ストロボが新しくなったので、テストを兼ねてちょこっと赤沢に行って来ました。梅雨の真っ最中なのでどうなるかと思っていたのですが(天気予報も曇りだったし)、行ってみたらみごとに晴れました。海の中も魚が増えて、かなり夏っぽくなってきました。
朝の5時に家を出て、トラックの間をすり抜けながら厚木に出て、空いている小田厚をすっとばして真鶴道路に入ったところでスローダウン。これからの時期は、いつもは来ない人たちが海辺にどどっと繰り出すので、道が空いてても前がつかえてスピードが出なかったりしますが、渋滞はなかったので8時半には赤沢に着きました。それにしても暑い・・・。
海は静かですが、南風が吹きだし始めたので沖のほうは白波がたっています。といっても浜から入ってすぐ潜ってしまうので影響はありません。それより、大潮の干潮でいつもより海が、と、遠い。
エントリーしてすぐ潜降しようとすると、いきなり砂だらけ。といってもこれは船のスクリューが巻き上げたやつ(干潮で浜と船が近くなってる)なので、心配無用。ここを抜けていくと、視界がひらけます。濁ってはいないけど、なんかにじんだような感じ(マスクが曇ったのかなあと思って洗ってもやっぱり同じ)で、透明度は6〜7mくらい。でも光は入ってきます。
先月たくさんあったアントクメはすっかり枯れてしまい(茎だけ残っている)だいぶすっきりしてきました。
最初に目に飛び込んできたのは、真っ青なソラスズメダイでした。これがもう少しすると繁殖期に入って、オスは色変わりしちゃいますが、今はまだ、と思ったらもう巣作りに入っている気の早いオスがせっせとゴミ除けをしていたりするので油断できません。岩の上では、ヘビギンポも繁殖モード(オスが婚姻色で黒っぽくなる)に入ってるし、ニジギンポのお腹も膨らんでいます。防波堤のあたりにいるクロホシイシモチもペアができて、早くも産卵が始まっている模様。少し深いところにいくと、スズメダイが産卵床を作ってメスを誘い込んだりと、みんな忙しそうです。一方、カミナリベラやニシキベラはばらけてしまい(オスが手持ちぶさたにしている)、こっちはもう終わってしまったみたいですね。
ボラも大きいのがまわっています。4〜5匹で固まって、砂を食べてはえらから出しています。水中だと大きく見えるせいか、初めて見る人はボラだと思わないようで、後で教えてあげると「あれがボラなんですか!」てな反応が返ってくるのがおもしろいです。魚屋で見るのとは全然違いますからね。
砂地では、ホウボウの若手がうろうろしています。大人と違って胸びれの斑点が半分くらいしかありませんが、そのかわりコントラストが強いのでこっちのほうが鮮やかに見えます。ひれを開いたところ(実は胸びれの裏側をひっくり返して見せている)に人気は集まりますが、とげ(これは腹びれが変化したもの)を使ってとことこ歩く様子も面白いので、こんど会ったら上からだけじゃなくて横からも見てやってください。
同じく若手で、メバルがかなり大きくなってきました。ムツも大きくなりましたが、数が減ってきたようです。マダイの子供がちらほら見られるようになりました。チャガラの子供は少なくなったようですが、相変わらず可愛いいです。クロイシモチが姿をあらわしはじめましたが、まだペアは作っていません。ゴマヒレキントキも現れました。
岩の下のホシノハゼは、今日は1匹だけでした。写真を撮ろうとカメラを向けると、横から撮りたいのに正面向いてきたりします(でも顔がおもしろい)。でもって距離を測ってシャッターを押そうとすると、カメラに寄ってきちゃうんだこいつが。しょうがないので下がって撮り直そうとすると、あっまた近づいて来た。すぐ逃げるのも困りますが、ぜんぜん怖がらないってのも困るもんです。
岩が重なってできた穴の中で、なにやら動いています。よっく見ると小さなカニで、平たい立派なはさみがありますがこれは畳んだまま。で、そのすぐ後ろの足を持ち上げて振っています。浮遊物を捕まえては口に運んでいるようです。その足の先が白いので、薄暗いところではかなり目立ちます。図鑑で見ると、イソカニダマシ(ヤドカリの仲間だ)のようです。
上を見ると白く光る群れが近づいてきます。銀色の体に黄色い線が一本、と言えば、シマアジです。時期が早いせいかまだ小さめですが、シマアジならではの好奇心で近くに寄ってきます。中に2匹、なんか黄色っぽくて長いのがいるなーと思ったら、カンパチが混ざっていたのでした。
群れとは別に、2匹だけで泳ぎ回っているシマアジもいます(ウミタナゴに混じってたりもする)が、こっちは色がぜんぜんちがい、すいよせられるような青い体に目の覚めるような黄色のラインが入っています。これを見るためならタンク1本使ってもいいくらいに、きれいです。シャッターは押したけど、この色はたぶん再現できないでしょう。同じ魚とは思えないくらいの変身ぶりです。
砂地では、サビハゼがなぜかわらわらと集まっています。サビハゼだからいいけど、これがフナムシだったら・・・うぞぞっとなるような集まりかたです。近寄ってもあまり逃げませんが、そっぽは向きます。
魚礁の内側に生えたトゲトサカの間を、ホシササノハベラの若いのが泳ぎ回ったり、でぷっとしたオキナヒメジが2匹で砂掘りをしていたり、ハナハゼが復活したり、タコがイセエビ一匹まるごと食べた証拠を押さえたりと、少しの間にすっかりにぎやかになった赤沢でした。
水温は、上は20度で、ときどき冷たいところがあって18度くらいに下がります。5mmのツーピース(といっても裏スキンの股掛けつきなので参考にならないかもしれない)で1時間いると、寒くなります。