水温は24度まで上がり、透明度も7mくらいとこの時期としてはまずまず。天気も予報が見事にはずれて青空が見えています。波もうねりもなくて快適そのもの。
前半の一番の目玉は、カンパチの群れでした。アオリイカの産卵床にいってみると、頭上を通り過ぎる魚影が現れて見上げてみると60cmクラスのカンパチが群れをなして向かってきます。数は・・・50匹はいるでしょうか。流線型の体がびゅんびゅん飛んできて、ダイバーのまわりをぐるぐるまわります。ダイバーの出した泡のまわりをまわるのもいて、一人の人が取り囲まれたようになったりもします。型がそろっているので実際よりも大きく見えて、すごい迫力でした。こんなの、八丈島にいってもそうは見られませんぜ。
アオリイカの産卵はいよいよ終わりに近づきました。産卵床にいっても3〜4匹くらいしかいません。時には全くいないこともあります。産まれた卵は、1ぴきづつくびれができて、その中では孵化間近の小さいイカが透けて見えます。
同じくアオリイカ産卵床ですが、ムレハタタテダイはすっかり定着し、現在4匹です。何を勘違いしたのか、イシダイ2匹もいっしょに泳いでいますが、イシダイ同士のようなかたまった群れにはならないのでちょっと戸惑っているよう。その後をつけている銀色の魚は、近くで見ると青いふちどりのあるカスミアジの子供でした。
アジの仲間では、シマアジが砂地に降りてきました。ダイバーが来ると近づいてきて、1周か2周かしてまた離れていきます。ときどきカンパチの子供が混ざっていることもあります。ギンガメアジの子供は1匹だけで、メジナの小さいのと一緒になっています。
砂地からつきだした岩の上に、スカシテンジクダイの群れが居着いています。しばらくは平和に暮らしていましたが、カンパチの子供が1匹まわりをうろつきだしたので、危険が迫っています。
ミノカサゴが3匹ほど近所をうろついているので、2日に1回くらいは見られるようになりました。砂地と岩の境目あたりでぼーっとしていることが多いです。ハナミノカサゴもいて、両方見られるときもあります。
砂地では、ダテハゼとニシキテッポウエビの巣穴掘りがさかんです。ハナハゼは現在2カ所にいます。わりとすぐにダテハゼの穴に潜ってしまうのですが、ダテハゼはなかなか引っ込まず、ニシキテッポウエビも掘削作業を続けています。ハナハゼは遠くの危険を知らせる役割があると言われますが、これを見ていると本当に役に立っているのか疑問を持ってしまいます。
今年もクロイシモチはやってきました。沖の魚礁まわりに緑色になったのが数匹来ています。去年のような大発生はなく、産卵もまだこれからのようです。
連休の後半になると、台風の影響が出始めました。少しづつうねりが大きくなってきて濁りが出てきました。カジメ林は揺れがひどいので砂地を通るのですが、ときおりうねりのせいで砂が巻き上がって煙幕のようになります。アオリイカ産卵床のあたりでそれが起こったときには、産卵床が見えなくなるほど巻き上がりました。
そんなうねりの中で、沖の岩陰ではコロダイの幼魚がくねくねしていました。うねりに流されないよう、岩陰にくっついて必死で泳いでいました。
結局、19日(日)はうねりが強くなり、透明度がほとんどなくなったので潜水中止にしました。その台風はご存じの通りさんざんぐずぐずしていったあげく上陸しましたが、しばらくうねりは残りそうです。