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雑誌などで見るクジラは、水面でさまざまな動きを見せます。しかし実際には、
クジラはほとんどの時間を水面下に潜って暮らしています。そこで、初めてホ
エールウォッチングをする人は、クジラが潜っている間の待ち時間の長さに驚
くことになるでしょう。潜水時間15分に対して、水面にいる時間は普通1分そこ
そこです。
しかしザトウクジラは、水面での様々なパフォーマンスをするクジラです。運
がよければ、そんな場面にも出会えるでしょう。
慶良間では、生態調査の一環として、シーズン中は座間味島の高月山から毎日 見張りが行われています。ウォッチングボートは、高月山と無線交信をしなが らクジラを探します。これによって、クジラを見つけやすくするのはもちろん ですが、近付きすぎたボートに止まるように注意したり、親子連れを前もって 知らせたりと、クジラに危害をくわえないためにも役立っています。
クジラを確実に見たいならば、できるだけ長く島にいられるように日程を組ん
でください。高速船もあるので、那覇から日帰りでも参加できるのですが、た
とえ1泊でも島に泊まればそれだけチャンスは大きくなります。山から見てど
うしても見つからないので出航を見合わせた日、日帰りの人が帰った後でクジ
ラが見つかり、あわてて船を出したこともあります。
この時期はあまり天気は良くないのですが、時には晴れることもあります。天 気が良く風も波もない日は、見るだけでなく、クジラの音を聞いてみましょう。 ブロー(潮吹き)の音、ひれや体がおこす水の音が、クジラの居場所を教えてく れます。昼寝をしていても、クジラがブローで起こしてくれます。でも、油断 はできません。浮上しないでいきなりブリーチ(水面上に飛び上がる)を見せて くれることもあります。
ザトウクジラの尾びれの模様は、一頭一頭異なっており、それが個体識別の指
標になっています。ボートによっては、個体識別調査に参加していて、尾びれ
を見て区別できる人もいます(何回も現れたクジラには、ニックネームがついて
いるので)。他にもいろいろな話が聞けたりするので、クジラ専門に船を出して
いるところにお願いするのがベストです。