沖縄・慶良間諸島 1994年3月

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このページは、1994年3月1日から7日に沖縄・慶良間諸島(座間味島)に行った ときのものです。
慶良間諸島は、沖縄本島の東約40qに点在する島々です。春から夏、秋にかけ てはダイバーでにぎわいますが、冬は季節風の影響で曇りの日が多く(実は、 沖縄は日本海側気候なのです。さすがに雪は降りませんが)オフシーズンとさ れてきました。ところが、1989年頃から、冬になるとザトウクジラがこの海域 に現れるようになり、調査の結果、繁殖と子育てがここで行われていることが わかりました。今では、冬でも多くの人がクジラを見るために集まってきます。

雑誌などで見るクジラは、水面でさまざまな動きを見せます。しかし実際には、 クジラはほとんどの時間を水面下に潜って暮らしています。そこで、初めてホ エールウォッチングをする人は、クジラが潜っている間の待ち時間の長さに驚 くことになるでしょう。潜水時間15分に対して、水面にいる時間は普通1分そこ そこです。
しかしザトウクジラは、水面での様々なパフォーマンスをするクジラです。運 がよければ、そんな場面にも出会えるでしょう。

慶良間では、生態調査の一環として、シーズン中は座間味島の高月山から毎日 見張りが行われています。ウォッチングボートは、高月山と無線交信をしなが らクジラを探します。これによって、クジラを見つけやすくするのはもちろん ですが、近付きすぎたボートに止まるように注意したり、親子連れを前もって 知らせたりと、クジラに危害をくわえないためにも役立っています。

クジラを確実に見たいならば、できるだけ長く島にいられるように日程を組ん でください。高速船もあるので、那覇から日帰りでも参加できるのですが、た とえ1泊でも島に泊まればそれだけチャンスは大きくなります。山から見てど うしても見つからないので出航を見合わせた日、日帰りの人が帰った後でクジ ラが見つかり、あわてて船を出したこともあります。

この時期はあまり天気は良くないのですが、時には晴れることもあります。天 気が良く風も波もない日は、見るだけでなく、クジラの音を聞いてみましょう。 ブロー(潮吹き)の音、ひれや体がおこす水の音が、クジラの居場所を教えてく れます。昼寝をしていても、クジラがブローで起こしてくれます。でも、油断 はできません。浮上しないでいきなりブリーチ(水面上に飛び上がる)を見せて くれることもあります。

ザトウクジラの尾びれの模様は、一頭一頭異なっており、それが個体識別の指 標になっています。ボートによっては、個体識別調査に参加していて、尾びれ を見て区別できる人もいます(何回も現れたクジラには、ニックネームがついて いるので)。他にもいろいろな話が聞けたりするので、クジラ専門に船を出して いるところにお願いするのがベストです。


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