,最初,意識的に実行してぜひ習慣づけてほしいものです
.
1回量を200mlとして,朝昼夕,起床時,午前10時,午後3時,風呂上がり,就
寝2時間前の計8回です.
◆食事療法は薬物療法と異なって速効性がありません.あせらずに続けましょう.今までの
食生活の見直しもぜひ必要です.
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