別所温泉・常楽寺  場所の地図

 昨日は、別所温泉の安楽寺について紹介しましたが、本日は、別所温泉のもう一つの名刹である常楽寺について紹介します。
 この寺は天台宗の古刹で、上の写真の左側に見える松は、「御船の松」といい、見事な姿を見せています。
 また、市指定文化財である本堂の他に、重要文化財である石造多宝塔(下の写真中央)と、上田市指定文化財である石造多層塔(下の写真左右)が境内の裏手にあり、この寺の重厚さを増しています。
 


常楽寺(市指定文化財)
 この寺は天台宗金剛山照明院常楽寺といい北向観音の本坊で、本尊は妙観察智阿弥陀如来、開山は慈覚大師と伝えられている。京都南禅寺の開祖大明国司が正応5(1292)年に信濃の国塩田別所常楽寺で十不二門文心解を書写した文献があり古くから学問寺として名高く創建当時よろ名僧高僧がここに錫をとどめている。いまの本堂は江戸中期の享保年間(1716〜36)に建立されたもので別所三楽寺{常楽、安楽、長楽(焼失)}の一寺として多くの信仰をあつめている。 
重要文化財 常楽寺石造多宝塔
 種別:建造物・石造文化財 所在地:上田市大字別所温泉2347番地
 指定年月日:昭和36(1961)年3月22日 材質・寸法:安山岩・総高274cm
 銘文によれば、天長2(825)年、火?の中から北向観音がこの地に出現した。そこで、木造の宝塔を建立したが、寿永年間(1182〜84)に焼失した。弘長2(1262)年本塔を造立し、金銀泥で書かれた一切経一部を奉納したとある。
 石造多宝塔の類例は全国的に見ても少ない、特に重要文化財指定となると、本塔と滋賀県の小菩提寺の二基にすぎない。さらに本塔は、笠や裳階(もこし)が鎌倉時代の多宝塔の典型を示しており、全国的に見てもたいへん貴重な遺例である。

上田市指定文化財 常楽寺石造多層塔
種別:建造物・石造文化財 所在地:上田市大字別所温泉2347番地
指定年月日:昭和59(1984)年4月9日 材質・寸法:安山岩・総高163cm
 大正13(1924)年、別所温泉大島屋旅館裏で水道工事を行っていた際、地中からたくさんの多宝塔・多層塔・五輪塔・宝篋印塔が散乱状態で発見された。この石塔群はその後散逸してしまっていたが、当地の篤学者が関西の旧家にあるのをつきとめ、懇願して昭和56(1981)年、故郷の当地に再建された。
 各部位のバランスや形は、古様をよくとどめ、鎌倉時代の作になるものと思われる。
 平成5(1993)年3月 上田市教育委員会 
≪平成23(2011)年11月29日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成23年11月30日(水):第227号】