3年前の1月。ジーコがフィールドから退場した鹿島−川崎戦。あの日以来 チャンピオンとして川崎を倒す日を待っていた。そして、このゼロックス スーパーカップで実現することができた。もちろん生観戦。ビデオも見たけど。 雨で満員とはいかなかったが、あきらかにホーム側(鹿島)のほうが多くの観客が はいっている。川崎もPASSクラブとかで小さい子どもに旗を配っているらしい が、スカスカで寂しい応援席。やはり国立で鹿島アウェー状態を作れるのは浦和 だけのようだ。 川崎の1点め。奥野につまづく古川、国立で、この組み合わせは鬼門か(注1) TVでのアナウンサーは、巨人大好き(注2)の鈴木健。確かオマーンでの ベンチリポートで、試合後に大恥を書いていた馬鹿ものだ。(注3) 前半、鹿島はトラップした後のボールや、コボレ球が皆、川崎に拾われてしまう。 最初は川崎の網にひかかっているという感じだ。ユニが新調されていた。かっこ よくなってよかった。肩の白線が特にかっこいい。ウルトラマンセブンみたいだ。 アントラーズの1点めは、川崎のロングパスを秋田が競って、こぼれたボールを 名良橋がダイレクトに縦へのフィード、ラインを上げきれない柱ダニは手で止め ようとしたが、そのままマジへ。こういうカウンターの時のマジは、けっこう使える。 この日は1得点1アシスト。 菊池が足を傷めてボールを持ったまま倒れた時、マジが菊池からボールを取って、 自分のハンドにしてゲームを止めた。こういうプレーは、さすがブラジル人。 ビスやん。いい感じでボールを散らしていたが、速すぎて相手の守備を惑わして いない。もう一瞬キープしてオーバーラップを助けて上げる必要があると思う。 フィットにはマダマダか。けっこうゲーム中消えている。 そして、前半終盤にジョルジーニョの退場。結果的には、これのおかげで勝てたが ウーーン。まだまだ高い位置だけに無理して反則する必要はなかったと思う。 ちなみにこの日の雨。川崎の得点後に一時小降りになり、マジのゴールの後、また 強くなってしまった。そしてジョルジ先生の退場後、晴れてくるとは、お天道様も 川崎ファンか。 その後、マジが大活躍を開始。彼のスライディングタックルとか、守備でもイエロー カードなど初めて見たような気がする。ジョルジ退場によっぽど発奮したのだろう。 常に発奮してくれればいいのに。 名良橋の猛然としたカバーリング等、鹿島のお家芸「魂のサッカー」をはじめた。 どんなに不利な状況でも戦う意思を捨てずに、体と闘志で守り、一瞬のチャンスを 狙い続ける攻撃。何度阻まれても次々と攻撃していく。これがあるから鹿島のサポ ーターは止められない。 川崎の攻撃は、激しい横のダイレクトパスを繰り返し、前園、永井が縦に走り出した ところで横パスが縦へのダイレクトスルーパスになる。前園が一対一になったシーンも これだった。しかし、ここは古川の奇跡的な反応でクリア。古川ってこういうのは 凄い。でも相変わらず倒れるのが速いよ。 ディフェンスは2点も取られたが、やはり秋田、本田が入って強くなっている。特に 秋田がオマーンで出場できなかった鬱憤をはらすようにイキイキと動き回っていた。 今年も期待できる。 後半の20分。元ウィング武田が面目躍如という素晴らしいセンタリングで、マグロン のヘッドで川崎ゴール。やはり今年もマグロンは脅威だ。川崎が単調な攻めをしな かったら、もっと活きていた。(注4) もう駄目だと思った1−2。しかし、おまたせ!ここからはザ・柳沢ショー。交代で 入った鬼木が粘って上げたセンタリング、キーパーと柱ダニが交錯して浮いたボール を柳沢がヘッドで押し込み、再び同点。信じられない。 柳沢、ここまでオフサイドは沢山取られているが、この雨のなかでも適確なポスト プレー、ボールコントロールを見せている。スピードもあり、去年のような迷いが 消えている。自信を持った彼は、すでに立派で巨大な角になっている。イタリアに 取られるな(注5) そして、勢いは一気に鹿島に傾き、マジのドリブルからのシュートのこぼれたボールを 後ろから一気に走り込んでいた柳沢が何事もなくゲットゴール。あの照れ屋の柳沢が、 両手を突き上げガッツポーズ。自分でも感動したゴールだと思う。 鹿島同点時からサポーターは、ノンストップアントラーズコール。両チームとも雨で エネルギーが無くなっていたとしても、鹿島はサポーターの応援で補充しているよう だ。走る守る鹿島、熱狂するサポーター。 そして残り5分。慌てない鹿島はしっかりと時間を稼ぎ、ついに試合終了。あーーー、 こんな劇的なのを最初に味わっていいのか。あの3年前の純情な鹿島が、ここまで 精神的に逞しく、プロとなったかと思うと言葉もないくらい嬉しい。 川崎もかなり強い。菊池信吉がケガで退場しなかったら、どうなっていたかわから ないし、今日の勝利は、相手のミスを逃さなかったというだけで力で、勝った勝利 では無い。しかし、今は素直に3年前の復讐が果たせたことを喜びたい。 注1 奥野は93'チャンピオンシップで退場、去年のチャンピオンズ ファイナルで痛恨の失点に繋がるミス。そして、この日も。 注2 日テレちゃんのアナはみな読売の話をする時、心の底から嬉しそう で恐い。あと、解説の奥寺さんはプロで日TVに呼ばれていたため、 完全に川崎ひいきのだった。プロだよね。 注3 加茂監督「一点とった後、固くなってしまいました」 鈴木アナ「固くなったというのは」 加茂監督「固くなったというのは、固くなったんですよ」 得点を取った小村へ最後の言葉... 鈴木アナ「これからもドンドンゴールをとって下さい」 小村 「・・・・(苦笑)(DFなのになぁ...)」 注4 解説の奥寺さんは「単純に単純に」といってたけど、だから ジェフ解雇されたんじゃないの? 注5 後で聞いた話だと、ASローマのスカウトが観戦していて、 「赤の13番は連れていきたいと思った」と言っていたそうだ。