まずは、沖のアオリイカ産卵床に行きます。もう終わってしまったかと思いきや、何匹かは生き残って相変わらずペアになって産卵体勢になっています。オスどうしの戦いもすぐ近くで見ることができましたが、なぜか近くにメスの姿はなく、何のために戦うのかむなしいものがありました。
ムレハタタテダイは増えていました。10匹以上になっています。でも大きいのと小さいのが混ざっていて、大きさごとになんとなくグループができています。テングハギの仲間の子供が一緒に群れていました。
周りを見てみると、カンパチとクロヒラアジが2匹ずつ、通り過ぎていきました。
砂地にあるたこつぼに、ゴマヒレキントキが1匹ついています。となりにはクロイシモチがたこつぼから頭を出していました。
午後は防波堤沿いに行きます。ツノダシが増えていてあちこちで見かけるようになりました。砂地のダテハゼは穴の中に引っ込んでしまっているのか、見つからなくなっていました。チョウチョウウオの子供や、アカヒメジといった、南から流されてきたような魚が見られるようになりました。
翌日には、トゲチョウチョウウオの子供も見つかりました。
小石が並ぶ水底に、石とそっくりの白いかたまりのような魚がじっとしています。ヒメサツマカサゴです。じっとしていると石と区別がつきませんが、動くときには胸びれの裏がオレンジと黒の模様になっていて派手なのが印象的です。
アカカマスの群れが、やっと岸近くに入ってきました。でもまだ数は少なく、ダイバーのそばには来ないので、透明度の悪さと相まって見ごたえにちょっと欠けています。
クロホシイシモチは繁殖期が終わったようで、ペアを解消して一つの群れになっています。今年は少し早めに終わってしまいました。
2日は、主に講習のアシスタントでした。脳性麻痺で四肢麻痺のIさんのスクーバダイバーコースにつきます。今までは半身麻痺の人や片麻痺の人が多かったのですが、四肢麻痺は全く新しい試みです。自由に動かせるのは首から上だったので、ふつうのテクニックは役に立ちません。試行錯誤で器材にも工夫をこらして、ひとつひとつの課題をこなしていきます。口でウェイトベルトを外せるような工夫など、びっくりし通しの講習でした。
ひととおり終わって戻る途中、ベニイザリウオの子供を見つけました。2cmもないような小ささで、とにかくかわいいです。まだ擬態になる汚れたような部分がなく、全身がオレンジ色で、岩にちょこんと乗っていました。