身平橋薬師堂  場所の地図

 私が兼務住職をしている海源寺【平成23年6月5日(日):第49号】は、身平橋という集落にあります。その身平橋の入口に薬師堂が建っており、3体の仏像が安置されています。仏像の建立年月は不明ですが、堂内にあるため風化されずにきれいな状態を保っています。仏像は、左から鯖弘法、薬師如来、観世音菩薩の3体です。薬師堂は、昭和55(1980)年に改築されたと記されており、身平橋の集落の人たちを中心とした寄付札が掲示されています。堂内は、きれいに清掃されており、お花やお供え物が祀られており、地元の人たちから愛されている様子が伺われます。

 鯖弘法は、釣月寺の境内にもあります。
 鯖弘法のいわれとしては、次の2説があるようです。
 第1説は、大師が塩鯖運送業者を助けたという説です。
 今から千二百年ほど前の話です。馬子が塩サバを運搬をしていた時、馬が急に苦しみだして困っていたところを、修行中の弘法大師に助けられました。そのお礼にサバを大師にさしあげたのだそうです。その後、運搬業者に信仰され続けているとのことです。
 第2説は 鯖は「生飯」のかわりであるという説です。
 生飯を「サバ」と読み、禅宗では食事をするまえに「サバ」を取るという習慣があります。「サバ」とは生飯で、余分に取り分けられた御飯をいいます。御飯が炊けましたらまず仏前にお供えをし、次に自分たちがいただきますが、その時に盛り分けられた御飯の中から数粒のごはん粒をとりだします。これは今こうして食事ができることを感謝し、自分だけがそれを食べるのではなく、鬼神や餓鬼、畜生など飢えに苦しむものにも分け与えようというものです。取り分けられた「サバ」は、後で寄せ集めて川になげられて供養します。御飯を作るときにこの「サバ」の量をあらかじめ計算します。これを「サバを読む」といったのです。
 この生飯の「サバ」のかわりに、姿になる鯖をあてて銅像にしたという説です。

 また、薬師如来は、医薬を司り、人々の病気を治し、安楽を与える如来、観世音菩薩は、慈悲の精神、すなわち仲間に対する友情と悩める者に対する慈愛に満ちた同情とを人格化したものです。

薬師堂全体 3体の仏像、左から鯖弘法、薬師如来、観世音菩薩
≪平成25(2013)年1月16日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年1月21日(月):第645号】