ここ数日暖かくなったし、予報も晴れるって言ってるし・・・で日曜日の朝出かけてはみたものの、走っても走っても雲は切れず、海岸に出たあたりから本格的な雨が降ってきました。
結局、一日中曇り時々雨の天気で、えらく冷え込みました。
赤沢に着いて、海を見てみると、岸に近い水面が真っ黒になっています。重油でも流れてきたのかな、と思ってきいてみると、これはホンダワラの群生ということでした。あとで見に行ってみると、1mくらいの浅場に、ぎっしりとホンダワラが生えていて、まさに海中林です。当然、向こう側が透けて見えるなんてことはなくて、これなら上から見たとき真っ黒に見えるわけだなと納得します。
水温は14度ほど、やはり寒いです。ドライスーツの中を一枚厚手にして(モンベルの極地用下着)、でも手袋は穴が開いて保温性がほとんどなかったりとちぐはぐですが、さすがに下着の威力は大きくて、入ってすぐに寒くなることはありません(しばらくするとさすがに冷えてくる)。1時間くらいは十分に持ちます。
寒いんだから透明度に期待したいところでしたが、それほど良くありません。浮遊物が多いので、数日前の波の影響によるもののようです。
生き物のほうは・・・まず魚がぐっと減りました。あれほどたくさんいたソラスズメダイは、岩の陰に小さいのが何匹か隠れているだけになってしまいました。クロサギやウミタナゴも少なくなり、いっしょに群れ(といっても10匹くらい)を作っています。クロホシイシモチやネンブツダイも岩の間に少しずつまとまっているのを見かけるくらいです。カワハギは・・・そういえば見てないな。ハコフグは子供〜若者くらいの小さいのが岩のすきまに入っていることはありますが、外には出ていません。
その一方で、ブダイは元気いっぱいで防波堤のまわりに集まっています。数が増えたわけではなさそうですが、他に何もいないといっていいくらいなので、我が物顔です。なかにちらほらとニザダイが混ざっていることもありますが、ブダイの勢いにはかないません。
他の場所では、キタマクラの小さめのが目立ちます。大きいものは少なく子供から少し育ったくらいのものが中層を泳いでいます。でも、やっぱりキタマクラは相手にされないのでした。
やたらと元気なのが4匹だけ残っているムロアジです。防波堤から釣り人が餌をまくと、すぐにすっ飛んできます。相当まき餌を食べているようで体はよく太っています。釣られないものかと心配になるのですが、今まで生き残ったことを考えれば、今さら釣り上げられることもないでしょう。
今回は動かない生き物が目立ち、水中風景ががらりと変わっていました。ホンダワラは前に書いた通りですが、これは浅いところだけ。その先にいくと、岩の表面にびっしりと海藻がついていて、色とりどりです。よく目立つのがアヤニシキで、紫色のが岩の上でひらひらひらひら、そのとなりで肌色のがいっしょに揺れているのは、トサカノリです。この二種類が岩の輪郭を変えてしまったので、気をつけないとどこにいるのかわからなくなります。
トサカノリの中に、褐色のものがたくさんしがみついているので近づいてみると、小さいアメフラシでした。こどもアメフラシかと思いきや、図鑑を見るとクロヘリアメフラシという小型のアメフラシのようです。でも、黒い縁取りはいいとして、その外側にもう一つオレンジ色の縁取りがあったような気がするんだけど・・・。ともあれ、小さくてかわいくて、形もスマートだし、アメフラシが嫌いな人でもこれならOKかも。