生活習慣病
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食品選択・調理法、にあたっての留意点



◎狭心症







食品選択・調理にあたっての留意点






◆工ネルギーの過剰摂取に注意します




エネルギーのとりすぎが肥満,糖尿病,高脂血症,高尿酸血症などの原因となることは既 に周知の事実です.

肥満を解消しただけで心臓の負担が軽くなった症例はよく報告されて います.減量のポイントは,空腹感を感じさせない食品選択と調理法にあります.




 ◆穀類・いも類


糖質源となる食品(穀類・いも類・果物類)のうち,穀類といも類を上手にとるようにし ます.

減量というと主食を減らす傾向にありますが,食事全体のボリュームを考えた場合 ,主食はむしろ適量とるようにします.
最近では,いも類の摂取は減少傾向にありますが ,それは皮をむいたりする調理に手間がかかる点にあるようです.
でんぷん含有量の多い 点では穀物と似ていますが,ビタミンCの多い点では野菜に近い存在といえます.調理法 を工夫し,副菜の1品として,また主菜の添えとして,適量はとるようにしたいものです.




 ◆果物類


カリウムの含有量が多く,ある程度のカロチンも含まれています.

りんごやいちごにはペ クチン質(水に溶けやすい食物繊維)も多く,手軽に補給できる食品です. しかし,果糖も多いので,過食には十分注意します.




◆動物性脂肪の多い食品 


主としてバタ一,生クリーム,脂身の多い肉,肉スープなどの使用は避けます.




◆野菜・海藻・きのこ類


これらの食品には,ビタミン,カリウムのほかに食物繊維が豊富に含まれています.

食物 繊維は食物のボリュームを増し,ゆっくり噛んで食べざるをえないので満腹感が得られま す.海藻,きのこ,こんにゃくなどは不消化であることから,一般には,エネルギーに計 上されません.








◆食塩(塩化ナトリウム)摂取に注意します

食塩制限をしただけで,高血圧やむくみの改善は容易になります.

症状によっては,水分 制限が必要となる場合もあります.
要は,食品の持ち味を生かした調理・味付け,そして 組み合わせにあるといえます.

薄味に終始したため,食欲減退に陥ったケースをときどき みかけます.料理には,薄味でも十分おいしく食べられるものと,濃い味にすることによ って食欲が出るものとがありますから,これらの組み合わせを上手に行うことにより,医 師の指示範囲内に塩分を抑えるようにします.




◆良質たんぱく質を補給します


たんぱく質は血液や筋肉をつくるうえからも,血管保護の面からも大切な栄養素です.




◆魚介類


塩蔵品や干物など塩分含有量の多いものや,コレステロール含有量(いか,魚卵など)の 多い食品については避けるようにします.

新鮮なものを選び,蒸す,焼く,煮る,揚げる など消化吸収のよい調理法を選びます.




◆肉類


脂肪の少ないささ身・ヒレ肉などを選ぶようにします.




◆卵類


蒸しもの,野菜の卵とじ,目玉焼きなど,卵料理は,比較的手軽に食卓にのせられ,消化 吸収の点からも治療食には欠かせません.鶏卵なら1日1個はとるようにしたいものです.




◆大豆とその製品


大豆は他の豆類に比べて良質のたんぱく質が多く含まれていますが,消化は悪いので,豆 腐や油揚げなどむしろその製品のほうが摂取しやすいでしょう.

単品で主菜,副菜にもなれば,肉や魚と一緒に調理してボリュームを出すなど幅広い料理 に適しています.




◆乳類


良質のたんぱく質,カルシウム,ビタミンA・B1などのほか,脂質も含まれていますの で適量とるようにします.

牛乳ならl日1本程度にしましょう.牛乳の飲みすぎは動物性 脂肪のとりすぎにつながります.シチューやスープなどにも工夫して使いたいところです.




◆脂肪は植物性を用い,適量摂取します


脂肪には飽和脂肪酸の多い動物性と,多価不飽和脂肪酸の多い植物性があります.主とし て植物性油をとるよう心がけましょう.




◆カリウムを補給します


カリウムは動物性食品のほかに果物類,野菜類,海藻類に多く含まれています.

心筋の機 能改善,血管を丈夫にするためにも十分補給すべきです.




◆果物


果物はカリウムの補給という点では手軽ですが,とりすぎは肥満につながりますから注意 します.




◆野菜・海藻類


食物繊維が多く,便秘の改善にもつながりますから積極的にとるよう心がけましょう.

し かし,たけのこやごぼうなどに多い繊維(セルロース)ばかり多量にとると,腹部膨満や 腹痛などを起こす場合がありますから,水に溶ける繊維(海藻に多いアルギン酸ナトリウ ム,果物に多いペクチンなど)を組み合わせて調理するようにしましょう.

狭心症や心筋 梗塞などは高齢者に多いことから,過去の食習慣を考慮し,あまり苦痛を感じさせること なく食事療法が継続できるように配慮することが大切です.






心筋梗塞








食品選択・調理にあたっての留意点






◆工ネルギーの制限をし,標準体重を維持します


肥満を解消しただけで明らかにコレステロール値や中性脂肪値などが下がるケースがあり ます.

標準体重当りの摂取エネルギーは医師の指示に従いますが,一般的には25〜30 kcalを目標とします.




◆穀類 


肥満の人の中には日ごろから米,パン,めんなどを好んで食べているケースが多く,急激 な主食の減量はしばしば食事療法に対する挫折感を招くことになります.

このようなとき には,ボリュームのある主食として,玄米あるいは胚芽入りの米やパンを選ぶようすすめ ます.

また,そば類もボリュームのある主食の一つですが,塩分には注意しましょう.ひ じきやわかめなど海藻類を入れた炊き込みごはんや,きのこ入りの混ぜごはんなどは満腹 感が得られやすいごはん料理です.




◆いも類


カリウムも食物繊維も十分含まれていますので,必ずとるようにします.

適量はじゃがいもならl日当りl個(100g)程度,さといもなら5〜6個(135 g)です.茄でたり,煮たりいろいろな調理法があります.

 


◆果物類


カリウム含有量が多く,ペクチン(水に溶ける繊維)が豊富なので必ずとるようにします .

バナナなら1日当り1本程度,キウイフルーツなら2個ぐらいが適量です.単品でとる ほかに,野菜や乳類と組み合わせて,菜果なます,サラダ,ヨーグルト和えなど,副菜の l品として食卓にのせるなどの工夫をしましょう.




◆脂肪は動物性より植物性の割合を多くします


動物性脂肪(飽和脂肪酸P)と植物性脂肪(多価不飽和脂肪酸S)の割合(P/S比)が 1.0〜2.0となるよう,植物性脂肪を多く使うようにします.

とりすぎは肥満につな がりますので,脂肪エネルギー比の割合は20〜30%とします.




◆コレステロールの摂取量を制限します


(1日300 mg以下)


血清総コレステロール値が高いときにはコレステロール摂取量は1日300mg以下とし ます.たんぱく質を多く含む動物性食品の中には,コレステロールを多く含むものもあり ますので,注意しましょう.




◆魚介類


魚の中でもいわしやさばなどの青身魚にはエイコサペンタエン酸などの脂肪酸が含まれて おり,血中の脂肪を低下させたり,抗血栓作用があることが知られています.

新鮮な素材 を選び,刺身,焼く,煮る,・蒸すなど消化のよい調理法を選びましょう.




◆肉類


脂身の少ないささ身,ヒレ肉,もも肉などを選び,量をとりすぎないようにします.

レ バー,肉スープなどは避けます.




◆卵類


卵はコレステロールの多い食品の代表として避けられがちですが,栄養・消化・吸収の面 や調理の手軽さの点から欠かすことのできない食品といえます.

茶碗蒸し,卵とじ料理な ど1/2〜2/3個程度で十分満足のゆく料理ができるので,上手にとるようにします.




◆乳類


卵類と同じように,栄養の面や手軽さの点からぜひとり入れたい食品です.

牛乳なら1日 1本程度が適量です.
脂肪制限を厳しく行うときは牛乳を低脂肪加工乳にかえます.また ,無脂肪加工乳,脱脂加糖ヨーグルト,スキムミルクなど脂肪を抑えた乳製品が出まわっていますので好みによって,ポタージュスープや果物のヨーグルト和えなどに利用するの もよいでしょう.




◆大豆とその製品


大豆は茄でて,野菜サラダに加えて副菜の一品にします.また,豆腐,凍り豆腐を魚や肉 と組み合わせて調理することによりボリュームを出すことができます.

たとえば,ミート ローフやハンバーグの挽肉を控えめにして絞り豆腐を混ぜると,コレステロールの低い低 脂肪の一品料理となります.




◆塩分制限をします(1日7g以下)


摂取してもよい塩分量は,病態によって異なりますから,医師の指示に従います.一般に は1日7g以下の指示となります.




◆〈減塩でおいしく食べる工夫〉


料理は全体を薄味にせず濃淡の組み合わせでアクセントをつけるようにします.加工食品 はなるべく使わないようにします.




@酸味・酢を味の引き立てに使います.

A濃いだしをとり,旨味を出します.

Bサラダ油など油を適量の中で上手に使うようにします.

C新鮮な素材の持ち味で食べる工夫をします.

D濃い味は表面につけるようにします.

E焼け目,こげ目でおいしく食べます.




◆食物繊維を十分摂取します


野菜,海藻,きのこ,こんにやくなど十分とるようにします.食物繊維の効果として,コ レステロールの吸収の抑制や便量の増加,便秘の改善などが一般的に認められています.

調理方法は煮る,炒めるのほか,生野菜として必ず1日300g以上とるようにします.






◎心不全・弁膜症






調理にあたつての留意点




1)濃い味付けの料理,油を多く使った料理は避けます.




2)5g以下の食塩は計って使う

1日に使える食塩が2〜5gの人は計って使うようにします.塩1gは小さじ1/5杯, しょうゆなら小さじ1杯,みそは大さじ1/2杯です.




3)塩は魚や肉料理に


魚や肉料理は塩気がないと食べにくいので,ふつうに塩を使い,塩がなくても食べられる いも類や野菜類には塩を使わないようにします.

たとえばいも類は焼いたり,蒸したり, 砂糖で煮たりします.また,野菜は茄でて花かつおをまぶしたり,酢の物にするなどです.




4)つけじょうゆやかけじょうゆで


味付けせずに調理して,食べるときにしょうゆやソースをつけたり,かけたりします.



◎肥満を伴う心臓病






◆調理にあたっての留意点






◆ボリュームを出します


主食のごはんはお粥や雑炊にしたり,きのこやしらたきなどを一緒に炊き込みます.

めん 類にはもやしやきのこをたっぷり加えます.

魚の場合は,お頭付きを選んで大きくみせま す.

魚や肉料理の盛付けには,レタスや線キャベツなどをふわっと盛り付けます.



◆低工ネルギー料理をふやします


きのこを焼ききのこにする,わかめをきゅうりと酢の物にする,こんにゃくをさしみにす る,

しらたきを花かつおで煮るなどの料理はほとんどエネルギーがありません.
色どりを 考えて添えますと,満足感が得られます.




◆薄味に調理します


濃い味付けの料理は,ごはんの食べすぎになります.素材の持ち味を生かし,おいしいだ しをとって,薄味に仕上げるとよいでしょう.









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