RC Tips



RICKBERY900mAhの性能評価

2004/01/31に購入した、8本のRICKBERY900mAhを単セルで放電測定。
充電は、可変電流のAUTOモードで行ったが、850mAh程で液漏れが発生した為、途中中断。
中断後、セル単位に、充電:1.0A、放電:3.5Aで測定。
(電池毎の内部抵抗の影響を測る為に、放電電流はかなり大きめに設定)
<8本のRICKBERY900mAhでのばらつき>
RB900
思っていたよりも、容量のばらつきは少ない(50mAh程の誤差)。
京商800mAhでは、容量で100mAh以上ばらつきがあった。
電圧は、極端に低いのが1本、少し低いのが1本あるが、それ以外は揃っていた。
<RICKBERY900mAhとEGRの比較>
RBvsEGR
レースで使用しているEGRとの比較(新品ではないので、EGRが不利)。
極端に悪いセルを外せば、RICKBERY900mAhの方が、電圧・容量共に有利。

液漏に気を付ければ、レース用として使用できるかと思う。
値段も、EGRの半値以下で、端子の心配をする必要もない。
ただ、本当に900mAhの容量があるか、疑問。大陸製の電池は、誇大容量が多いので....

眠れるRICKBERY

最近流行りのデッドショート保管、1ヶ月近く放置するとどうなるかを検証。
2004/02/02に放電測定した後、0.39Ωの抵抗で単セル放電。
その後F1シャーシーに移し、セル間をリード線で繋ぎ、デッドショート保管。
1ヶ月近く放置した後、2004/03/07に再測定。
<RICKBERY900mAhの保管前・後>
眠れるRICKBERY
容量はかなり低下する(02/02:503mAh、03/07:380mAh)。
放電電圧が多少向上するセルもあるが、極わずか(0.01V程度)。
放電終了時は、NiCDの様に急激に電圧が落ちる。
放電電圧はさほど上がらず、容量だけ減少してしまったので、寝てしまった、という感じである。

RICKBERYは目覚めたか

1ヶ月振りの計測で、大幅に容量が低下してしまったRICKBERY900mAh。
1回の実走行を挟んで、再計測。
3/6深夜:1ヶ月振りの計測(充電:0.8A、追充電1.0A 放電:3.5A) => 0.39Ω単セル放電保管 => 3/7夕方:TONTONでの実走行(充電:2.0A、セル温度45度で0.8Aへ変更) => 0.39Ω単セル放電保管 => 3/8深夜:再計測(充電:2.0A、セル温度45度で中断し、1.0A単セル充電に切替 放電:3.5A)。
RICKBERYでは、充電終盤に安全弁作動&液漏れが起きる事が多い。
今回は、セル温度が38度程度でも安全弁が作動した。
他のセルよりピークが出辛かった様で、過充電気味だったらしい。
<RICKBERY900mAhの再計測前・後>
RICKBERYは目覚めたか
放電電圧が向上したが(最高0.04Vup)、容量はさほど変わらない(0:06:26 371mAh)。
デッドショート保管直後と容量が変わっていないので、そもそも眠っていなかったのかも知れない。
放電電圧の向上が、計2回の充放電によるものか、充電方法の違いによるものか、保管方法によるものか、未検証。
5分間レースには理想な特性となったが、容量はどこに消えたのだろうか。

GP850mAhの性能評価

RICKBERY900mAhが、高電圧低容量な状態になってしまったので、比較用に別の電池も試したくなった。用意した電池はGP850mAh。今回も 大陸製。
購入後、即0.39Ω単セル放電。その後一度、低電流で充放電(充電:0.4〜0.8A、放電:AUTO MAX1.12A)して慣らしする。
測定時の充電は、まず8本まとめて充電:2.0〜1.0A(セル温度45度を超える度に電流を下げる)、その後単セル充電:1.0A&放電: 3.5A。
大電流充電では、RICKBERY900mAhより温度上昇が速いので、大電流への耐性は無さそう。但し、充電時に安全弁作動、液漏れは起こさなかった。
<8本のGP850mAhでのばらつき>
8本のGP850mAhでのばらつき
見事なまでに、電圧が揃っている(0.01V差)。容量も50mAh程度の差。
<GP850mAhとRICKBERY900mAhの比較>
GP850mAhとRICKBERY900mAhの比較
GP850mAhをRICKBERY900mAhと比較。
電圧は低めだが(0.04V差)、容量は桁外れに多い。
というより、RICKBERY900mAhの容量が激減してしまっただけかも知れない。
8分間以上のレースならGP850mAhの使用も検討するが、5分間までのレースではRICKBERY900mAhに軍配が上がる(Modifyモーター での使用を想定)。

GP850mAhは死なず

レース時の充電は、2.0Aでの充電を基本としている。
但し、2.0Aのままでは、中盤以降の発熱がひどいので、セル温度が45℃程度まで上がると、電流を0.8-1.0A程度に切り替える(切替セル温度・電 流値は、出走時間に合わせて調整)。
つい先日のレースで、2.0Aのままピークを出してしまう。
その際のセル温度は80℃以上(華氏ではない)。
しかし、爆発はおろか、液漏れすらもしなかった。
今後、その異常な電池が使い物になるか、検証。

3/28:不慮の事故発生 => 0.39Ω単セル放電保管(中一日) => 3/30:再計測(充電:AUTO 放電:3.0A)。
再計測では、異常な電池と正常な電池の2セットを使用。
それぞれのセットは、単セル放電容量の大小で、4本ずつに分けていた(正常なセットは容量大、異常なセットは容量小)。
<AUTOモードでの充電結果>

充電時間
充電容量
ピーク電圧
中盤での充電電流
正常
0:46:04
976mAh
6.04V
1.51A
異常
0:49:04
963mAh
6.06V
1.41A
異常な電池がどの程度の電流を受け付けられるか、判断できなかった為、AUTOモードで充電。
AUTOモードでは、電池の状態に合わせて、1分置きに充電電流が変化する。
その為、充電時間と充電容量が比例しない。
正常なセットの方が、内部抵抗が低そうな結果となった(充電時間が短く、ピーク電圧が低く、中盤での充電電流が大きい為)。
<3.0Aでの放電結果>

放電時間
放電容量
正常
0:11:55
597mAh
異常
0:11:39
584mAh
正常・異常なGP850mAhの比較
放電は、3.0Aの固定電流(Modifyでの消費電流を想定)で4.0Vまで行う。
質の悪い電池(弱った京商800mAh等)では、放電直後に4.0V以下となってしまうこともある。
しかし、異常な電池でも、きっちりと放電できた。
正常な電池との電圧差は、最大で0.04V(1セルあたり0.01V)なので、ほぼ同等。
容量もほとんど変わらない(元々、容量の少ないセルを集めていた事も考慮)。

一般的には熱に弱いとされるNiMH。
80℃にも耐えたGP850mAhは、かなり強靭といえるかも知れない。

その保管危険につき

最近流行りの単セル完全放電保管。
通常の残量を多少残した管理では、セル毎のばらつきによって放電電圧が突然低下する場合があるが、単セル完全放電保管では、それを防ぐ事ができる 考え ている(放電特性に再現性があるとも表現される)。
なので、不良管理によって下がった電圧が上がる事はあるが、本来の電圧以上にはならないと感じている。

今回は、単セル完全放電以上に危険な「デッドショート保管」の検証を決意。
 以前、RICKBERY900mAhで、1ヶ月近くデッドショート保管した後、放電電圧が向上した事があったが(「RICKBERY は目覚めたか」参照)、その反省から、充電方法を統一し、電池もある程度使い込んで安定しているはずのEGRを使用。

今回は、「デッドショート保管」を更に進化(退化?)させた、「転極保管」をしていた。
4本のバッテリーを普通(異常?)にデッドショートさせると、1本のみ+となり、残りの3本は-となる。これでは、4本の管理にばらつきが出てしまうの で、放電しきっていない別の電池をかまして、計5本の電池でデッドショート。
後付けの5本目の電池のみが+、4本の電池は全て-の状態で「転極保管」。デッドショート前には、単セル放電を電池が冷えて残量がなくなるまで実施してい る。

<各々の条件での充放電結果表&放電グラフ>

充電時間
充電容量
放電時間
放電容量
備考
4/6
0:34:26
726mAh
0:08:06
405mAh
基準データ
(数回使用後、3日間転極保管)
4/14
0:35:26
786mAh
0:08:37
428mAh
転極保管後計測
(1日間単セル放電保管)
4/15
0:34:26
739mAh
0:08:27
422mAh
単セル放電後計測
(1日間転極保管)
4/16
0:34:26
743mAh
0:08:37
428mAh
転極保管後計測
転極保管
全条件、充電:2.0〜1.0A(セル温度45度で電流切替)、放電:3.0A 〜4.00Vで計測。

4/6のデータは、以前計測した際に残っていたもので、今回の基準データとして使用する予定。
数回走行で使用後、転極保管を実施。1日間の転極保管では、電池を外すとすぐに+に戻ってしまった。変化が出るか不安だった為、3日間の転極保管とした。 今度は、復帰後も-に転極したまま。
4/16は、1日間転極保管だが、再度3日間待つのが面倒だった為で、深い理由はない。

充電容量は、他の条件と比べて、4/14の3日間転極保管のデータが増えている。
4/16の1日間転極保管と、4/15の1日間単セル放電保管は、ほぼ同じ充電容量なので、3日間も転極保管させると、復帰にそれなりの電力が必要になる のかも知れない。

放電電圧は、あまり向上しなかった(最大0.03V差)。
その代わり、放電容量がかなり向上。4/14と4/16の転極保管時の放電量はほぼ同じで、4/6の基準データから比べると、30秒近く多くなっている。 4/15の単セル放電保管と比べても、10秒程多くなっている。

電池が違うとはいえ、「RICKBERY は目覚めたか」の放電電圧向上に、デッドショート保管が貢献していない事がわかった事は収穫。
放電容量が必要なカテゴリーには参加していない為、私自身にはあまり役に立たないTipsだった。
SUB-C電池での有効性について、どなたか検証してみませんか?

見た目は日本製、中身は....

最近、中国製の電池ばかり買っている。しかもパッケージングされていないものを。
安い上に性能も良いので良い事なのだが、たまには日本の電池も試したくなった。
白羽の矢が立ったのは、4月に発売されたばかりのPanasonic800mAh。
量販店でパッケージを見る。-極にHRの刻印が無いので、今回もSANYO系のものとは別物らしい。
そして側面には、"中国製"の文字が....一瞬、買うのを躊躇する。
+極を見ると、かなりしっかりしたつくり。GPともNEXCELLともRICKBERYとも違う。
試しに、1セット分の購入を決意。これ1セットで、RICKBERYなら2セット分買える価格。

購入後、即0.39Ω単セル放電。
1回目は、4本まとめて充電:AUTO(セル温度45度まで)、その後単セル充電:1.0A&放電: 3.5A。AUTOモードで最適な充電電流を探りつつ(充電中盤1.51Aまで上昇)、1.0A充電への切替で異常発熱を抑える方針。
2回目は、4本まとめて充電:2.0A(セル温度45度まで)、その後単セル充電:1.0A&放電: 3.5A。いつも行っている充電方法の単セル版。
<4本のPanasonic800mAhでのばらつき>
4本のPanasonic800mAhでのばらつき
2回目の2.0A充電時のデータ。
終盤なだらかに電圧が落ちる、いかにもNiMHらしい放電グラフ。
放電電圧のばらつきが、0.03V近くあった(1本だけ抜け出ている)。 放電容量の差は21mAh。
<Panasonic800mAhとGP850mAhの比較>
Panasonic800mAhとGP850mAhの比較
電池の性格は、GP850mAhと似ていた。 そこで、新品時のGP850mAh(2.0A充電)のデータと比較。
容量はGP850mAh以上だが(PN:711mAh,GP:683mAh)、放電電圧は及ばない(最大0.020V差)。
1回目のAUTO充電と、2回目の2.0A充電の比較では、2.0A充電の方が放電電圧で有利(最大0.022V差)。
このセルでは全域に渡って2.0A充電の方が上だが、他のセルでは特に序盤での放電電圧向上が目立ち、終盤ではAUTOモードと逆転する事があった(放電 容量が僅かに低下した為)。

Panasonic800mAhは、手持ちの最大容量電池となった訳だが、新たに買い足す事はないだろう。

100円ザップドマシンの悲劇

RC用SUB-C電池では、既に一般的なザップド処理。放電電圧向上・内部抵抗減少の効果があると言われている。 しかし、MINI-Z用の単4電池では、あまり見かけない(スクワットのNiCD位?)。 自分でザップド処理を行う為のザップドマシンも市販されているが、非常に高い(最低でも福沢さん2人以上)。 ならば、同じ原理と思われるものを自作してみる。 用意したものは、手持ちのNotePC用ACアダプター(0円)と、秋葉で購入したコンデンサー(100円)。 ACアダプター(19V)の電極でコンデンサーを充電した後、電池に繋げるだけ。 接触時には火花が飛ぶので、ショック療法を行っている様な気になる。 かなり昔から実行してはいたのだが、放電グラフで確認した事はなかった。 今回は、使い込んだRICKBERY900を使用。

<各々の条件での充放電結果表&放電グラフ>

2.0A
45度
充電時間
充電容量
ピーク
電圧
充電後
温度
放電時間
放電容量
放電後
温度
備考
5/8

レース使用
(単セル放電保管)
5/10
18分
0:44:26
912mAh
6.06V
56度
0:09:08
454mAh
57度
基準データ
(自家製ザップ後、単セル放電保管)
5/11
16分
0:45:26
897mAh
6.06V
54度
0:09:09
456mAh
58度
自家製ザップ後
(単セル放電保管)
5/12
20分
0:42:26
914mAh
6.09V
52度
0:09:06
452mAh
54度
完全放電のみ
(単セル放電保管)
5/13
16分
0:46:04
906mAh
6.07V
56度
0:09:00
449mAh
60度
完全放電のみ
(単セル放電保管)
5/14
17分
0:45:26
912mAh
6.08V
56度
0:09:39
483mAh
58度
完全放電のみ
(単セル放電保管)
5/15
17分
0:45:04
906mAh
6.07V
55度
0:09:54
492mAh
60度
完全放電のみ
(単セル放電保管)
5/16
17分
0:44:26
899mAh
6.08V
53度
0:09:50
489mAh
59度
完全放電のみ
ザップド処理
全条件、充電:2.0〜1.0A(セル温度45度で電流切替)、放電:3.0A 〜4.00V(セル温度50度まで低下してから放電開始)で計測。

 (5/10〜12計測分)
まず、充電状況の違いについて。
大きく異なる点は、充電ピーク電圧。自家製ザップ直後は基準データと同じだったが、1回充放電後に+0.03V上がっている。今までの経験では、充電方法 が同 じ場合、充電ピーク電圧はほとんど変わらなかった。
充電完了時のセル温度は、測定を重ねる毎に下がっていった。

肝心の放電状況。
放電容量はいずれの場合もほぼ同一。
放電電圧は、自家製ザップ直後に低下(最大-0.05V)。
1回充放電後は、放電開始後01:20まで基準データを若干上回っていたが、その後は自家製ザップ直後とほぼ同じレベルの放電電圧まで落ちてしまった。放 電初期電圧の向上は、充電ピーク電圧の向上と、充電完了時セル温度の低下(セル温度50度まで下がる待ち時間の減少)が影響しているかも知れない。
放電完了時のセル温度は、1回充放電後に下がっている。

今回の測定では、室温の調整も測定もしていなかった。
気象庁の情報によると、気温はそれぞれ、5/10:18度、5/11:21度、5/12:19度。
5/10と5/12の気温はほぼ同じなので、自家製ザップ後には充放電で熱を持ち難くなった事になる。
内部抵抗減少を意味しているのかも知れないが、中盤以降の放電電圧は低下してしまった。
今回は、あまり報われない結果となってしまった。

(5/13〜16計測分追加)
その後、5/13〜16にも続けて計測。
5/12から室温も記録していたが、5/12:24度、5/13:27度、5/14: 26度、5/15: 26度、5/16: 24度。
肝心の放電電圧は、5/13に大幅低下(最大-0.11V)。
5/14以降、放電容量が増えている(放電電圧は向上せず)。
気になる点といえば、放電計測後の処理。
全ての日程で、3.0A放電計測後、カット電圧は4.0Vのまま、放電電流を3.0Aから漸減的に0.2Aまで落 とした後に、0.39Ωの抵抗で単セル放電保管をしていた。
最近のPC連動型放電器では、自動処理してくれるらしいが、こちらは手動での電流操作。
5/12あたりまでは、グラフをまとめ、電池がある程度冷めてから(40度位)、残電力の放電を行っていた。
5/13は、まだ熱いまま(50度以上)、残電力の放電を行った。
電池を休めずに、無理なく放電を続けた事が、放電容量増大に影響しているのかも知れな い。

若さ故の過ち

前回の計測では、ザップの効果なのか、測定誤差なのか、はっきりしない点があった。そこで、今更ながらに計測誤差について確認することにした。使用電池 は、新品のRICKBERY900。計測誤差の要因を減らす為、今回は単セルで計測。

<各々の条件での充放電結果表&放電グラフ>

2.0A
45度
充電時間
充電容量
ピーク
電圧
充電後
温度
放電時間
放電容量
放電後
温度
室温
5/18
22分
0:47:26
1021mAh
1.50V
52度
0:09:39
560mAh
55度
25度
5/19
27分
0:44:26
1048mAh
1.50V
52度
0:08:49
511mAh
54度
25度
5/20
26分
0:47:26
1024mAh
1.50V
50度
0:08:54
516mAh
51度
23度
5/21
27分
0:42:26
1015mAh
1.51V
50度
0:08:50
513mAh
52度
26度
計測誤差
全条件、充電:2.0〜1.0A(セル温度45度で電流切替)、放電:3.5A 〜0.80V(セル温度50度まで低下してから放電開始)で計測。計測終了後、カット電圧0.80Vのまま、放電電流を漸減的に0.2Aまで落 として、残電力を搾り出した後に、0.39Ωの抵抗で単セル放電保管。

放電容量は、初回放電時に560mAhを記録した後、2回目以降は510mAh程度に落ち着く。残念な事に、5/18の放電グラフは無い。
放電電圧のばらつきは、5/19〜21の放電時間1〜8分の最高電圧(5/21)-最低電圧(5/20)の平均値を算出した所、0.023Vとなった。
放電電流:3.5A計測後の搾り出し放電では、約200mAhの残電力があった。4セルでの計測時にも感じていたが、RICKBERY900は、計測後の 残電力が他の電池より多い。

今回の計測では、RICKERY900には、初回放電以降に放電容量低下が発生する事が分かった。
また、単セルでの誤差を、4セルで換算すると、約0.09V。ということは、前回の自家製ZAPの効果は、誤差の範囲内か。

百均電池は使えるか

「Seria生活良品」の100円ショップで売っているという「PowerBase750mAh」。1本100円(税別?)なので、おそらく現在最も安価 に入手できる単四型NiHMかと思う。中々見つからなかったが、遂に8本入手。
まず慣らしの為に、AUTOモードで充放電(充電Max:1.22A、放電Max:1.42A)した後に計測。

<PowerBase750mAhのばらつき>
PowerBase750mAhのばらつき
単セル測定時の充電は、まず4本毎に2回に分けて充電: 2.0〜1.5A(セル温度45度で電流切替)。ピークの出る前にカットした後、単セル充電:1.0A&放 電:3.5A。
放電電圧のばらつきは、最大0.028Vなので、計測誤差の範囲を超えている。
放電容量は、Min:433mAh、Max:552mAhなので、結構ばらついている。

<PowerBase750mAhの比較(単セル)>
PowerBase750mAhの比較(単セル)
RICKBERY900との単セルでの比較では、放電容量はほぼ同等。放電電圧は、若干低め。
Panasonic800との放電容量差は歴然。

<PowerBase750mAhの比較(4セル)>
PowerBase750mAhの比較(4セル)
単セルでの計測後、放電容量で4セル毎にグルーピング。
その後、いつもの充電:2.0〜1.0A(セル温度45度で電流切替)、放電:3.0Aで、4セルでの計測。
何故か、単セルで放電容量の大きいグループの方が、4セルでは放電容量が少なくなった。

驚いた事に、手持ちのRICKBERY900での最良電圧セット(4/6計測)と、ほぼ同じ放電電圧。但し、放電開始セル温度が、4/19以前:40度、 5/10以降:50度と異なるので、PowerBase750の方が有利。
放電容量は、カタログスペック上では劣るはずのPowerBase750の方が上回る。
酷使しているRICKBERY900(5/10計測)との放電電圧の差は歴然。このセットはPanasonic800よりも劣っていたので、練習用とした 方が良さそう。

PowerBase750は、今回の計測中、一度も液漏れを起こしていない。
安い上に、良い。コストパフォーマンスは抜群な電池だと思う。

三洋900mAhの性能評価

気が付けば、最近は中国製のバッテリーしか買っていない。最後に買った国産電池は、千石で2003/04に購入した東芝800mAhだった。老舗の三洋か ら、2004/08/01に新型バッテリー(900mAh)が発売されるとの事だったので、久々の国産新型電池の登場に期待していた。 2004/07/30に、フライング発売(?)していたので、1セット分購入。
外観は、-極にHRの刻印があり、側面に「04-07 TG」のマーキングがあった。包装にも「Made In Japan」の記載有。

<三洋900mAhのばらつき>
三洋900mAhのばらつき
単セル測定時は、4本まとめて充電:2.0A(セル温度45度まで)、その後単セル充電:1.0A&放電: 3.5A。
放電電圧・容量共、まるでマッチドしているかの如く、一致している。
放電容量は、Min:789mAh、Max:792mAh。
一部、突然電圧が下がっている個所があった(No.2で-0.014V、No.3で-.0.004V)。計測中の機器に触れてしまっていたのかも知れない が、その後他のセルと一致しているので、大電流放電による異変が生じている可能性もある。
突然の電圧低下が生じる直前のMinとMaxの電圧差は0.006V。

<三洋9000mAhの比較(単セル)>
三洋9000mAhの比較(単セル)
終盤なだらかに電圧が落ちる放電グラフだった為、同じ特性のPanasonic800の新品計測時データと比較。
放電容量は、カタログスペック通りに三洋900の勝ち。
放電電圧に関しては、多少はみ出るがPana800のばらつきに収まる位だった。

<三洋9000mAhの比較(4セル 3.0A)>

2.0A
50度
充電時間
充電容量
ピーク
電圧
充電後
温度
放電時間
放電容量
放電後
温度
室温
三洋900



5.99V
49度
0:12:50
639mAh
48度
29度
Pana800
30分
0:50:26
1026mAh
5.99V
50度
0:10:43
533mAh
48度
29度
三洋9000mAhの比較(4セル 3.0A)
4セルでは、 新品の三洋900と、多少使い込んだPanasonic800で比較。
充電:2.0〜0.5A(セル温度50度で電流切替)、放電:3.0A(放電開始セル温度:45度)で計測。
三洋900では、2.0A充電中に一度はじかれてしまった。最近は充電終盤での発熱が気になるので、0.5Aで充電を終えているが、0.5Aでは時間がか かり過ぎているようだった(合計1時間以上)。
Pana800の方が放電電圧は高く、最大0.07Vの差。放電容量は4セルでも三洋900の勝ち。

<三洋9000mAhの比較(4セル 2.0A)>

2.0A
45度
1.0A
45度
充電時間
充電容量
ピーク
電圧
充電後
温度
放電時間
放電容量
放電後
温度
室温
三洋900
16分
45分
1:07:04
1069mAh
5.97V
53度
0:23:38
788mAh
50度
31度
Pana800
14分
44分
0:53:26
926mAh
5.98V
53度
0:17:16
576mAh
47度
31度
三洋9000mAhの比較(4セル 2.0A)
3.0A放電では、きちんとした充電結果が残っていなかった為、2.0A放電でも確認する事にした。
充電:2.0〜1.0A〜0.5A(セル温度45度で電流切替)、放電:2.0A(放電開始セル温度:45度)で計測。
2.0Aから直接0.5Aに落としてしまうと、充電時間がかなりかかってしまう為、1.0Aを含めた3ステージへ変更したが、電流切替セル温度を変更した 影響もあり、結局1時間以上かかってい る。
充電終了時のセル温度を抑える為、電流切替セル温度を45度へ下げた所、2.0A充電時間が短くなってしまった(室温の高さも影響)。
新品当初のPana800は、終盤でもなだらかに電圧低下していたが、今回はNiCDの様に急激に低下した(単セル放電保管の功罪?)。
Pana800との放電電圧差は、最大0.08V。

三洋900は、手持ちの最大容量電池となったが、放電電圧は今一つ。
同じ事を書いたPana800が、今では放電電圧でも良い結果をあげているので、これからの成長に期待したい。
しかし、充電時間が異常に長いので、使い辛い。

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