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香草家の四季--春-- |
桜が咲く頃になってくると、どうもそわそわしていけない。
畑が心配になってくる。
何度も畑に足を運び、いつ耕そうかとか、冬枯れしたハーブの茎や葉をいつ取り除こうかとかを思案し始めるのである。
真冬に天地返しした1年草のハーブを植える場所はそれほど雑草も生えていないのであるが、多年草の植えてある周りはホトケノザが満開になっている。
これらのハーブとは関係ない雑草を取るのが春の季節の最初の仕事となる。
ルバーブ:4月1日撮影
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もちろん、桜の咲く時期ということを考えれば、雑草ばかりではなくそろそろハーブの芽が出始める時期でもある。そのため、雑草を取り去る作業はそれなりに慎重に行わなければならないことになる。既に芽を出しているハーブの芽を間違っても抜いたりきったりすることは許されないのである。
我が家のハーブ畑で多年草といえば、ホースラデッシュ、タイム、チャイブ、レモンバーム、セージ、オレガノ、タラゴン、ヒソップ、ルバーブなどがある。
この中で、この時期の草取りの手間が省けるのがルバーブである。
もっと言えば、ルバーブの場合ほぼ1年中草取りの手間が省けるといったほうがよさそうである。ルバーブの周囲には雑草があまり生えないのであるがその理由はわからない。この周りだけはいつも綺麗に耕したようになっている。
しかし、草取りの手間は省けたとしても、このルバーブはかなり去年の葉柄の残滓が残っていて、それが新しく生えてきた茎の間に挟まったりしていている状況となっているため、これを丁寧に取り除く必要がある。たいした作業ではないのであるが、どうしてもやらなければならない作業でもある。
何年も経たルバーブの大株は春に掘り返して株分けすることで若返りを図る必要がある。しかし、大株になってしまったルバーブの株分けをするにはかなりのパワーを必要とする。そのため、よほどのことがなければ最近は株分けをしないことにして、そのままに育てることにしてしまった。
株分けをしないからと言って収穫量は関係ないし、葉柄が短くなることもない。ただし、数年間も株分けをしないルバーブは根元が盛り上がってきて畑の中では異様を晒すことになる。
タイムは、さほど手入れが要らないハーブである。それでも冬の寒さで枯れた部分ができてしまうので、これを鋏などで丁寧に切り離しすっきりした形にしてやる。立性のタイムはそれで十分だし肥料なども与えることはない。しばらくして花が咲き種が落ちるのを待つだけである。
チャイブは今が成長の時期であって、既に葉の長さは20cmを超えていて、花芽を伸ばしてきている。十分に利用できる状況なのでこれは必要に応じて少しずつ切り取っては食卓にのせられることになる。ただしチャイブも若干の手間が掛かるのであるが、それは冬に枯れた葉柄を取り除く作業である。別にそのままでも問題はないのであるが、せっかく濃い緑の葉を伸ばしてきているのに、地面近くに茶枯れた葉が絡み付いていては見た目に悪い。特に我が家の畑では、道路に近いところにこのチャイブを列状に植えてあるので、通る人の目を意識してこれらの絡みついた枯葉を取り除くのである。
セージの大株:2004年5月9日撮影
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レモンバームもそろそろ成長の時期を迎える。
前年に伸びきった茎は既に枯れてしまっていて、その枯れた茎の根元に越冬した新芽が出てきている。そこで去年の茎を根元から切り取ってしまい新芽がまっすぐ伸びるようにするのである。これは単純な作業でそれほど時間も掛からない。
問題はセージである。
今の段階では、周りの雑草を取って、元気に茎葉が伸びてくるのを待つだけである。ところが、今までの経験でいえば、セージは植えっぱなしにしておくよりも、毎年春の段階で「挿し木」により株を更新したほうが、よい結果が得られるようなのである。
セージの挿し木は容易にできるし、根がつけば半年でかなりの大株になる。そのため幾株か挿し木をしておけば十分にその年の利用には耐えられるのである。
セージは年を経て大株になるにしたがって周りに勢力を伸ばす。そのまま放って置くと大株全部から新芽が出て、更に大株になってしまうのである。ここで問題が生じるわけだ。
セージの主な利用部分である「葉」が、その年に挿し木して成長したセージに比べて小さくなっているような気がする。香りまでは判断できないのであるが、葉の「矮小化」は確かに認められるのである。もう一つ、大株がゆえに下葉が混み合い陽の光を受けなくなって、日の当たらない部分の葉が黄変することがある。虫がつき易い状態になってしまうのである。もちろん、剪定を繰り返しながらどんどん利用すればそれほど気にすることもないのであるが、ちょっと利用が止まったりするとこの状況になってしまうのである。
で、セージに関しては、ある程度新芽が成長したところで、それらをちょん切って挿し木をする必要があるということになる。もちろん、自然の影響を受けることからこの作業が済んだからと言って親株を切り取って捨てることはしない。完全に挿し木が成功したころを見計らって、親株の整理に入るのである。これは、春の中ごろの作業となる。(・・・続く・・・)
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